「遺跡の前で」
<<インド>>--アグラ--


パンチ・マハル「風の塔」の遺跡の前での記念撮影。

偶然であるが、この世界遺産の赤茶けた赤砂岩の建造物と、私のポロシャツが写真を撮られてみて、同系色であるのに気付いた。

人気の無いこのファテーブル・スィクリーの世界遺産は、アクバル帝が統治した当時の面影はなく、栄枯盛衰の物の哀れを感じさせる。

タージ・マハルと違い、訪れる人の少ないこの嘗ての都は、遷都によって廃墟と化したのである。

この光景を前にして、一人の皇帝によって支配されていた当時の人間の歴史とは、一体どんなものだったのだろうかと、妙な感慨に浸ったのであった。