ある少女の横顔
ここに12歳の女のこがいる

丸くてちょっと下膨れな顔に奥二重の目、ぽっちゃり系の体格、肩にかかる長い髪

運動神経も良い方ではなく、球技も得意ではない

読書と編物と絵や詩を書くことが好きで

小さな子や、動物の世話も好きなのだが、少しお節介なところもある

お化けや、暴力シーンが出てくるTVが苦手で、そういう場面が出てくると、いつもはケンカをしている二つ違いの弟の後ろに隠れてしまう

何処にでもいる、普通の小学六年生の女の子である、私の娘だ。

でも、彼女がレーシングスーツに身を包み、ヘルメットとグローブをつけてカートに乗ると、大人顔負けの走りをするのだ

彼女の学校生活だけしか知らない人は、きっと彼女がカート場で、親子ほども年の違う大人を相手に

息を呑むようなレースを繰り広げていることなど、きっと知る義も無いだろう

でも私は、編物をしている時の彼女の横顔も、ヘルメット越しの彼女の横顔も

どちらも抱きしめてあげたいくらい大好きだ

それは彼女が、どんなことに対しても、いつも真っ直ぐ前を見て、一生懸命に取り組んでいるからだと思う

だから私は、いつまでもその横顔を支えていきたいと思っている。