2004 02/18 08:43
Category : 日記
今、「13歳のハローワーク」(著者:村上 龍 挿し絵:はまの ゆか/幻冬社)と
いう本が売れているのをご存知だろうか。これは、1976年に『限りなく透明に近いブ
ルー』で第75回芥川賞を受賞した村上龍氏が、13歳という外国ではベビーシッター
のアルバイトなどをはじめて大人の入口に立ったと認識される年令以上の人達へ向け
て書いた、職業紹介の本である。この本が今、あらゆる年代人達に読まれている。
本の帯には、「いい学校を出て、いい会社に入れば安心」という時代は終わりまし
た。好きで好きでしょうがないことを職業として考えてみませんか?」と書いてあ
る。先日テレビのインタビューで、村上氏自身も「終身雇用制の崩れた今だから、い
ろんな職業を紹介してみようと思った」と答えていた。しかし、子どもを持つ親達の
大半は、いまだに「良い学校=良い会社=安定して裕福な暮らし」という図式から離
れられずにいる。その証拠に有名私立中学の受験には、未だに多くの子ども達が殺到
している。
しかし反面では、ゆとり教育の弊害により子ども達の学力低下も問題になっている。
本来は、一つ一つの事にゆとりを持って勉強できるようになるように、完全週5日制
になりと学習内容も3割削減が実施されたはずであった。しかし、それが子ども達の
学力低下に繋がってしまったのだ。このことが、年頃の子どもを持つ親たちに、ゆと
り教育に不信感を抱かさせる事になった。
2月1日の読売新聞の地方版にも興味深い記事が載っていた。それは、横浜にある横
浜中華学院(横浜市中区山下町 江再郷校長)に、日本人の入学希望者が急増してい
るという記事だった。記事には「急速な経済発展が続き、日本企業の進出が進む中国
を意識し、中国語教育などを特色とする同学院で学ばせたいという親が増え、2005年
4月の新入生からは入学試験制度の導入を予定している」―2004年2月1日 読売新
聞 地域面より―とある。同学院は、孫文が華僑子弟のために1874年に設立した「中
西学校」を前身とし、全国にある華僑学校の中では最も古い歴史を誇ると言う。
幼稚園から日本の高校に当たる学年までの学校がある。そのうち日本人の入学希望が
多いのが、幼稚園と小学部。小学部では約100人の児童のうち3割近く、幼稚園では
約60人の園児内の半数を超える子ども達が日本人児童だという。ここでは週8時限が
中国語の授業で、日本語(週4―5時限)の倍近く用意されている。江校長は、「日
本のゆとり教育への反発も急増の一員ではないか」と述べている。
こうして見ると、独自の教育方法で授業を進めていく都心の私立の学校と、地方の学
校や公立学校とに通う生徒の格差は広がっていくばかりになる。政府がいかに「ゆと
り教育」を唱えようと、その内容親が不信感を抱いたり、上記のような「良い学校に
行けば」という図式から離れられなければ、辛い受験勉強をさせても良い学校に行か
せようという親心に変化が訪れるはずもない。結果としてゆとり教育は子ども達の未
来に何ももたらさない事になる。
表面的なことばかりではなく、今の子ども達に一番必要なことは何なのか。子ども達
が大人になった時に本当に子ども達のためになる教育とは何なのか。それをきちんと
見直した上で、ゆとり教育の見直しもして欲しいと思う。
いう本が売れているのをご存知だろうか。これは、1976年に『限りなく透明に近いブ
ルー』で第75回芥川賞を受賞した村上龍氏が、13歳という外国ではベビーシッター
のアルバイトなどをはじめて大人の入口に立ったと認識される年令以上の人達へ向け
て書いた、職業紹介の本である。この本が今、あらゆる年代人達に読まれている。
本の帯には、「いい学校を出て、いい会社に入れば安心」という時代は終わりまし
た。好きで好きでしょうがないことを職業として考えてみませんか?」と書いてあ
る。先日テレビのインタビューで、村上氏自身も「終身雇用制の崩れた今だから、い
ろんな職業を紹介してみようと思った」と答えていた。しかし、子どもを持つ親達の
大半は、いまだに「良い学校=良い会社=安定して裕福な暮らし」という図式から離
れられずにいる。その証拠に有名私立中学の受験には、未だに多くの子ども達が殺到
している。
しかし反面では、ゆとり教育の弊害により子ども達の学力低下も問題になっている。
本来は、一つ一つの事にゆとりを持って勉強できるようになるように、完全週5日制
になりと学習内容も3割削減が実施されたはずであった。しかし、それが子ども達の
学力低下に繋がってしまったのだ。このことが、年頃の子どもを持つ親たちに、ゆと
り教育に不信感を抱かさせる事になった。
2月1日の読売新聞の地方版にも興味深い記事が載っていた。それは、横浜にある横
浜中華学院(横浜市中区山下町 江再郷校長)に、日本人の入学希望者が急増してい
るという記事だった。記事には「急速な経済発展が続き、日本企業の進出が進む中国
を意識し、中国語教育などを特色とする同学院で学ばせたいという親が増え、2005年
4月の新入生からは入学試験制度の導入を予定している」―2004年2月1日 読売新
聞 地域面より―とある。同学院は、孫文が華僑子弟のために1874年に設立した「中
西学校」を前身とし、全国にある華僑学校の中では最も古い歴史を誇ると言う。
幼稚園から日本の高校に当たる学年までの学校がある。そのうち日本人の入学希望が
多いのが、幼稚園と小学部。小学部では約100人の児童のうち3割近く、幼稚園では
約60人の園児内の半数を超える子ども達が日本人児童だという。ここでは週8時限が
中国語の授業で、日本語(週4―5時限)の倍近く用意されている。江校長は、「日
本のゆとり教育への反発も急増の一員ではないか」と述べている。
こうして見ると、独自の教育方法で授業を進めていく都心の私立の学校と、地方の学
校や公立学校とに通う生徒の格差は広がっていくばかりになる。政府がいかに「ゆと
り教育」を唱えようと、その内容親が不信感を抱いたり、上記のような「良い学校に
行けば」という図式から離れられなければ、辛い受験勉強をさせても良い学校に行か
せようという親心に変化が訪れるはずもない。結果としてゆとり教育は子ども達の未
来に何ももたらさない事になる。
表面的なことばかりではなく、今の子ども達に一番必要なことは何なのか。子ども達
が大人になった時に本当に子ども達のためになる教育とは何なのか。それをきちんと
見直した上で、ゆとり教育の見直しもして欲しいと思う。