2021年06月の記事


ワクチンの問題
結局、早い者勝ち。
職域接種の受け付け、もう終わり。

素粒子より
結局は輸入だよりなので相手の確認が甘いのではないのか。
それとも担当のほら吹きか。
手にないものをあるようにふるまうのはワクチン全体のことだ。
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日本経済の官民一体ぶりを揶揄した言葉が「日本株式会社」だ。
欧米と違って日本では、政府による企業への指導や保護が目にあまる。日本の急成長が続く1970年代、海外の一部からそうみられていた。
日本株式会社の元締と言われたのが通商産業省で、ノートリアス・ミティの悪口も生まれた。そんな話も歴史の彼方かと思いきや、違うらしい。後身の経済産業省が東芝と一緒になって株主に圧力をかけたとされる件が尾を引いている。
発端は東芝経営陣と筆頭株主の外資系ファンドとの間の人事案をめぐる対立だ。経営陣がなすべきは株主との対話のはずだが、経産省に助けを求めた。原発や防衛関連の技術があり、安全保障の観点から守ってくれると期待したのだろう。
反応は上々だった。東芝の株主が選んだ弁護士による調査報告書には、経産省が東芝に伝えたとされる安全保障の考え方が出てくる。コロナ禍では東芝のような大企業が安定して事業を続け、雇用を維持することも「広義の安全保障」だというのだ。
これでは安全保障の風呂敷はどこまでも広がってしまう。報告書が正しいのかどうか、経産省には説明の責務があるはずだが「当然のことをしている」としか言わない。一昨日の東芝の株主総会では人事案が否決される異例の展開になった。
経済安全保障なる言葉が大手を振って歩いている。安保と言えば何でもできると勘違いしたのが東芝の経営陣であり、経産官僚だったのではないか。

 天声人語より
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G20外相会議対面で
外相会合を皮切りに、開発相会合などが予定されており、新型コロナ対策や気候変動対策のほか、インフラ支援やアフリカの開発などについて話し合う。
対面でG20外相会合が開かれるのは2年ぶり。

紙面より
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縄文時代の晩期、日本の人口は7万5800人。うち東北には実に52%が暮らした
鬼頭宏著『人口から読む日本の歴史』によれば、関東や近畿、九州よりもはるかに多かったという。まるで「東北一極集中」ではないか。
3千年をへて、きのう発表された2020年国勢調査の速報によると、日本全体に占める東北の割合は7%だった。過去5年間の減少率トップは秋田で、岩手、青森、高知、山形がこれに続いた。
一方、増加率1位はやはり東京だった。千葉、埼玉、神奈川を加えた1都3県に、
いまや全人口の3割が集中している。地方へ出張するたび、いわゆる「限界集落」の増え方におののき、いま住む東京では電車や売り場の密に不安を覚える。
国連の推計と比較すると、日本はメキシコに抜かれて世界11位に。国立社会保障・人口問題研究所の予測によれば、日本の2100年の人口は5977万人。いまの半分に縮むと書けば、「自分はあの世」とわかっていても驚いてしまう。
空想したのは、人気アニメ「キテレツ大百科」に登場する「回古鏡」のこと。シャッターを押せば過去でも未来でも写し出せるという触れ込みの発明品だ。このカメラをわが手に携え、縄文時代の東北のにぎわいを一目見てみたい。来世紀、東京の街の変貌ぶりにも興味が尽きない。
私たちの社会はいまのまま東京一極集中でよいのか。地方分散型の政策へカジを切る必要はないのか。縄文の昔から3密の現在をへて日本の人口の行く末を思う。

 天声人語より
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夏祭りは中止なのに
秋に予定していた東京・隅田川花火までも中止なのに。
なのに五輪は観客を入れて、開幕まで25日。
首都圏に第5波の兆し。
五輪ありきの「宣言解除」で懸念された事態が見えてきた。

