書く苦しみと、書ける喜び
入力の仕事を、コンスタントにくれるところが見つかり、仕事を受け始めた。

すると、今度はスポーツライターのサイトから、「独立リーグを開始する準備が出来ました」というメールが入った。

取材の仕事と体験レポートの納期も目の前だった

そんな時、ライター仲間から、仕事を手伝って欲しいという連絡が入る

家の事情で納期が間に合わないのだという。

私はふたつ返事で受けることにして、他の仲間に声をかけたりする取りまとめ役をすることになった

始めての「プロ」の仕事は、緊張と不安が一杯だった

でも、突然お願いしたにもかかわらず、何人ものライター仲間が仕事を引き受けてくれたのだ

にわかに慌しくなり、私の時間が急速に廻り始めた気がした

夜更けにPCの前で原稿を書きながら、友達と電話で打ち合わせをし、他の仲間がいれてくれるメールに目をとして指示を出す

仕事で午前様になってしまった主人は、いつもなら、いかに仕事でも自分の前で私がPCをいじることをブツブツ言うのに、「適当なところで寝ろよ」と一言言うと、そのまま寝室に入って行った

真夜中の静寂の中に、私がキーボードを打ったり、資料をめくる音だけが響く

いつもならとっくに夢の中のはずなのに、私は全くと言って良いほど眠くはなかった

確かに、仕事として受けるライティングは、日記でエッセイを書くのとは訳が違う

いかに情報を詰め込むかという、作業と目前に迫った納期との戦いになり、なかなか進まない原稿に書くことの苦しさを見たような気がしたのだが

それでも、胸の奥の方では、トクトクと早い脈が打ち、どんなものであれ書ける喜びを確実に私に運んできてくれていた

仲間達からの原稿がメールで私の手元に届くたびに、同じ気持ちを抱いて作業をしてくれた仲間の声に、私は大きく頷きながら「お疲れ様でした」と返事を書いた

きっとこれからも、この書くという作業が私に与えてくれる「苦しみ」と「喜び」の間で生きていきたいと感じさせてくれる夜だった