旧友との再会
学生時代の親友のお父様が急逝した。

そして今日が告別式だった。それははからずも、旧友たちとの再会の場になった。

皆学生時代と殆ど変わらないな〜、と思っていたら。向こうに言わせたら、私もちっとも変わっていないという。彼女達と始めて会ってからもう20年近い年月が経とうとしている。

しかも、約10年ぶりの再会にもかかわらず、一言喋り始めた途端に、お互いの間に別々に流れていたはずの時間はいっきに遡り、何時の間にか、皆の顔は、あのお茶目な学生時代に戻っり、思い出話に花が咲いていた。

それぞれの道を、それぞれの思いを胸に抱いて歩いていた。お互いに仕事や育児に忙しくて、年賀状をやりとりするのがやっとという状況だったにも係わらず、いつも心のどこかに彼女達の存在があって、その存在に私も彼女達も支えられていることを知っていた。

十人十色というけれど、私の旧友達はまさにそんな感じなのだ。一人一人の洋服の趣味も、好きな音楽も皆違う。でも、皆それぞれが、それぞれのことを認め合っていて、それぞれのことを好きなのだ。だから、私達の間では、皆違っていることが当たり前で、だれも自分の趣味を他人に強制したりはしない。

それでも、なぜか皆でいるのが楽しくて、今までずっと一緒に、同じ時代を歩いてきた仲間なのだ。

この次は、急に父親を亡くした彼女を励ますために、温泉にでも行こうねと約束して皆と別れそれぞれの空の下へと帰って行った。