素粒子より
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東日本大震災の直後、香港紙の記者、陳沛敏さんは被災地に入った。
彼女の身を案じた上司から帰国指示が出るが、現地にとどまり、津波や原発の取材を続ける。「ニュースの現場にいたい。それが記者の職業病だから」と、後に語った。
勤続25年、陳さんの愛する日刊紙「リンゴ日報」が廃刊に追い込まれた。最後の紙面に「香港人への別れの書」と題した文章を書いた。「リンゴは泥の中に埋葬された。しかし種は育ち、さらに大きな美しいリンゴの木となるだろう」。
創刊は1995年。その6年前に起きた天安門事件をきっかけに、アパレル事業で成功した黎智英氏が立ち上げた。中国の圧力で他の新聞が本土寄りに転じる中、ひるまず中国指導者も批判する姿勢を貫いた。
筆者もかつて香港に駐在した際、愛読した新聞である。幹線道路を若者らが埋め尽くした2014年の雨傘運動の占拠地でも、リンゴ日報の人気は格別だった。
明治後期、たび重なる検閲のはてに廃刊を余儀なくされた「滑稽新聞」を思い出す。反骨のジャーナリスト宮武外骨が最終号で訴えた。「今や悪官史のため其生命を絶たれんとして、潔く自ら死す」。その後も屈せず、別の新聞や雑誌を次々と創刊し、晩年まで気を吐いた。
香港の言論を取り締まる強権的な法律が作られて1年。市民にあれほど支持された新聞が、これほど早く踏みつぶされてしまうとは。吹き荒れる暴風雨をくぐり抜け、埋葬されたリンゴが再び豊かに実る日を待ち焦がれる。

 天声人語より
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やる気は脳の活動に変化を与え、効果的なリハビリにつながる。
病院などの現場では、患者本人のやる気が、リハビリの効果に影響することは知られている。生理学研究所などの研究チームはその仕組みの解明を進めている。
脊髄損傷から回復途上のサルで、やる気や意欲に関係する「側坐核」という脳の領域の活動を薬で止めたところ、治り始めていた手のまひが再び出て、イモをつまめなくなった。一方、健康なサルでは、側坐核の活動を止めても影響はなかった。研究チームは、けがの回復期に、側坐核が運動機能をつかさどる脳の領域の活動を活性化し、運動機能の回復を支えているとみている。
また、生理研の定藤教授らの研究チームは、褒められることの影響について研究している。他人に褒められると、意欲や意思決定に関わる「線条体」と呼ばれる脳の領域が反応することを確認。さらに、褒められた人は、指を使った運動技能の習得が上手になることも確かめたという。
定藤教授によると、これまでは教育の分野で、こうした意欲や褒めが学習にどう影響するかについて研究されてきた。最近は、脳神経学の分野でも研究が進み、成果はリハビリにも応用できるという。
定藤教授は「強い意欲を持ち続けるには、褒められることに依存せず『やればできるんだ』という経験に裏打ちされた自己肯定感が大切。リハビリでも、自ら取り組む意欲を高める試みが、周囲には重要になる」と指摘している。

 紙面より
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『エーゲ』『宇宙よ』『精神と物質』『天皇と東大』『思案紀行』『アフリカ性革命報告』『四次元時計は狂わない』。
どれも立花隆さんの著作である。タイトルを並べるだけで、関心の領域の広さがわかる。
「3万冊読んで100冊を書いた」と語った人である。私も立花作品なら手当たりしだい読んできたが、最も感銘を受けたのは『農協』という1冊だ。各地の農協の集票実績を調べ、族議員に会い、権力機構ぶりを描き切る。その迫力に駆け出しの記者の心は奮い立った。
手際の鮮やかさを実感したのは、最高裁がロッキード事件で故田中角栄首相を断罪した翌日のこと。立花さんの論考を5、6紙で読んだが、どれも視点が違う。政界の体質を指弾し、最高裁の審理の遅さを突く。書き分けの離れ業に舌を巻いた。
とかく目の前のニュースに追われ、視野が狭くなりがちな新聞記者からすると、立花さんの視座の高さは桁違い。脳や宇宙、永遠まで調べ尽くそうとする姿勢は揺るがなかった。
〈父の書庫整理せむとて思はずに立花隆の名に手が止まる〉原田鶴子。健康面では不摂生ぶりを隠しもせず、「生活習慣病のデパート」と名乗ったが、自分のがんでさえ調べに調べて書籍化する。そんな作品群は、世代を超えて幅広い読者を得た。
「山ほどの好奇心を抱えて、その好奇心に導かれるままに仕事をしてきた」。昨年刊行した自著で歩みをそう総括している。次の1冊はいつかと待ち焦がれてきた身には寂しくてたまらない。

