サイト紹介研究日記 第11回
一館ずつ訪ねる・サイト紹介研究
第11回・再考編 enmedia2cwm――世界とメディアを切る、旅で視野を広げる
新企画「ひとつの話題、ふたつの見方」

enmedia2cwmの役割について、改めて考えてみました。

CWMは「カッティング・ワールド・アンド・メディア」の略です。「世界とメディアを切る」という考えから、批評のサイトとして作り、さらに旅のサイトとも関連づけていました。

ところが、批評活動に使っていたサービスのコンテンツがなくなり、以前のようには取り組みにくくなりました。

今回は、この成り立ちを出発点に、元の持ち味をどう生かしていくか考えてみます。サービス終了の詳しい経緯や、現在残っている記事は未確認なので、これからの運用案として整理します。

「切る」とは、よく見て考えること

批評という言葉には、難しい印象や、厳しく批判する印象があるかもしれません。

ここでは、「よかったところ、気になったところ、別の見方」を自分の言葉で考えること、と捉えたいと思います。

テレビ番組やニュース、旅の紹介を見たときに、まず内容を受け止める。そのうえで、「何がよく伝わったか」「どこが省かれているか」「自分ならどう考えるか」を確かめる。

「世界とメディアを切る」という名前には、そうした自分の視点を持つ姿勢を生かせそうです。

enmediaとの違いを、はっきりさせる

enmediaも、番組や話題を掘り下げるサイトとして紹介されていました。したがって、二館を単に「紹介」と「詳しい紹介」に分けるよりも、読む目的を分ける方が自然です。

今後の役割分担を、次のように提案します。

比べる点 enmedia enmedia2cwm
中心となる役割 番組やメディアを楽しみ、知る 伝え方や内容を比べ、自分の見方を持つ
最初の問い 何が面白かったか なぜ、そのように伝えられているか
記事の例 番組紹介、視聴感想、関連情報 番組批評、報道の比較、旅先の描かれ方
読後に残したいもの 次に見たい、もっと知りたいという気持ち 自分ならどう考えるか、という問い

これは、今後の運用を分かりやすくするための整理です。両館で扱う題材が重なっても構いません。

例えば、enmediaで旅番組の見どころを紹介する。CWMでは、その番組が地域の何を見せ、何をあまり扱わなかったかを考える。同じ番組から、違う読み物を作れます。

旅との関係が、批評を身近にする

旅という題材は、CWMの特徴を出すうえで大切だと思います。

旅先には、景色や名物だけでなく、そこで暮らす人、交通、季節、歴史、日々の仕事があります。旅番組や観光案内を見るときに、「訪ねる人の目」と「暮らす人の目」を行き来すると、考えることが増えます。

もちろん、実際に出かけなければ記事を書けないわけではありません。

過去の旅の記憶、身近な散歩、地図、地域の資料、旅番組なども入口になります。ただし、「現地で見たこと」「資料で読んだこと」「自分が想像したこと」は分けて書きます。

年齢や体力に合わせて、家で楽しむ旅の研究もできる形にしたいところです。

新企画①「ひとつの話題、ふたつの見方」

最初に提案するのは、一つの話題を二つの立場から考える企画です。

最初から多くのニュースを集めなくても、番組一本や記事一本から始められます。

題材 一つ目の見方 二つ目の見方
観光地の紹介 訪ねる人にとっての魅力 そこで暮らす人の日常
新しい機器の紹介 増えた便利さ 使い慣れるまでの負担
懐かしい街の特集 残したい風景 今の生活に必要な変化
旅番組 映像で伝わる魅力 映像だけでは分からないこと

二つの見方を出しても、無理に同じ評価にする必要はありません。資料を確かめたうえで、自分がどちらを重く見るかを書いてよいのです。

記事は、次の四つで組み立てられます。

1. 何を見た、読んだのか。
2. よく伝わっていたことは何か。
3. 別の立場から見ると、何が気になるか。
4. 自分はどう考え、何を確かめたいか。

「分からないことが残った」という結びでも、批評として意味があります。

新企画②「旅番組の画面の外」

旅とのつながりを生かすなら、「旅番組の画面の外」という企画も考えられます。

美しい景色やおいしそうな料理を楽しんだ後で、画面には詳しく出てこなかったことを、一つだけ調べます。

例えば、「駅からどのくらい歩くのだろう」「休める場所はあるのだろう」「この場所の歴史は何だろう」といった疑問です。

高齢の方に向けた記事なら、移動のしやすさや休憩の取りやすさも、旅先を理解する大切な視点になります。ただし、具体的な交通や設備を紹介するときには、公式案内などで確認し、確認日も添えます。

番組の欠点探しをするためではなく、見て楽しんだ旅を、自分の暮らしや関心に引き寄せる企画です。

新企画③「昔の私の批評を、今読み直す」

以前の批評文が手元に残っていれば、その再訪もCWMらしい活動になります。

当時は何に驚き、何を問題だと思っていたのか。今も同じ考えなのか。それとも、経験を重ねて見方が変わったのか。

古い記事に、現在の短い追記を添えます。

「当時の意見」
「今も変わらない点」
「今なら書き加えたい点」

この三つだけでも、自分の考え方の歩みが見えてきます。

前回のhistoryhoihoiには、再訪した記事の記録を残せます。hp4toには、元の記事と追記を整理して保存する、といった連携も考えられます。

サービスがなくなっても続けやすい形へ

今回の再出発では、まず日記記事を活動の中心に置く方法を提案します。

扱った番組名や記事名、日付、分かる範囲の出典を記録し、自分の要約と批評を書きます。外部サービスの表示がなくなっても、自分が何を考えた記事なのか伝わるようにするためです。

引用が必要な場合は、必要な部分に絞り、引用箇所と自分の文章を分けます。元の記事や画像を丸ごと保存・転載することとは区別します。

以前の資料が見つからないものは、記憶だけで内容を再現せず、「当時こう考えていたと記憶している」と明記しておけば、振り返りの記事にできます。

最初の一本は、こう始めたい

三つの企画を一度に始める必要はありません。まずは「ひとつの話題、ふたつの見方」を一本だけ試すのがよさそうです。

題材は、最近見た旅番組や、気になったメディアの記事から選びます。

enmediaには、楽しめたところを短く紹介する。CWMには、別の見方から考えたことを書く。本館には、二つの記事の読みどころを案内する。

三か所すべてへ長文を書く必要はありません。本館とenmediaは短い紹介にして、批評本文をCWMに置けば、作業も重なりすぎません。

今回の要点は三つです。

・CWMの原点は、世界とメディアを自分の視点で読み解く批評にある。
・旅との関係を生かすと、報道や番組の伝え方を、暮らしに近いところから考えられる。
・まずは一つの題材を二つの見方で読み、短い批評を一本残すところから再開する。

見て楽しかった。その先に、少し気になることがあった。その疑問を、自分の言葉で確かめてみる。

enmedia2cwmを、そうした考える楽しみと、旅で視野を広げる楽しみが出会う場所として育てていきたいと思います。