「ゴンドラを漕ぐ男」
<<イタリア>>--ヴェネチア--

ヴェネチアの運河めぐりのゴンドラに乗った時の光景。
このゴンドラに乗ったのは、私と旅を共にした相棒の二人だけだった。
事前のガイドブックの説明書だと、ゴンドラ漕ぎの男性のカンツォーネなどを聴きながらの運河めぐりをするのだと書かれていたが、この男性は終始無口で、ひたすら櫂でゴンドラを漕いでいるだけだった。
多分我々日本人には、イタリア語でガイドをしても通じないだろうと思って、話し掛けなかったのかもしれない。
せめて彼の美声で、歌の一つでも歌ってくれれば、気分が出たのだろうと思ったのであった。
狭い運河の中に入っていくと、他のゴンドラと何艘も行き違い、ゴンドラ同士がぶつからず彼の操る船の操作が上手くスリル満点だったのが、印象に残った。