外出
3.新型インフルエンザ発生後に取るべき対応
(1) 情報収集
 情報には,(1)国・地方自治体の提供する情報,(2)企業が提供する情報(商業ベースのものとそうでないものがある),(3)マスコミが提供する情報,(4)噂・デマ情報などがあり,媒体も広報・新聞・雑誌・テレビ・インターネットなど様々です。しかし,中には情報の信憑性・根拠に関して問題のあるものもあり,特に噂情報には虚偽のものが含まれることが多く,こうした情報を過度に信用してパニックが起こらないように正確な情報を収集し,冷静に対応することが重要です。

(2) 発症者の家庭における留意事項
 発熱・咳・全身痛など通常のインフルエンザと思われる症状がある場合,事前連絡なく近医を受診すると,万が一新型インフルエンザであった場合,待合室等で他の患者さんに感染させてしまう「二次感染」のおそれがあります。その場合はまず,保健所等(発熱相談センター)に連絡し,都道府県等が指定する医療機関など(発熱外来など)を受診して下さい。都道府県や,市町村, 保健所から,情報が提供されますので,随時チェックをするようにしてください。

 特に自分自身が発熱・咳・のどの痛みなどの「かぜ症状」を呈した場合には,その症状が新型か否かにかかわらず,インフルエンザによるものか否か,またインフルエンザであってもどの型であるかは,検査をしなければ分かりません。したがって,上に挙げたような医療機関を受診する必要がありますが,医療機関を受診するときはもちろん,外出時,家庭内でも,咳をする際には「咳エチケット」に十分注意をして,周囲に感染させないように心がけることも必要となります。

 (2B)フェーズ4以降のでは,新型インフルエンザの診療は各地域の指示にしたがって下さい。受診は,まず地域の発熱情報センターまたは各キャンパスの大学相談センターに連絡してから受診してく下さい。

 大学病院等の直接の受診は,禁止されており,むしろ,新型インフルエンザの患者と接触する危険もありますので,絶対に病院を直接受診することはしないことです。

 不明の点があれば,大学の相談センターに電話して尋ねて下さい。

(3) 医療の確保への協力
 パンデミック時には一時的に大量の医療に対する需要が起こるため,医師を始めとする医療従事者や薬剤・医療資材の供給体制等,医療を支えるインフラが極端に脆弱になることが予想されます。また,パンデミック時であっても,生命に関わる救急の患者さんや人工透析などの継続的な治療が必要な患者さんもおられます。したがって,不要不急の医療機関受診や軽症での救急車要請は控えて,通常の医療の確保に協力することが重要です。

(4) 不要不急の外出の差し控え
 感染拡大を極力回避するために,食料等の生活必需品の買出しや独居家庭への見回りなどのやむをえない外出以外の不要不急の外出は極力差し控えることが望まれます。