残業を終えて、家に電話すると。いきなり娘が、「私の髪の毛はどうするのぉ〜?」と娘が言った

忙しい日々が続いている、そんななか、娘がいきなり髪を切りたいと言い出しのだ

昨日「明日行こうか?」と約束したのだった。家に着くと、もう玄関先で娘が待っていた

仕方がないので、もう7時を過ぎていたが、マンションの向かいの床屋さんで切ってもらうことになった

本人のいいと言うとおりにしてください、と言って娘を床屋に置いて買い物に行った

買い物に行ったスーパーでふと昔のことを思い出していた

そう、あれは娘が幼稚園にあがる直前のことだった

赤ん坊のコロから伸ばしてきた髪を娘が切ると言い出したことがあった

私は、慣れない手付きで娘の髪を切ったのだ

切り終わってから、しばらくしてから、いきなり娘が泣き出した、やっぱり髪を元に戻してほしいというのだ

リボンが結べないのが嫌だという

でももう娘の髪は、新聞紙とともにごみ箱の中だった

するとなんと娘は、そのごみ箱にすがり付いて泣き出したのだ

娘は、切った髪の毛が、簡単にまたつけることが出来ると思っていたらしかったのだ

それが出来ないと分かったとたんに泣き出して、ごみ箱にすがり付いて

「私の髪の毛、すてちゃった〜〜!」としばらく泣いていたことがあったのだ

床屋さんから帰って来た娘は、ちょっとすそがはねた感じの髪型がえらく気に入ったらしく

しばらく鏡を覗き込んではニヤニヤしていた

「あのね、なんか風を感じるようになったよ!」と目をキラキラさせて話す娘は

もう、ごみ箱にすがりつくことはないだろうな、と私は一人で思った