2008年10月の記事


夕暮れの蝶
暮れなずむ残照の中
蜜柑の木の枝をぬって
蝶が舞っている

ひら ひら… ひら ひら

儚げな羽の色

いつだったかの夕暮れ
鎮守の森の鳥居の前で
出立するぼくを見送ってくれた母の姿が
木木の間に見え隠れしていた

蝶と母の姿が
そこにある長大な時間を超えて
重なって見えた

ひら ひら… ひら ひら

儚げな羽の色
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妄言
生まれるのは必然の偶然


死ぬのは必然


生きるのは迷い定めに従うこと


死ぬのは定め迷いに従うこと
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あきのそら
ふと 振り仰いだ空に
一瞬 我を忘れた

あまりの蒼さ
あまりの深さ…

吸い込まれてしまいそうな
溶かされてしまいそうな

透きとおって 同化して
消えていってしまうような

秋の空の 遥かな遠さ
秋の空の 虚しい懐かしさ…
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