懐かしい顔
私が今住んでいる場所は。私が産まれ育った場所だ

ココには、私が小さい時からある、古い商店街がある

昔から見れば随分寂れてしまったけど

昔ながらの商店街だから、八百屋さん、お肉屋さん・・・お味噌や、醤油を計り売りしてくれるお店もある

お豆や、鰹節とかだけを扱ってる乾物屋さんもそのまま残ってる

そしてあちらこちらで、まだ懐かしい顔が元気に私を迎えてくれる

保育園の帰りに自転車の前と後ろに子供達をのせてココを通りながら買い物していた

スーパーのように、一箇所で全部の買い物は済まないが

店先に自転車を止めると、「そのまんまでいいよ!」っておじさんが寄ってきてくれて、

「ママ、今日はなんにする〜?」「今日はねぇ〜・・・」
って話しながら、その日のおかずを決めていくんだ

そうすると、おじさんが、私の言ったものを見繕ってくれて。ハイと自転車の籠にいれてくれる、そして私がお金を出すと、

「ほい、おつり40円」とか言いながら、そっと私の手のひらに50円玉を握らせてくれたりする

「子供小さいうちは仕事と両方で大変だろうけど、ガンバレよ〜」ってニコッって笑ってくれるんだ

その頃の私にとっては、ドライブスルーで買い物できる商店街だった

そしてココは。○○は何やさんで買うんだよって子供を安心してお使いに出せる商店街でもあるんだ

そう、お店の人の顔が見える、そんな感じの商店街なんだ〜

子供が大きくなって、もうそんなことをしてもらわなくても買い物が出来るようになった

最近は、仕事が忙しくって、平日は殆ど行かれなくなってしまった

それでも、私の顔を見ると「おねえちゃん大きくなったね〜?」なんて声を掛けてくれる

そう、うちの子供達にとっては、そこは通学路なんだ

今日、久しぶりに買い物にいったら、お肉屋さんのおばさんにいわれたんだ〜

「たまには顔出してよね?元気にしてるかどうか、心配だからさ?天国で、あんたのお母さんに会ったときにね、話さなきゃいけないじゃない?」って

「うん、おばさんまたくるよ♪」って、そうだよね?ついつい忙しくってさ、ついつい顔だせなかったけど

ちょっと余裕を持つようにしないとね?おばさんの懐かしい顔見ながら、私は思った