「タージ・マハル遠望」
<<インド>>--アグラ--


ヤムナー川を隔てた、アグラ城の牢獄から眺めるタージ・マハルの全景。

タージ・マハルを建立に、22年という歳月と、莫大な費用を費やしてしまった皇帝シャー・ジャハーンは、自分の息子に王位を奪われ、このアグラ城に幽閉されてしまったのだ。

彼は、この牢獄の格子窓から、自分が建てたこのタージ・マハルを毎日眺めながら、亡き最愛の王妃を思いつつ、死んで行ったという。

この国家経済を危うくした霊廟が、現代になって世界遺産として、インドの象徴のように崇められるのだから、何とも皮肉な話である。