少子化時代のこどもと社会: 「学校の危機管理体制に疑問」
「秋の日はつるべ落し」とは良く言ったもので、ここのところ日が暮れるのが早くな
った。しかし、中学生の娘は相変わらず部活で帰りが6時を過ぎてしまい、すっかり
暗くなってから帰ってくる。中学生などを狙った通り魔事件などのニュースを良く耳
にすることもあり、親としては心配な日々を送っていた。

すると先日、いつもなら帰宅しているはずの時間を過ぎても、娘が帰って来なかった。
結局娘の帰宅時間は、30分近く遅くなった。理由を聞いてみると、学校の近くで不審
者が確認されたので、部活で残っていた女子生徒は集団で下校するように言われたの
だという。そのため、皆で順番にまわって一人づつ送りながら帰って来たらしい。我
家は学区の中でも一番遠いところに位置しているので、娘の順番は最後になってしまっ
たらしい。

そんな事が数日続いたのだが、娘の帰宅時間は遅くなるばかり。最初は、各方面毎に
集団で帰るように指示されたのだが、最後には校内に残っていた女子生徒全員で集団
で下校するように言われたので、学校を出る時間も回り道の距離も長くなり、帰宅時
間が前日にもまして遅くなってしまったのだという。やはり理由は「学校の近くで不
審者が確認されたため」なのだという。しかし、そのことについて学校側から保護者
へ説明などはなにも無かった。「不審者って?」と娘に聞いても、娘が実際に目撃し
たわけではなく、帰宅しようとしたら先生に止められて指示をされたので、それ以上
の詳しい事情はわからないと言うのだった。

それから数日後のことだった、息子の小学校から保護者宛てに手紙が届いた。
「児童の安全に関するお知らせとお願い」と題されたその手紙には、先週娘の帰宅時
間が遅くなった理由の詳細が書かれていた。どうやら、娘の中学の女子生徒が、校門
のあたりで不審者に声を掛けられたり、後をつけられたという事があったらしい、し
かもその後、その不審者が校門で生徒を待ち伏せするという事があり、警察に連絡を
して身柄を拘束してもらうという事態ことまで起きていたのだという。小学校ではこ
の事態を受け、校門を開放したままにしないなどの安全策を強化したので協力して欲
しいということと、子どもが一人で外出することを避けることや、帰宅時間を早めに
するなどの措置を、家庭でも実施して欲しいというお願いだった。

しかし、なぜこのような事件まがいのことが起きていながら、当事者である中学側か
らはなんの説明も無いのだろうか?もしそのようなことが起きているのなら、安全が
確認されるまでは、部活などでの居残りを禁止するなどの措置が取れなかったのだろ
うか?日が暮れてしまってから生徒だけで集団下校をさせても、最後の子は暗い中一
人で家に帰らなければならなくなる。もし、その最後の一人になった状態の時に事件
が起きてしまったらどう責任を取るつもりなのだろうか?

学校側に説明をして欲しいと申し入れをしたのだが、まだ返事はもらえていない。
わが身は自分で守れと子どもに教えるしかないのだろうか?今回の事だけに限らない
が、学校側の危機管理体制にはかなり問題があると思った。