「平原の朝」
<<インド>>--アグラ--


寝台列車の窓から見る、インド平原の朝の光景。

列車に揺られる事6時間、やっと白々と夜が明け始めた。

ベットから起き出して、外を眺めると、朝靄に霞んだ清々しい野原の光景が目に入った。

ペットボトルを持った男が野原を歩いている。

更に列車が進むに連れて、あちこちで野原にしゃがみ込んでいる人が多いのに気付いた。

何と彼等は、朝の用足しをしているのである。

ペットボトルの水は、用を足した後、手で尻を拭い、ペットボトルの水で手を洗って、用足し終了と言う具合である。

中には用足しをしながら、列車に手を振っている子供もいるから、何とも長閑な話である。

嘗ての日本の田舎でも、こんな光景を見掛けたものだが、その頃はペットボトルなど無かったから、木の葉が紙の代用だったことを思い出したのであった。