やんちゃ坊主
学校から帰って来た娘が、「今日、担任の先生から、電話があるから」と私に言った。「え?あんたなんか悪いことしたの?」と私


「違うよ!うちのクラスのKのことで電話くれるんだって」と娘。K君とは、娘の学校で1番のやんちゃ坊主だ

「Kがね、またココのところ私に暴力振るってくるのよ。だから、そのことだってさ」話しの内容とは違って、娘は他人事のように話している

「だってさ、K君がやんちゃなのは今に始まったことじゃないじゃん?あんた1年の時から一緒なんだか知ってるでしょ?」「まあね、今日また蹴られたからさ、そのことじゃない?」やっぱり、他人事のように娘は答えた

「でさ、そのことで学校に行きたくないとか思う?」と聞くと。「ううん、全然」

そのうち電話がかかって来た。「目に余るので、私も厳しく注意をしましたし、席を離したりという処置は講じますので」平身低頭私に頭を下げて謝る担任の先生

でも、私にしてみたら、それはおかしな話しだと思う。別にそのことは、先生のせいではないと思うのだ。だからと言って、K君の親御さんが謝りに来い!とい訳ではない。K君は、ただのやんちゃ坊主なのだ

その証拠に、授業中でも、先生の前でも暴れる。つまり、良くいう”いじめ”とは違う。娘もそう理解しているらしかった

あれは小学校に入って初めての授業参観の日で、算数の時間だった。娘はその頃算数が苦手だったにも係わらず、黒板に答えを書かなくてならなくなった

数人の子が当てられた中娘の答えだけが違っていたが、娘は気がつかずに自分の席へ

「あ〜あ。」と私が思った瞬間、机の間にそっと隠れながら動く陰があった、なんとK君だった。そのまま忍び足で黒板に近寄ると、娘の答えを正しい答えに書きなおして席に戻った

担任の先生も、お母さんたちも何くわぬ顔をして席に座っているK君のことがおかしくて、笑いをこらえるのに大変だった

そう、K君は本当は優しい子なのだ。

それを証拠に、2学年違ううちの息子は、K君に仲良く遊んでもらったり、助けてもらったりしているという

私は担任の先生に、娘についてのフォローは私がしますので、学校としてやるべき指導や処置はお任せします。と伝えて電話を切った

ま、今晩にでも娘の愚痴をじっくり聞いてやろうかな?