レースへ向けての練習1(2003.4.26)
今年の3月から娘がエントリするSクラスで使われることになったYRA-1というタイヤは、今までの83タイヤより幅が広く、ゴムの特性も若干違うため、グリップが良くなったようだ。しかし、その分タイヤの温度が上がりやすいようで、耐久性も今までのタイヤより低いようだ。

またグリップの限界も、高い割には今までのタイヤのように、限界近くで少しずつ滑り始めるのではなく、限界を超えたとたんにズルッっといくようだ。

2ヶ月のブランクがあるうえ、この新しいタイヤでレースに臨まなくてはならないので、今は少しでもそのタイヤに娘が慣れ、私達もそのタイヤにあったセットを出さなくてはならない。

そのため、少しでも多くの時間走らせたいと思っていたのだが…。朝5時の段階で、まだ前日の嵐のような天気は収まっていなかった。

予報では晴れることになっていたので、午後から走らせる予定で通常なら6時過ぎには出掛けるのだが、今日は少しゆっくり目に我家を出発することにする。

しかし、荷物の積み込みを終えて、いざ出発と思ったら車が動かない。カートの練習に行くのに、肝心のトランスポーターが動かなくては話しにならない。慌ててカート仲間の整備士さんの所に電話してみると、ギアのリンクがはずれてしまったのではないか?とのこと。

車の下を覗いて見ると、それらしい金具がはずれていた。とりあえず、応急処置を施してからディーラーに持ちこんで修理をしてもらい、サーキットへ向けて出発した時には、予定の時間を2時間も過ぎてしまっていた。今日は練習だったので、時間に余裕があったがあ、これがレースの日だったらレースに間に合わなくなるところだ。

ディーラーの整備士さんの話では、滅多に外れることのない部品らしいのだが、カートを積んであるトランスポーターの整備怠ってはいけないのだと、痛感した出来事だった。

午前10時過ぎに新東京サーキットに到着する。今朝方まで続いていた嵐のせいで、サーキットはガラガラだった。

先ずは前回と同じセットで走らせて見る。

タイヤのグリップが上がったため、以前のタイヤよりも1コーナーなどの高速コーナーでの動きはかなり安定している。そのため、1コーナーから2コーナーまでの伸びがいい。しかしその分、2コーナー進入でのブレ―キングが重要になってくる。

しかも、新しいタイヤは、グリップの限界付近でいきなり滑るので、娘にとって2コーナーのブレ―キングがかなり恐いらしい。

そのため、どうしてもじんわりと徐々にブレーキを踏んでしまい、加重移動が起こらず、ブレ―キングですっとカートの向きを変える事ができなくなってしまっていた。

娘の師匠であるショップのお兄さんから、「もっとブレーキを『ガツン』としっかり踏むように!」と注意される。

娘にとっては、ブレーキが重くてなかなか強く踏みきれないのだが、その努力はしているらしく、2コーナーのブレ―キングのポイントで、スッとカートの向きが変わるようになってきた。

しかし、まだスピードを殺し切れてはいないので、どうしてもオーバースピードでコーナーに入ってしまい、曲がりきれなくなるので、またブレーキを踏み足しているようだった。どうも動きがぎこちない。

PITに戻ってくるたびに、もう少し強くブレーキを踏むようにと指示を出して、コーナーのブレ―キングを集中して練習させる。

少しづつ、新しいタイヤとブレ―キングに慣れて来たのか、最後の練習走行でどうにか目標タイムを出すことが出来た。

5/10のレースまで、後1日しか練習日が取れない。上手くこのブレ―キングの感じを忘れないで欲しいと思った。