抱っこ
残業して帰って来たある日のこと、着替えもそこそこに

台所でせわしなく夕飯の支度をしていたら・・・

なんか娘の陰がチラッ、チラッと視界を横切る

ん?なんか、心なしか娘の視線も感じる気がする・・

ん?なんかあったのかな〜?

私は視界の端っこに娘の姿を置きながら

せわしなく夕飯の支度を続けていた

チラッとまた娘がこっちをみた

なんかちょっと落ちつかない感じだ。

学校でなんかあったかな?ん〜でも、それにしては

おしゃべりな娘のことだもん、黙っているわけが無い

なんだろな?。。。。。って考えていたら、あ、またみた

仕方が無い、聞いてやるか?

一段落したところで、私はワザと娘にお使いを頼んだ

そしてお使いから帰って来た娘を

「ご苦労様〜、寒かったでしょ?」といいながら

ギュ〜〜ウ、って思いっきり抱きしめた

娘はビックリしてたけど、でも。「うん♪」って頷いて

黙って私を見上げると、「ただいま〜」って言ってまた抱き着いてきた

「どうしたの?さっきからチラチラ見てたでしょ?

ん〜?なんか寂しかったの?抱っこして欲しかった?」

娘はちょっと照れたカオしながら、フフフと笑った

「う〜〜ん、大きな赤ちゃんだな〜?」

でもね、もう赤ちゃんじゃないんだよ?

だからね、ママはあなたの事を抱っこして上げることは出来ないよ?」

娘はいぶかしげな顔をしてる

「いい?赤ちゃんじゃないんだから、抱っこして運んでいってあげることは出来ないんだよ?

でもね、不安になったらいつでも抱きしめてあげるから

あなたは、あなたの足で歩いて行きなさいね?」

そう言ったら、娘は「うん、分かった!」と言ってやっとニッコリ笑っってくれた