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<柏崎刈羽原発>地質調査で巨大地震の可能性 東電報告書
3月27日20時44分配信 毎日新聞


 東京電力は27日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)周辺の地質調査の報告書を発表した。原発東側の三つの活断層が連動してマグニチュード(M)8級の巨大地震が起こる可能性が判明。東電は原発建設時は連動を否定し、M6.9しか想定していなかった。中越沖地震の震源断層の可能性が指摘される「F-B断層」も、従来より約10キロ長い最大30キロと結論。重大な過小評価で、今後の原発の耐震安全性評価に大きく影響しそうだ。

 東電は昨秋から、国の新しい原発の耐震指針に基づき、同原発の耐震性を再検討するため、周辺の詳細な地質調査を実施した。その結果、原発から最短で約20キロ東をほぼ南北に延びる角田・弥彦断層(54キロ)、気比ノ宮断層(22キロ)、片貝断層(16キロ)が連動し、M8.1程度の地震が起こる可能性があることが判明した。建設時の想定では、3断層連動の可能性を認めず、気比ノ宮断層(建設時の評価では17.5キロ)によるM6.9の地震が最大だと考えていた。

 また、F-B断層についても、海底地形などを考慮すると最大で30キロになることが判明。東電は、03年当時の評価(長さ約20キロ)が過小評価であったことを認めた。

 東電広報部は「地下構造などから、3断層は別々に動くと考えていた。今も基本的な認識は変わらないが、連動の可能性も否定できない。今回の結果に基づき、原発の耐震性を慎重に評価していきたい」と説明している。【河内敏康】