「牢獄からの眺め」
<<インド>>--アグラ--


アグラ城の牢獄の中から、格子戸を通して見るタージ・マハルの光景。

タージ・マハルの建設に、国力を傾けるほどの散財をしてしまった国王シャージャハーンは、息子の王子の謀反により、このアグラ城の牢獄に幽閉されてしまった。

この牢獄の格子戸を通して、自分の建てたタージ・マハルの中に納まる、最愛の王妃を思いながら、死ぬまでこの情景を眺めていたという。

そんなガイドの説明を聞きながら、この光景を眺めると、平家物語ではないが、奢れる物は久しからず、の言葉が思い起こされる。

しかしその浪費が、若くして死んだ彼の王妃のためだったという所が、微妙に哀愁をそそるのである。