2025年10月の記事


わびさび
 近くの河畔まで足を伸ばす。熊を警戒して時刻も午後の前半に限っておく。目の前の山城跡も色づいてきた。感性は鈍い方だという自覚はある。しかしなんなく「わびさび」というような感じ方が、自分にもあるような気分になる。

 どこか負のイメージもある季節だ。しかし自然は実りの季節という面をも見せている。さて自分を振り返れば、老いとか衰えということがぴったりのように思えてならない。

 そこを無理にでも、夕陽に照らされながら、飄々と家路を辿る自分の姿をイメージしてみる。それでいいではないかと思いながら。
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秋は夕暮れ
 「秋は夕暮れ 夕日のさして山の端いと近うなりたるに・・・」と、うろ覚えの枕草子」の一節が、唐突に浮かんでくる季節になった。

 歩いて三百メートルも行けば、戦国末期の山城の跡に着く。しかしこのところ熊の出没がかなり頻繁である。「君子危うきに近寄らず」がよしとして、家の縁側から城跡の山を眺めるだけにとどめておく。

 空が曇りはじめてきたのも歩行中止の理由にして。「それでいいのだ」とさらに理由をこじつけて。
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