神様がくれた1日  (@2001/5/4作品)
雨上がりのなんか肌寒い休日に 突然神様が時間をくれたね

最初は、買い物に行くはずだったんだ

でも、お目当てのものが見つからなくて

2人で途方にくれていたら、君がいきなり

「山下公園に行きたい」って言い出したんだ

君の気まぐれはいつもだけど、私は少しビックリしたよ

それなら、横浜から船に乗って行こう!ってことになって

私も始めて乗ったんだよ、シーバス

道すがら、いろんなことを話したよね

君と会ってからもう8年も経ってしまったっていたね

私は、君と会ってからずっと忙しくて

そんなことにも気付かずにいたよ

それからマリンタワーに上ったね

どこで仕入れてきたのか?

「マリンタワーからアメリカが見えるんだよ!」なんて

大きな声で言うからさ、私は物凄く恥ずかしかったよ

その後、立ち寄ったお店で、お目当ての物がある場所がわかって

慌てて、バスで桜木町に行ったよね

特になんにも決めずに行ったから

行く先々で誰かに話しを聞いて、そのたびに行く先を決めて

なんか、ロールプレイングゲームみたいな感じだったから、私は結構ワクワクしたよ

出かける時に、玄関先で握った君の手は

あまりにも小さい気がしたけど

帰り道、私の前を歩く背中は

なんだか大きく見えたんだ

こんな風に君とゆっくり過ごす時間は

これまでも、そしてきっとこれからも

もうないかもしれないなって

君は今日のことなんて、いつか忘れてしまうんだろうなって

その背中を見ながら思ったよ

でもねママは、神様がくれた8歳の君との今日の出来事を

ずっと覚えているからね