賢治と陽水


1931年11月3日記

宮沢賢治 

【補遺詩編】より【雨ニモマケズ】 



雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ



慾ハナク
決シテイカラズ
イツモシヅカニワラッテヰル



一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入イレズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ



野原ノ松林の蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ツテ看病シテヤリ
西ニ疲レタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ



南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイイトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ



ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ





【LION&PELICAN】より【ワカンナイ】 1982年


作詞作曲:井上陽水 



雨にも風にも負けないでね
暑さや寒さに勝ちつづけて



一日 少しのパンとミルクだけで
カヤブキ屋根まで届く
電波を受けながら暮せるかい?



南に貧しい子供が居る
東に病気の大人が泣く
今すぐそこまで行って夢を与え
未来の事ならなにも
心配するなと言えそうかい?



君の言葉は誰にもワカンナイ
君の静かな願いもワカンナイ
望むかたちが決まればつまんない
君の時代が今ではワカンナイ



LaLaLaLa ..LuLuLu ..



日照りの都会を哀れんでも
流れる涙でうるおしても
誰にもほめられもせず 苦にもされず
周りの人からいつも
デクノボウと呼ばれても笑えるかい?



君の言葉は誰にもワカンナイ
慎み深い願いもワカンナイ
明日の答えがわかればつまんない



君の言葉は誰にもワカンナイ
君の静かな願いもワカンナイ
望むかたちが決まればつまんない
君の時代が今ではワカンナイ




LaLaLaLa ..LuLuLu ..




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