「平原の朝②」
<<インド>>--アグラ--


寝台列車の窓から見る、インド平原の朝の光景その2。

此処にもペットボトルを持った男が歩いている。

言わずと知れた、朝の用足しに出掛ける光景である。

(参考までに、インドでは左手で用足しの後の始末をするから、不浄の手とされ、決して左手で握手をしたり、物を食べてはいけないのだ、食事も右手でじかに料理を取って食べるのである)

赤い服を着たおばさんが居るが、一体彼女は何をしているのだろう。

まさか女性までが、野原で用足しをすると言うことは無いのであろうが、様子は分からない。

小さな男の子が、線路際に佇んでいるが、彼はきっと停車した列車を眺めているのだろう。

朝霧に霞んだ光景は、彼等の行動すら浄化してしまうほどに、幻想的であった。