備えあれば憂いなし
 23日の夕方に、新潟県の中部を震度6強という大変強い揺れ
が襲った。しかも、その後も揺れは何度も続き、25日の正午ま
ででも震度5以上の地震が14回発生し、余震も370回を超えたと
いう。関東南部に居住している我が家も、始めの数回の大きな
地震の際には、震度4程度の地震を感じ、その揺れはかなり怖
かった。

 マンションの1階に住んでいるので、普段はテレビの速報を見
て「あ、地震があったんだね」と話す程度にしか揺れたことが
ないのだが、今回は短時間の間に数回かなりの揺れを感じ、正
直言って怖かった。時刻は丁度夕飯時で、台所では火を使わな
くてはいけない時間帯である。途中まで作りかかってしまった
のでやめるわけにもいかず、様子を見ながら手早く支度をして早々に食事を終えた。

 夜更けまで断続的に発表される地震速報を見ていると、被災
された方たちはどんなに不安だろうと思いながら、テレビにか
じりつくようにして情報を待った。私の居住する関東南部は、
昔から「関東大震災並みの直下型地震が起こる」とか、「東海地震が起こる」といわれ続けてきた地域だ。それだけに、私に
とって地震災害は、とても人事とは思えないのだ。

 一夜明けて入ってきた被害状況は、予想よりも広範囲におよ
び、開業以来40年も無事故を誇ってきた新幹線も脱線し、被災
されたり停電や断水などライフラインを絶たれてしまった人も
かなりの人数だった。震源が山間部だったこともあり、陸路が
絶たれてしまい孤立してしまった村も何箇所にも及んだとい
う。しかし、テレビに出てくる専門家の方の話によると、今回
の地震は、プレートの摩擦によって起こる東海地震などと違
い、日本列島に多々存在する活断層が、地殻の変動などの圧縮
によってずれて断層の中央部が持ち上がる「逆断層型」と言わ
れるタイプで、決して大きな地震ではないという。つまり、日
本ではどこでも起きうる可能性が多々あるもので、地震前兆の
予知もしづらいものらしい。

 また、今回の地震の被災地では斜面崩壊や、地面の陥没など
が多くみられた。これは、大きな台風でもともと地盤が緩んで
いたことと、もともとの地形が急斜面が崩れてできた「地滑り
地形」に手を加え、盛り土などをして整地をして出来た地形な
ので、地すべりが起こりやすかったことも大きな原因の一つと指摘している。浜田政則・早稲田大教授(地震工学)も、路面
が崩れた堀之内町の関越道について「片側が大きく崩れた。小さな谷を埋めて造った場所の典型的な壊れ方だ」と指摘。柏崎
市でレールが曲がった鉄道も同様だという。大手ゼネコンの専
門家によると、高速道路や鉄道の盛り土はビルのような基礎工
事はしていないという。大被害に結びつきやすい場所では、新
幹線の一部区間のように鉄板で盛り土を補強するなどの対策が
必要という。浜田教授は「まず危険があることを広く知らせる
べきだ」と指摘している。(asahi.comより)日本に住んでい
る以上、この手の地震や災害が、いつおきても仕方が無いとい
う覚悟をするべきだということだろう。しかし、いつ起きるか
わからないものに対して、常に警戒をしながら生活するのは難
しいが、最低限準備をしておくことは必要だということなのだ
と思う。

 また、今回のように長い時間ライフラインである電気やガス
などが止まってしまった場合についても、それなりに備えてお
くことは必要だと思う。やはり、救助がすぐにこられるとは限
らないことからも、わが身は自分自身で護る備えが必要だと思
う。ただ、我が家のようにマンション暮らしをしていると、暖
房などは石油でもガスでもファンヒーターといって、直接火が
表に出てこないものを使っている場合も多く、電気がなければ
暖が取れないことになる。しかし、普段の生活での安全性や利
便性を考えると、やはりファンヒーターなどを使用せざるを得
ない。かといって、全ての家庭でキャンプ用のストーブを用意できるわけではないと思う。だとしたら、家電メーカーの方で、地震などで電気が使えない状態でも、どこかのスイッチを
切り替えることで、電気を使わなくても、とりあえず暖房とし
ては使えるような仕様のファンヒーターの開発などを手がけること等も必要ではないかと思う。

 最後に、今回の地震で被災された方、またライフライン等の
復旧の遅れで不自由な生活を余儀なくされた方々へ、心からお見舞いを申し上げます。