肩越しの風景
バイクの後ろに乗せてもらったことは殆どない。弟の後ろに数回乗ったくらいかな?

やれくっつくなとか、コーナーの入ったら体重を内側に掛けろだとか、ブレーキングの時前に押してくるなとか

うるさいうるさい。だったらのせてくれなくてもいい私が運転するって言ったら

オマエの後ろなんかに危なくて乗れるか!ってもっと怒られた。態度も体も大きな弟だったのだ

ある日、鈴鹿に8耐を見に行った。弟の友達たちと車何台かに分乗して。。その帰り、渋滞に巻き込まれて、予定の時刻をはるかに越え家に着いた

学生だった弟連中は寝たが、私は当時OLだったので、慌てて着替えていると。弟の友達の一人が会社までバイクで送ってくれるという

家に帰らなくてはいけないのだという。古い付き合いの子で私にとっては、弟といった感じの子。悪からいいよ〜、というと

遠慮するがらか?と一笑された。慌ててGパンに着替えて、乗り込んだ

弟の後ろに乗りなれてる私は、シートのベルトをグッと掴んで構えていると、飛ばすからそれじゃ危ないからしっかり掴まれという

じゃ、遠慮なくと掴まって送ってもらうことになる。でも、普段の癖で、コーナーリングや、ブレーキングの時は、ついつい気をつけていた

渋滞を抜けあっという間に会社に着いた。サンキュ!というと。そのこは、やっぱ、ねえちゃんバイクに乗るから違うな〜

と言った。後ろに乗せてる違和感がなく走れたというのだ。(それは、超うるさい誰かさんの教育のせいだよ)という言葉を飲んで、そう?と笑った

弟以外の人の後ろに乗ったのはそれ一回きりだった。でも、その子の肩越しに見た都会の朝の景色は、今でも忘れないくらい、新鮮だった

あれが彼氏の後ろだったらなぁって、思ったことを覚えている

いつか、誰かの肩越しに、海を見てみたいな〜。きっとまぶしいほどキラキラと輝いている気がする