課題はブレーキ!
翌週にレースを控えて、今日は新東京サーキットへ最終調整のための練習にきた。

始めは、明日練習に来る予定だったのだが、明日は天気が午後から崩れるという予報だったので、急遽1日繰り上げたのだ。

レース直前の練習は、レースのセッティングを出すためのシュミレーション的な意味合いを持つ。アウトドアで行なわれるスポーツは、どうしてもコンディションが天候に左右されてしまう。特にカートの場合は、気温によってシャーシのセットが、湿度によってエンジンのセットが決まるので、出来るだけレース当日の天候に近いコンディションで練習したいのだ。

チームメイトから、雨女の異名を取る娘は、今まで散々雨で練習をしてきた。そのおかげでウエットでの走りは師匠のお墨付きをもらっているのだが、晴れて乾いた日の走りにはまだ甘さがあり、なかなか結果が出せていない。

その弱点を克服する意味もこめて、雨の降る可能性が低い今日、練習にきたのだ。

それにしても、今日の新東京は寒かった。それなりに陽射しは温かいのだが、風が冷たくて強かった。そのため、路面温度が上がりにくく、またコース内にホコリが多くて滑りやすいようだった。

やはり娘のタイムも上がって来ない。娘の走りをじっと見ていたメカニック担当の主人が、少しでもグリップを稼せごうと、リアの剛性を低くしてみると、予感的中!少しづつタイムをあげてくる。

娘は娘で、先日見た師匠が解説しているDVDの走りを、頭の中で自分の走りと重ねあわせながら、少しづつブレーキングの位置やラインを自分で調整していた。

娘の走りを見ていた、師匠のお兄さんがまた私にタイムを聞いてくる。各上のカートに混じりながらも、あまり遜色のない走りを見せていたからだ。

「大人と一緒に走り始めて、まだ3ヶ月なのに、随分上手くなったよね」とお兄さん。確かに、タイムが出せるコンディションではないのに、廻りの大人と見劣りすることなく走りぬいている。

「2コーナーのブレーキがあともう少し強く踏めるようになれば、0.5秒は上がる。そうしたら、かなりいいとこにいけるんだけどね」

ジュニアのシャーシに比べて、大人のシャーシはブレーキがかなり重いのだ。まだ小学生で、大人に比べて非力な娘がそれをきちんとブレーキングするには、少し無理があるのだ。

しかし、同じレースにエントリした以上、小学生だからとか、女の子だからとかは言ってはいられない。課題であるブレーキングが、どれだけクリアできるか分からないが、来週のレースでは、ドライコンディションでの入賞を目指したい。