「タージ・マハルからの眺め②」
<<インド>>--アグラ--


タージ・マハルの裏手を流れるヤムナー川の光景。

このヤムナー川の左手はるか彼方に、アグラ城が微かに見える。

タージ・マハルを建立した嘗ての皇帝シャー・ジャハーンは、亡き最愛の王妃ムムターズ・マハルのために、22年という歳月と、世界各地から資材や人材を集めてこの霊廟を建設したため、国家が傾くほどの莫大な費用を掛けてしまった。

そのため、自分の息子に王位を奪われ、彼は息子によって国状を危うくしたとして、アグラ城に幽閉されてしまったのだ。

皇帝は、アグラ城に幽閉された後も、牢獄の格子窓から、自分が建てたこのタージ・マハルを毎日眺めながら、亡き王妃を思いつつ、死んで行ったという。

今は、このタージ・マハルの霊廟に王妃と並んで、彼の遺体も安置されているのである。

正に世界一の費用を費やした恋愛物語と言う事が出来ようか。