 天声人語より
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核兵器依存の不合理。
ここで必要な選択は核軍縮、そして廃絶である。
オバマ前大統領が求め、挫折した。核兵器先制使用の放棄はその第一歩に過ぎない。実現できない理想と一蹴される可能性の高いこの選択こそが功利的である。そういう時代に私たちは生きている。
 だが、核戦略は国家機密に包まれており、事実を知ることも容易ではない。ペリーが核廃絶を訴えるのは国防長官を辞してから約10年後のことだった。ベトナム戦争の機密をリークして訴追されたエルズバーぐも、ケネディ政権の核戦争計画を暴露したのは実務を離れずずっと後のことだった。
 その結果として、核兵器の使用が実際に検討されてする現実は国民の目から隠され続けた。たほうでは、核保有と核抑止のために平和がもたらされているという虚偽を現実として言いくるめるプロパガンダが繰り広げられてきた。
 実務を経験した者が一般の国民よりも核戦争を恐れる状況は倒錯しているというほかはない。核軍縮の展望を開くためにも、国民の安全を左右する情報を政府に独占させず、情報公開を求め続ける必要があるだろう。

 時事小言より---藤原帰一
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圧倒的な権限を握る「本省」と屈従を強いられる「現場」。
きのう開示された「赤木ファイル」には、財務省内の中央と地方の力の差が生々しく描き出されていた。
岡山県出身のの赤木俊夫さん。鳥取、和歌山、舞鶴など地方の財務局や財務事務所を転々とした。「私の雇用主は日本国民」と語り、公務員であることを誇りにしていた。その使命感を打ち砕かれたのは4年前の日曜。森友学園をめぐる公文書を改ざんせよと本省から命じられる。
「М事案」。赤木ファイルに収められたメールの件名にそうあった。森友事案と書くのがはばかれる省内の空気が伝わる。「修正版を送付方お願いします」「できる限り早急に対応お願いします」。本省側で発した命令は事務的で冷たい。
「忘備記録」。赤木さんは自身が書いた文章に、ファイルを繰る手が止まった。「現場の問題意識として既に決済済みの調書を修正することは問題があり行うべきではないと、本省審理室担当補佐に強く抗議した」。この一文にのみ下線が引かれている。理不尽な命令に苦しみ、憤る姿が浮かぶ。
〈良吏をもってすればなんとか政治はてせきる。だが汚吏のもとではいかんともしがたい〉。鉄血宰相ビスマルクの言葉だ。「国民に雇われている」と胸を張った良吏は、残念ながら道半ばで命を絶った。
全518㌻。赤木ファイルの読後感は、どこまでも重く切ない。職務に誠実な現場の公僕をここまで追い詰めてしまうとは。本省なるものの酷薄さに戦慄すら覚える。

 天声人語より
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認知症患者の増加
8年で1.8倍に。
認知症の行方不明者が増え続ける。
老いゆく社会の身近な難題。
曇天に。
〈青蛙おのれもペンキぬりたてか〉芥川龍之介。

素粒子より
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まだ沖縄が日本ではなかった1960年代。
魚屋を営む豪傑おばぁ玉城ウシが、庶民の味方サンマにかけられた20%の関税に憤り法廷闘争に打って出た。「サンマ裁判」と呼ばれた珍騒動はやがて、沖縄の自治を問う闘いにつながる。
7月公開の映画「サンマデモクラシー」を見て、監督に取材した。「放送業界に30年いますが、この裁判は知りませんでした」。沖縄テレビの現役プロデューサーでもある山里孫存監督は語る。大衆魚から火のついた大衆運動の面白さに企画書を一気に書き上げたという。
サンマはどう裁かれたのか。東京・神田の日本関税協会で裁判資料を見つけた。ウシおばぁは、みごとに勝訴し、4年半分の関税を取り戻していた。だが、判決当日、米当局は司法判断を無視するような布令を出す。
命じたのは、歴代の高等弁務官のなかでも際だって高圧的だったキヤラウェイ中将。後続のサンマ裁判では裁く権利すら米国に取り上げられた。山里さんは「逃がした魚は大きく、沖縄はあの時代からずっと自治を追い求めています」。
思い出したのは、米軍基地の辺野古移設を問うた一昨年の県民投票だ。7割強が埋め立てに反対したが、その翌日も土砂の投入は続いた。さらに昨年、政府は多くの遺骨が眠る沖縄本島南部を土砂の調達候補地に加え、感情を逆なでしている。
東京・柴又にあるウシおばぁの遺族宅を訪ねた。その位牌に手を合わせ、比類なき反骨精神を思った。あす76回目の慰霊の日がめぐる。

 天声人語より
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五輪強行
大声、ハイタッチ、飲酒。
「五輪べからず集」次々に。
会場が我慢大会になりそう。

