なたね梅雨
春の女神のご機嫌は実に気まぐれなもので、桜の花が見頃を向かえるこの時期になると、必ずと言って良いほど雨を降らせる

昔の人は、この時期の雨が多いことを「なたね梅雨」と呼んだそうだが、やはり私にとっては「花散らしの雨」という印象が強い

もう2年程前の事、我家の子供達が始めて雨でのレースを体験したのが、この時期だったからかもしれない

キッズカート時代には、雨で走ることは殆どなかったのだが、ジュニアに上がると雨でも当然のようにレースがある

雨になれば、路面の状態も然る事ながら、エンジンのご機嫌も、シャーシのセットも違ってくる。

つまり雨できちんと走ることが出来なければ、当然上を狙うことは出来ないのだ

しかし、娘が始めてJカデットに上がったその年は、レギュレーションの変更があり、アドバンのタイヤを使うことになったのだ

当時供給が間に合わず、レースにでて始めてそのタイヤを買うことが出来るという状態だった
。つまり、レースで使うはずのレインタイヤを一回も使うことが出来ずに、雨での練習をすることが出来なかった

始めてのジュニアのレースを向かえる前日は、そこそこいい天気であったにも係わらず、レース本番では、徐々に天気が悪くなり午後からは完全なウエット状態になってしまった

つまり娘は、始めてのレースを、始めてレインタイヤをつけて望むことになったのだ

今でこそ、雨女の異名を取るほどになり、雨での走りにはそれなりのものになったが、その始めて尽くしに親も子もかなり困惑した

結果は、思ったよりはよくビリになる事もなかったが、見事に夢を散らしてくれたあの日の雨を、私はいつまでも忘れないだろう。

そして、明日今年の東日本ジュニアの第1戦を控えた今日も、「花散らしの雨」が降っている

この雨が、恵の雨をなるか、花散らしの雨になるのか?

それは勝利の女神しか知ることはないのかもしれない