「赤ちゃんは、どこから産まれてくるの?」(GENKI UP通信より)
自分の身近なところで生命の誕生に触れる事等をきっかけにして、子どもが
「赤ちゃんはどこから産まれてくるの?」と、問いかけてくることがある。
年令の低いの子どもの場合は、赤ちゃんはどこからやってくるのか? と言
った意味合いで聞いている場合が多い。いつの間にママのお腹の中に入った
のか、などを純粋に不思議だと思って聞いてくるのだ。それが、小学校に上
るくらいの子どもになると、お母さんのお腹から具体的にどうやって赤ちゃ
んが表に出てくるのか、を聞いてくる場合が多くなる。どちらのケースにし
ても、その質問を受けた親は、恥ずかしがらずにきちんと答えて欲しいと思
う。それは、なぜ子ども達がそんな質問をしてくるのかを知って欲しいから
だ。

質問をしてくる子ども達は、性別も年令も興味も様々である。しかし、殆ど
の子が同じような質問を投げかけているのはなぜだろう、単に興味が湧いた
からなのだろうか。それは、子ども達が新しく産まれてくる命に、自分達の
姿を重ねているのだ。子ども達は或る時「自分」という存在に気づく。つま
り自我の目覚めである。そして、「赤ちゃんはどこから産まれてくるの
か?」という疑問に、今まで在ることが当然だった自分という存在はどうや
ってこの世に産まれてきたのかという疑問を重ね合わせることで、自分探し
の第一歩を踏み出そうとしているのだ。(「こどもが性とであうとき」より
 浅野富美枝著 生活思想社)性教育には、子ども達に自分のルーツをきち
んと伝えるという重要な役目があるのだ。

だからこそ、その質問に対して、親は胸を張って答えてあげて欲しい。それ
は、始めは望まない妊娠だった場合でも、産むと決めた時からその子は望ま
れてこの世に産まれて来るのだ。もし今、両親が一緒に暮らしていない状況
であっても、子ども達に「お母さんとお父さんは愛し合いその結果、君達は
望まれてこの世に産まれて来たのだ」と。