つゆのひぬまに…
梅雨のひぬまに、ふと思い立って両親のお墓参りに行ってきた。

一週間くらいまえから、なんとなく夢の中をなくなった父の面影がちらついていたのだ

今年の春に、母の13回忌と父の7回忌を住ませたのだが、6月は父の命日と母の誕生月だった。多分、来月のお盆まで待ちきれずに、催促をしに来たのだろう。しかし、はっきりと夢に登場してこないところが、いかにも頑固者で素直なじゃない父らしい感じがした。

お花を買って、父の好きだった銘柄の煙草とお酒を買ってお寺に向かった。平日のお寺は、閑散としていて、やけにがらんと広く感じた。

せっかく来たんだからと、墓石の掃除をした。梅雨の晴れ間とは言えやはり6月、コンクリートの照り返しもあり、かなり暑い。

額や首筋から汗がポタポタと垂れてきた。ピカピカに磨きあがった御影石を見上げた時、なぜか私は「ああ、私は生きているんだな」と思った。

お線香を上げ、母が好きだったお花と父の好物
のタバコとお酒を供えて、「じゃあまた、お盆にね」といって、お墓を後にした。