日本の土地問題
現状把握と比較による 日本の土地利用の問題と解決
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結論を挙げておきますと、土地の高度利用が必要ですが、非効率な土地の利用などの問題を解消する必要があるとの事。
ただし、一朝一夕には解決しない事を心得ておくべきであると。

結論
日本が土地の高度利用を進めていくためには、まず宅地の供給量を増加させていく必要
がある。現状では都市における零細な土地利用や密集市街地が多く存在するために再開発 が進まない。こうした土地を集約していき、建物の高層化を図っていくべきである。建物 の高層化によって都市の人口を高めると同時に土地の整理を行い、道路や鉄道などの社会 的資本を充実させ、交通の混雑を緩和するなどのデメリットの解消を図っていく必要があ る。土地の高度利用を促進させ、密集市街地を減らしていくことや道路の拡張、公園など のオープンスペースを作っていくことは大きな震災が頻発する日本には必須である。地震 などの震災が発生した場合、安全に非難できるようになるためにも再開発を進める必要が ある。また、日本の粗悪な住宅事情を解決するためにも土地の高度利用は不可欠であり、 都市の高層化を進めていくことで住宅価格の減少、賃貸の床面積の増加、通勤時間の短縮 などの住宅水準の改善を図ることができる。
そのためにも土地の流動性の阻害する相続税や譲渡所得税などの土地税制の問題や、小 規模宅地利用のインセンティブ、生産緑地などの非効率的な土地の利用などの問題を解消 する必要がある。しかし、一度建設された建物には不可逆性があるため、低層の建物から 高層ビルへと立て替えていくことは困難である。このため税制が望ましい方向に見直され たとしても、土地の高度利用は一朝一夕に出来る問題ではないことを留意すべきである。
参考文献
金本良嗣(1994)「土地課税」『税制改革の新設計』(野口悠紀雄編)第 5 章,日本経済新聞 社,p141-184