母を偲ぶ
奥多摩方面まで 母の掛かりつけの病院へ

付き添っていったことがある。

ひとのいない駅を降り立つと

真っ赤な鶏頭が 燃えていた

道すがら 農家の栗林からは 歩道へと

零れた 栗が幾つも転がっていて

中から可愛い茶色の栗のみが 顔を

覗かせていた。

母とわたしは なんだか 子供のように

はしゃいで その道を通り過ぎた