2003 10/27 15:08
Category : 日記
10月21日付けの読売新聞に、先月の27日に埼玉で開催された、読売・中公 女性フ
ォーラムの記事が掲載されていた。今回の議題は「いまどきの実家論」。
不況の影響などで若いカップルには共働きが増えてきている。その共働き世帯の多く
が、子育て等に係わる課題を実家頼みで乗りきろうとしている。つまり、実家のおば
あちゃんパワーを当てにして子育てしようというのだ。記事によると、結婚後、経済
的に苦しいことがあれば実家を頼りにしていいか? という問いに対して、20−30代
の36%の人が、「良いんじゃないの」と答えており、高齢世代の「頼るべきではな
い」という答えが多かったのと対照的であった。
また、経済的だけではなく、実際に子育てをおばあちゃん任せにしている夫婦も多
い。本来子育ては、夫婦が協力して行なうべきだが、不況などの影響で連日帰りの遅
い夫を当てに出来ない分、専業主婦であっても親に頼ってしまうというケースも多
い。実家での出産で、最初から母親と娘のチームによるパパ抜きの育児が始まること
もあり、夫の影は薄くなるばかりだという指摘もあった。最近では、初からそれを計
算にいれた上で親と同居する、いわゆる「マスオさん現象」も多く見られるように
なった。
世話を焼いている親世代には、現役で仕事をしている人や介護を抱えている人も多
く、体力的にもそろそろ育児の現役をこなすには無理が出てきている。それでも、世
話になっている子世帯からは「孫の躾に甘い」とか、「厳し過ぎる。干渉しすぎる」
等の声や、逆に「やってやってる」と親に言われて嫌な思いをしている子世帯などの
ケースもある。それでも、20代で親を亡くしてしまった私には羨ましい話しだが、な
ぜそこまでして親は子どもの面倒を見ようとし、子どもの側も頼ろうとするのだろう
か?
数年前の事だが「パラサイト・シングル」という言葉が流行った。社会人になってか
らも親と同居し続け、結婚もせず。洗濯や掃除など身の回りの世話全てを親にしても
らっている人達の事である。「パラサイト」とは、寄生という意味で、成人してから
も親に「寄生」して暮らす独身者達を総称している。社会人でも、食費も一切入れず
に経済面で世話になっている場合も多くあった。
これだけ聞くと、パラサイトしている子ども達の方だけに問題がありそうだが、実は
それを許している親の方にも問題がある。親離れできない子ども達と同じように、親
も子離れが出来ておらず、子どもを自立させる事が出来ないのだ。昔とは違い、今は
親世代に経済的な余裕がある。子どもが成人し社会人になったからといっても、親と
しては別に今までの暮らしと変わるわけでもなく、かえって親元に子どもがいてくれ
ることが嬉しく、ずるずるとそのままにしてしまう。親もまた子どもに依存してい
る。つまり、パラサイト・シングルは、親と子相互の依存によって発生するのだ。
今回のフォーラムで論じられていた子世代は、このパラサイト・シングル世代にあた
る。依存する事に慣れた子どもと依存される事に慣れた親の関係は、男女を問わず子
世代の婚化・晩婚化を産む。そして、結婚後も老いた親に依存した形でしか生活を行
なえないという事情から、出産人数の低下が起こる。つまり、少子化が進む事にな
る。
確かに、先の見えない不況からなかなか脱出できないでいる日本経済の現状を考える
と、親世帯から援助を受けなくては生活が成り立たない若年世帯もあるかも知れな
い。だからこそ、子育てをしている世代が背負い切れない負荷を親だけが負担するの
ではなく、社会全体で補うようなシステムの確立が必要であると思う。それと同時
に、親と子の相互依存状態の解消を図っていくことも必須であると思う。
ォーラムの記事が掲載されていた。今回の議題は「いまどきの実家論」。
不況の影響などで若いカップルには共働きが増えてきている。その共働き世帯の多く
が、子育て等に係わる課題を実家頼みで乗りきろうとしている。つまり、実家のおば
あちゃんパワーを当てにして子育てしようというのだ。記事によると、結婚後、経済
的に苦しいことがあれば実家を頼りにしていいか? という問いに対して、20−30代
の36%の人が、「良いんじゃないの」と答えており、高齢世代の「頼るべきではな
い」という答えが多かったのと対照的であった。
また、経済的だけではなく、実際に子育てをおばあちゃん任せにしている夫婦も多
い。本来子育ては、夫婦が協力して行なうべきだが、不況などの影響で連日帰りの遅
い夫を当てに出来ない分、専業主婦であっても親に頼ってしまうというケースも多
い。実家での出産で、最初から母親と娘のチームによるパパ抜きの育児が始まること
もあり、夫の影は薄くなるばかりだという指摘もあった。最近では、初からそれを計
算にいれた上で親と同居する、いわゆる「マスオさん現象」も多く見られるように
なった。
世話を焼いている親世代には、現役で仕事をしている人や介護を抱えている人も多
く、体力的にもそろそろ育児の現役をこなすには無理が出てきている。それでも、世
話になっている子世帯からは「孫の躾に甘い」とか、「厳し過ぎる。干渉しすぎる」
等の声や、逆に「やってやってる」と親に言われて嫌な思いをしている子世帯などの
ケースもある。それでも、20代で親を亡くしてしまった私には羨ましい話しだが、な
ぜそこまでして親は子どもの面倒を見ようとし、子どもの側も頼ろうとするのだろう
か?
数年前の事だが「パラサイト・シングル」という言葉が流行った。社会人になってか
らも親と同居し続け、結婚もせず。洗濯や掃除など身の回りの世話全てを親にしても
らっている人達の事である。「パラサイト」とは、寄生という意味で、成人してから
も親に「寄生」して暮らす独身者達を総称している。社会人でも、食費も一切入れず
に経済面で世話になっている場合も多くあった。
これだけ聞くと、パラサイトしている子ども達の方だけに問題がありそうだが、実は
それを許している親の方にも問題がある。親離れできない子ども達と同じように、親
も子離れが出来ておらず、子どもを自立させる事が出来ないのだ。昔とは違い、今は
親世代に経済的な余裕がある。子どもが成人し社会人になったからといっても、親と
しては別に今までの暮らしと変わるわけでもなく、かえって親元に子どもがいてくれ
ることが嬉しく、ずるずるとそのままにしてしまう。親もまた子どもに依存してい
る。つまり、パラサイト・シングルは、親と子相互の依存によって発生するのだ。
今回のフォーラムで論じられていた子世代は、このパラサイト・シングル世代にあた
る。依存する事に慣れた子どもと依存される事に慣れた親の関係は、男女を問わず子
世代の婚化・晩婚化を産む。そして、結婚後も老いた親に依存した形でしか生活を行
なえないという事情から、出産人数の低下が起こる。つまり、少子化が進む事にな
る。
確かに、先の見えない不況からなかなか脱出できないでいる日本経済の現状を考える
と、親世帯から援助を受けなくては生活が成り立たない若年世帯もあるかも知れな
い。だからこそ、子育てをしている世代が背負い切れない負荷を親だけが負担するの
ではなく、社会全体で補うようなシステムの確立が必要であると思う。それと同時
に、親と子の相互依存状態の解消を図っていくことも必須であると思う。