新しい試み
今子どもたちの間で、根強い人気を誇るゲームソフトに、ポケットモンスター(ポケモン)というのがある

ゲームの中を旅しながら、モンスターを捕まえて仲間を増やしていき、いろいろな冒険をしてゲームをクリアしていくというものなのだ。主人公に自分の名前を付けたり出来るので、プレーヤーは、ゲームの主人公に自分の姿と重ね合わせて、丸で自分がゲーム世界を冒険しているような共感を覚える。そのせいか、我家の子どもたちも熱中している。

先日も、友達を我家に呼んで息子がそのゲームで遊んでいたのだが、ゲーム機を横においてみんなでなにやら紙に書いている。

「何やってるの?」と聞くと、「これで暗号を解いてるの」と見せられた説明書には、点字がびっしりと書いてあった。

よく読むと、それは実際に使われている点字で、ゲームの中でそれがモンスターを捕まえるための暗号として使われているのだ。

説明書の最後に、日本点字図書館の理事長さんによる、点字についての解説が載っていて、ゲームをすることによって、少しでも点字のこともわかって欲しいということが書かれていた。

子どもたちは、学校で福祉について学びながら、点字のことも教えてもらったりはしているのだが、やはりそれだけでは身近に感じることは難しいように思えた。

しかし、子ども達にとって一番身近な存在である「ゲーム」にそれを取り入れることによって、点字がより身近なことに感じられると思う。

現にわがやの子どもたちも、駅などで点字を見かけた時の反応が、明らかに違って来ているのだ。

このポケモンに、点字が取り入れられていることは、あまり世間には知られていないように思えるが、このことをきっかけとして、きっとそのゲームをした子ども達の中には、なにかを残してくれると思う。

また将来、ゲーム機の表面が、デコボコを出っ張ったりして、目の見えない子ども達にもゲームの楽しさを教えてあげることが出来たり、目が見えるこも見えない子も関係なく、一緒に遊ぶことが出来るようになるかも知れない。

今回の任天堂の新しい試みが、いずれ大きな実になることを、願って止まないのであった。