四季(冬-春) 5.7.5 (7.7)


跨りし鋼の馬で寒を突く


知らぬ振り不幸の冬を素通りし


弓形し凍輝三日月流の朧


道満の流れし佐用星の郷


春ほのか寒紅梅の淡き香


ガソリンが虹を描いた水溜り


波しぶき潮風描くカタルシス


座礁船割れたスクリュー浚う波


夢去りしネジの切れ橋オルゴール


暁星の湾岸道路明ける冬


若さとは傷つくことができる春   


天使の輪微笑まぶし君遠く    


土の笛心の庭に息吹の芽


春光に琥珀の浪漫潮流す


春の日の出会いと別れ道と道


寒と暖混じる昼夜の春の顔


百合鴎都会の河川夢去りし


迎春を望む望めぬ人の道


水の泡春の断想浮かび消え


太公望春が立つ頃浮き沈み


パステル画風に転がるあの日まで


春の空ふんわりふわりぃ逍遥


ぽっかぽか昼夜半分古城跡


綺麗事ならべて春のうわの空


自殺率らむ都会アドバルーン


花は花咲きて舞い散る天の巡


句を拾う雑居ビル群春迷路


春雨去り下弦の月に静寂図


花に雨さらば散りゆく夢幻なり


巡恋歌水面の慕情春しぐれ





 阿吽 橋本 改さんに感謝します。 道風 拝