大阪のおばちゃんシリーズ(芸能人編)
大阪のおばちゃん、これまでにもたびたび取り上げてきましたが、今日は芸能人編です。
東京では結構あちこちで芸能人がいるせいか、たまに芸能人を見ても遠くで小声で「ちょっとあれ、○○ちがう」というぐらいでわりと知らん顔していますよね。ところが大阪のおばちゃんはちがうんですね。
大阪で芸能人と言えば吉本の芸人さんかあとは落語家ぐらいなもんです。だからもし大阪で芸能人をみつけたなら、必ず近くまで飛んでいって気安く肩をたたき「わ〜○○やん、いつもテレビみたってるで〜」「いつも、歌きいたってるで〜」と大声で言うんです。このとき必ず肩をたたくか、手をずっと握り締めています。しかもなかなか離そうとはしません。(笑)
CDをわざわざ買ってやチケットを買ってコンサートにいくのではなく、テレビはただなんですが・・・自分がわざわざチャンネルを選んで見てやってる、歌を聴いてやってるとという感じなんです。
それと必ず自分が名前を知らなくても上のようにいいます。そしてサインをねだります。それもその時自分がたまたま持ってるものであれば何でもいいんです。たとえ広告の紙であろうが、包装紙であろうが、とにかくかけるものなら何でもだしてサインを書かせます。それと自分だけでなくそばにいる友達にも「なああんたも好きやろ、サインもろとき」とおせっかいを始めます。その友達がすきでも嫌いでも関係ないのです。その場を共有したいのです。
そしていかにも自分が親しげなように会話をしはじめます。その芸能人が自分のことを知らないのはおかしいぐらいの感覚で会話をします。周りは関係ありません。とにかく自分のことをアピールするのです。
あとで今の芸能人誰やったんはあたりまえ、とにかくテレビで見た顔なら名前を覚えていなくても親しげにしゃべります。
だから、大阪に来た芸能人は大阪のおばちゃんの怖さをよく知っています。この状態を一度味わえばおばちゃんのそばには行きたくなくなります。それくらい大阪のおばちゃんには迫力があるのです。(笑)
関西出身の笑福亭鶴瓶が実際にあった話です。彼がたまたま妻とある劇場に劇をみにいったとき、そばに座ったおばちゃんがこういったそうです。「いつも見てますよ、がんばってくださいね、すみませんがサインくださいません」とそのパンフレットを差し出したそうです。
鶴瓶も「わーパンフレットにするのかと」思ったそうです。でも彼は仕方なしにそのパンフレットにサインを書いたそうです。そしてそのおばちゃんは「ありがとう、文珍さん」といったそうです。鶴瓶はこのおばちゃん俺の名前知らんねんやろか、どうしょう、このままほっとくかそれとも言おうかと迷った挙句、「私は文珍違いますねん、鶴瓶です」とはっきりといったそうです。それを聞いたおばちゃんは「え、そうなん、よー似てはっるもんなー」といって暗に自分が間違ったことを認めようとしないのです。これが大阪のおばちゃんの特徴です。