幸運の女神
私と親友が出会ったのは、もう4年前の事、子供達が毎週通っていた、インドアカート場だった

すごくチャーミングなのに、すごく気さくで明るい、素敵なママだった。子供達が仲良く遊ぶようになって、次第に私たちも話しをするようになって行った

カートは家族が1チーム。つまり、それぞれの家族はライバルチーム同志ということにもなる

そのせいか?お母さん達の中でいろいろしがらみが生まれはじめた。もともと、男っぽい気質の私は、どうもそいう言うのが苦手なので、なるべくその手の話にも輪にも入らないようにしていたら…

何時の間にか、私はターゲットになってしまっていた。うちのだんなの”瞬間湯沸器”的な性格も、お母さん達の格好の攻撃目標だったのだ

有る時、それがもとでトラブルが起こった。キッカケは、チョットした勘違いと行き違い。ただそれだけのことだったので、私はあまり気にしないようにしていたのだが、向こうはそれでは納まらなかったらしい。そして、私が必死になってなだめて押さえていただんなの堪忍袋の尾も切れてしまったのだだんなは、カートを辞める!と言い出した

「子供の為にやっているんだから!気にしないようにしようよ。」私が執り成しても、だんなの怒りは一向に納まらず、途方にくれそうになったその時電話が掛かってきた、親友からだった

トラブルの為に、サッサとカート場から引き上げて来てしまったので、私のことを心配して、深夜にも係わらず電話をくれたのだ

親友の心配そうな声に、「ありがとう、大丈夫」と応える私の隣で、だんなは「カート辞めるから、もう関係ない!って電話を切れ!」と怒鳴っている

私が「ごめんね」と言うと、彼女は「パパの性格はわかってるから大丈夫だよ」と笑ってくれた

あちらのだんなさんが、うちのだんなに話しをしてくれたり、また彼女が私を慰めてくれたり、その日、いったい何時まで彼女と話しをしていただろうか?

すっかり自信をなくしていた私に、彼女は、「誰がなんて言ったって、ママは私の友達だからね!だから、ずっと友達でいてね!」って何度も何度も言ってくれたのだ

そう親友一家がいてくれたから、家の子はカートを続けていられるし、私もこうやって元気にやっていられるのだ

私を拾ってくれた神様は、とびっきり素敵な幸運の女神だった