理解のある弟
娘が数ヶ月前に初潮を迎えてから、私と娘の内緒話の回数が増えた

娘に生理についていろいろ指示をするために内緒話をしているのだ

「今月はもうきた?」とか「お腹痛くない?」とか、「まだ終わらない?」とか、娘の周期が安定しないので内容的には大した話ではない

別にコソコソとする必要もないのかも知れないのだが

大声で話すような内容ではないし、10歳の息子の目もあるのでなんとなくコソコソ話してしまっていたのだ

そんなある日、学校から帰って来た息子が私の目の前に、90点と採点されたテストをグイッと突き出して来た

「へ〜頑張ったジャン」と私が言うと、「もっとよく見てよ!」と息子が言った

「なによ〜、テストの点が良い時だけママのところに持ってくるんだから」と言うと

「違うよ、このテストは『からだのこと』についてのテストなんだぞ」と息子が言った

そう言われてテストを受けとってよく見てみると、男の人と女の人の体の構造の違いなどについてのテストだった

「オレだって、一生懸命勉強したんだ。ねえちゃんの血が出る病気(息子は生理をお尻から血がでる病気だと思っていたらしい)のことも勉強して覚えたんだ!病気じゃないんだよね、アレは」

私と娘のコソコソ話が、息子はすごく気になっていたらしい。そんな時、丁度学校で体について勉強したのだという

息子なりにおねえちゃんのことを理解したかったのだろう、その結果がこのテストの90点なんだということらしい

「そっか〜、頑張ったね」私がそう言うと、息子は納得したように自分の部屋に戻って行った

しばらくして娘が帰宅すると、まるで何もなかったかのように息子は普通に遊んでいた

でも、息子は息子なりに自分より少し早く大人になろうとしている姉のことを、理解しようと思っているんだと思う。

これからは、娘とあまりコソコソ話すのは止めるようにしようとも思った

生理は、女性なら誰にでもあることで、それは恥ずかしいことでも何でもないんだ。そんな事を、10歳の息子に教えられた気がした。