ちょっとした出資
お風呂に入ろうと思ったら、湯船に落ち葉が浮いていた

いかにも娘が好きそうな、小さくてきれいな色と形をした葉っぱだった

そう言えば、どこかに秘密基地を作っているとかで、

昼間私の目を盗んで、二人でガムテープを持って行ったっけ?

きっと、角のお酒屋さんに頼んで、ダンボールを分けてもらったのだろう。

私にもそんなことをして遊んだ遠い記憶がある

大人の目を気にして、高い梢に秘密基地を作ったのは良かったけど

小さな弟が登れなくて、お猿のお姉ちゃんは

泣いてる弟をおんぶして、するすると木を登ったとさ

浮いてる葉っぱを、そっと両手ですくってみた

小さな葉っぱは、私の手のひらで、くるくるくると回った

その姿が、子供達の遊んでいる風景と重なって見える

ダンボールだけでは、雨に当たったら、ひとたまりもないだろう

いらないビニールシートを、捨てるフリして出しておこうかな?

昼間勤めに出ている私の代わりに、子供達のおもりをしてくれている秘密基地だ、

そのくらいの出資は仕方がないか?

翌日、案の定ビニールシートは忽然と消えて、子供達のドロドロの洋服が山になってた・・・