銀行は、暗唱番号に頼り過ぎる
先日、我家の生活費用の口座の残高照会をする為に、キャッシュカードを使おうとし
たのだが、エラーが出て使えなかった。お給料日を2日後に控えていたので、慌てて
身分証明書や通帳、印鑑等を持って窓口へ行った。

調べてもらったら、再発行しないとだめだとわれた。早速手続をし、持参した通帳に
記帳してもらう事にした。たまたま、通帳も最後のページになっていたので、繰り越
してもらうことにした。すると新しい通帳を受け取る時に、今までのように照合用の
印鑑シールはつけなくなったと説明があった。私には、2日後のお給料日に現金を引
き出す予定があったので、「印鑑照合用のシールが無くても、通帳と印鑑だけでお金
を引き出せますか?と窓口の方に尋ねると、窓口の方は「少し時間が掛かります。ご
本人以外の方が出金する場合は、身分証明書をお持ちください」と言われ、カードの
再発行手続も終ったと口頭で告げられた。しかし、大事な口座のキャッシュカードの
再発行手続の完了を、口頭で告げられただけという事に少し不安を覚え、「再発行手
続をしているという控えはありませんか」と尋ねたが、控えは特には発行していない
ということだった。

そして2日後、私は同じ支店の窓口で、出金の手続をした。窓口の女性は、2日前と
同じ方であったが、出金伝票を渡す際に、2日前にカードの磁気トラブルがあり再発
行の手続中であることを告げ、免許証と健康保険証の2種類の身分証明を提示した。
しばらくして、名前を呼ばれたので窓口に行くと。本人確認の為に、身分証明書だけ
ではなく、カードの暗唱番号を確認したいと言われ紙を差し出された。通帳で出金す
るのに、なぜカードの暗唱が必要なのだろうと疑問には思ったが、差し出された紙に
暗唱番号を記入して渡した。

それからかなり長い間、私の名前を呼ばれる事は無かった。受付に用紙を出してから
30分近くが経過したころ、ようやく私の名前が呼ばれたので窓口へ行くと…。「お待
たせして申し訳ありません、もしお急ぎのようでしたら、キャッシュカードで出金な
さったらいかがでしょうか?」と言われた。「あの?先ほど説明しましたが、2日前
に再発行手続をしたので、カードが手元に無いんですけど」と私が説明すると。「そ
うですか、では申し訳ありませんが、もう少しお待ち下さい」と言われた。結局私が
現金を手にしたのは、用紙を窓口に出してから40分以上経ってからだった。

窓口の女性は、「今、本人確認のチェックが厳しくなっているので、お待たせしてし
まい、申し訳ありませんでした」と遅くなった理由を説明した。確かに近頃、通帳の
盗難や偽造による被害が多くなっているので、口座名義人以外の人間が、お金を下ろ
すことに対して、チェックが厳しくなるのかもしれない。しかし、キャッシュカード
の偽造による事件も急増している。先日TVで専門家の方が、簡単にカードが偽造でき
てしまうと話していた。ただ、暗唱番号はカードにデータとして入って無いので、
カードだけがあっても事件は起きない。

カードの持ち主が、カードを使う際に入れる暗唱を、覗き見等で盗み出し、それを入
力する事で、偽造したカードでも簡単にお金が引き出すことができるのだと言う。こ
の事実は、銀行側でもわかっているはずだが。銀行の窓口でさえも、暗唱番号を本人
確認の手段にしている。しかし、銀行やコンビニ、ショッピングセンターのキャッ
シュコーナーは、使っている人と待っている人の間に、ついたてはないので、暗唱番
号を盗み見されてしまう危険度はかなり高い。それこそ、小柄なお年寄りの後ろや隣
りに、背の高い若者が立っていたら、手元が見えてしまうかもしれないのだ。

偽造カードによる被害が急増しているにも係わらず。金融機関側が、暗唱番号を本人
確認の重要な要素として使用するならば、もっと暗唱番号を他の人の目にさらさせな
いような工夫があって当然ではないかと思った。