祖母
母は二十歳のときに母親を亡くしました。

食道がんだったそうです。

ご飯が喉を通らないと言って

病院に行ったらすでに手遅れであっという間でした。

享年51歳

骨と皮だけになった死顔はしわくちゃで

ほんとにお婆さんという感じだったそうです。

そんな母が今になって

ひとつだけ後悔していることがあるという。

母が小学生の頃、町に出るには道が無く

車も通れないデコボコの急な山道を歩いて

山越えせねばなりませんでした。

父親(祖父)が仕事で荷受をしに町まで行き、

帰りに重い荷物でリヤカーを押さないと

山越えすることができないので

いつも母親(祖母)が迎えにいくわけです。

いつも夜の7時、8時という時間帯。

街灯もない真っ暗な山道です。

いつも母は「一緒に行こう」と誘われる。

母はしんどい目をするのが嫌で「嫌や!」と断る。

祖母は無理強いしないでいつも一人で出かけていったそうです。

綺麗な道路ができてからは

通るたびに後悔する。

「あの時、お婆ちゃんは一人で怖かったんやと思う

何で一緒に行ってやらんかったんやろって後悔するわ」

親孝行らしいこともしないまま。

私には存在すらほとんどなかった母方の祖母でしたが

最近、母がよく祖母の話をするようになったので

この歳になってやっと働き者の祖母の姿が見えてきた。

編集 yuma : memoryさん そうね~親の気持ちなんて全く考えてなかった。同じ歳になってこそわかるんですね。それにしても親が自分の歳の時って老けてたな・・・って思います^^;今とあんまり変ってないような
編集 memory11 : 子供のときって分からなかったよね。私も歳をとってようやく母の苦労が分かってきました。そおかぁ~何時になっても心に残ることは忘れられないよね。