秋の日差し
我家はベランダの奥行きが深いせいか、太陽の高度が高い季節には、庭のテラスの部分までしか日が差しこんでこないのだが

秋分の日が過ぎて、太陽の高度が低くなってくると、少しづつ居間の中にまで日が差してくるようになる

つまり、夏の暑い時期には部屋は日陰になり、そのほかの
季節には居間に温かい日溜りが出来るようになるのだ

多分、ベランダの方角とか、奥行きとか、天井の高さのおかげだと思うのだが、良く計算されているものだと感心してしまう

そして今年も少しづつ秋が深まってきて、また居間に日が差しこんでくる季節になった

夏の頃から比べると、日差しが少し柔らかくなってきたが
久々の晴天の昨日は、お日様の光がキラキラと輝いて感じて。私は、ベランダで洗濯物を干しながら抜けるような青空を見上げていた

洗濯物を干し終わって、居間に入って、お日様の当たっている居間のガラスを見て「おや?」っと思った

気がつかない間にガラスが結構汚れていたのだ

居間に日が差すようになって、ガラスの汚れが目立って見えたのだった

「仕方が無い、天気もいいし窓でも磨くか!」思い立ったが吉日、さっそくとりかかる事にする

考えてみたら、夏以来まともに窓を掃除していなかった(汗)

ベランダに面した大きなテラス窓三面を掃除し終わった頃には、日は随分傾きかかっていて、やわらかな優しい日差しが、居間の奥まで差し込んでいた

ふぅ〜さすがに疲れたな〜。と思いながら、今掃除し終わったばかりのガラスを見て見ると、日差しの輝きが増した気がして、私はすごく満足だった

しかし、秋の日はつるべ落とし・・・それから程無くして日が沈んでしまって・・・家族が帰って来た頃には、せっかく磨いた窓はカーテンの向こう側へ

朝は、バタバタしていて家族はだれも私が窓を磨いたことなんて気が付くはずもない・・・

「せっかくこんなにキレイにしたんだから、誰か気づいてもいいのにな〜」家族を送り出してから窓の外を眺めながらそんなことを思っていたら

その時、居間に日差しが差し始めて気がついた

「そっか、皆は昼間家にいないから、この日差しの恩恵を受けているのは私だけなんだ!」

なんのことはない、私は誰のためでもない、私の為に窓を磨いていたのだ

思えば家事なんてそんなものなのかも知れない、とふと思った