きさらぎ
一年のうちで2月は一番寒い月だ。2月のことを「如月」(きさらぎ)という古い呼び方が有る

私はこの「きさらぎ」という言葉の響きがとっても好きなんだ

この言葉は、寒いので着物を重ね着するということから由来していると聞いたことが有る

確かに、『着さら(に)着』で「きさらぎ」なのかと納得したことがある

重ね着といわれてしまうと、いささか興ざめだけど。きさらぎという言葉の持つ響きには、もっと違うものを感じる

昔の人ってやっぱりロマンチストだったんだね

重ね着するほど寒いよって言ってしまえば何てことないことを

「きさらぎ」という素敵な音に秘めて、その月の呼び名にしてしまったり

もうすぐ立春だけど。こんなに一番寒い季節に、

春が始まるんだと希望を持って「立春」なんて日を決めたりするんだもんね

もうすぐ春なんだな〜って思いながら街を歩いていたら、街角の梅のつぼみが少し膨らみ始めていて

まるで枯れてしまっているように見える木の先がほんのりと赤みがかっているのを見つけた

昔の人は、重ね着するほどの寒さに震えながらも、きっとこんな感じの小さな事から

やがて来る暖かい春の訪れを感じていたのかも知れないなって思いながら、梅の樹を眺めていた