素粒子より
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キリンが水を飲んだあと、急に頭を上げ、沈思黙孝する姿を動物園で見ることがある。
きっと何か哲学者めいた思索にふけっているにちがいない。長年そう思いこんでいたが、私の買いかぶりすぎだった。
「あれは貧血を起こしてボーッとしているだけかも。頭の上げ下げで血圧が急変します」。意外な解説をしてくれたのは東洋大助教の郡司芽久さん。幼稚園に入る前から大のキリン好きで、動物園に行けば、キリン舎に張り付いたという。東京大に入学してまもなく研究者を志す。
初めて解剖を手伝ったのは19歳の冬。「この骨が柔らかな身のこなしを支えていたのか」。全身の仕組みを解き明かす作業に没頭した。これまでに解剖したのは38頭。世界屈指の多さだ。寝食を忘れる日々を描いた『キリン解剖記』は、広く読者を得た。
〈夏至の日はしづかにキリンを思ふべし絶滅に向かひ濡れるまつげの〉臼井均。昨年夏、朝日歌壇に載った1首でである。なぜ夏至の日にキリンなのか。調べてみると、一年で一番昼が長いことと、動物の中で首が一番長いことにちなみ、「世界キリンの日」が制定されていた。
きょうがその日である。アフリカの野生のキリンはこの30年間で、4割も減った。内乱や密猟が主因で、保護活動が続けられている。
郡司さんから「圧倒的美人」と太鼓判を押されたのが、東京・多摩動物公園のアオイ。むだが十数頭もいて、誰が誰やら見分けられない。わがキリン愛の乏しさを自覚しつつ、園を後にした。

 天声人語より
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五輪強行
あと1カ月。
だけど、期待より不安が先に立っし、東京の感染者は増えてるし。

素粒子より
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〈世の娘半分は父を嫌ふとぞ猫を撫でつつ答へむとせず〉宮地伸一。
老いても娘の思いが気になる父親の姿が浮かぶようである。きょうは父の日。父娘り短歌を探してみたが、意外と少ない。母の日と比べて地味な存在なのにも通じるか。
〈転勤の娘の背に春の陽は徹る良き友を得よ良き上司得よ〉。詠んだのは、昭和ひとけた生まれの男性である。高度成長期に就職し、持病で入退院を繰り返しながらも勤め上げた。定年後は念願の短歌に打ち込んだが、65歳で逝った。
娘は最近、父の没後に家族が自費出版した歌集を21年ぶりに読み返し、初めてこの歌に気がついた。病床での心境など詠んだ他の作品より趣には欠けるが、ずしりと心に響いた。
男性は生前、馬場あき子さんが創設した短歌結社「歌林の会」で、熱心に出詠していた。
馬場さんは実母を幼少時に亡くし、父への思いを数々の歌に詠んでいる。〈いつかさてかなしきものを父と呼ぶ生きなむよ秋澄む夜々の思ひに〉。
「父親って、娘の小さいときはあこがれの人なのに、だんだんうっとうしくなる。不器用で本音を言わないから、言葉を介してつながれる間柄ではないかもしれません」と馬場さん。やはり「かなしき」存在なのか。娘を案じた男性のことも覚えているという。
名も無き父が詠んだ「転勤の娘」は、実は私である。これまで10回の転勤で、上司はともかく友には恵まれた。今回、普段の筆者に代わり担当したことをお断りしておく。

 天声人語より
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専門家会議の行方は
やっばり、あっさり、専門家の提言をほぼ無視して「1万人」に。
しかも別枠あり。
それでも、尾身氏は今後も首相会見の横に立つのかな。

 素粒子より
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作家樋口一葉が残した日記には、母親に小説を読み聞かせをする記述がいくつかある。
「夕飯ことに賑々しく終わりて、諸大家のおもしろき小説一巡母君によみて聞かしまいらす」「日没後小説二、三冊よみて母君に聞かし参らす」。
近代文学研究者の前田愛が『近代読者の成立』で紹介していた。あまり字の読めなかった一葉の母が、娘の朗読を楽しみにする姿が浮かんでくる。日記が書かれたのは明治の中ごろである。
本は黙読が当たり前と思いきや、かつては声に出して読むのが一般的だった。「小説は個人的に鑑賞されるものとしてより、家族共有の教養の糧、娯楽の対象として考えられていたらしい」と前田は書く。貸本屋から借りた本を一人が朗読し、家族全員で聞き入る光景があった。
きょう6月19日はゴロ合わせで「朗読の日」。大人同士の読み聞かせの現代版と言っていいだろうか、オーディオブックなるものも利用者が増えているという。プロの読み手の朗読をスマホで聞く。本が苦手な人でも近づきやすいと少し前の記事にあった。
移動中はもちろん家事や運動の最中、就寝前などに本を「開く」人が多いという。在宅の時間が増えているのも追い風になっているか。
多くの情報を急いで入れたくなる現代だが、声に出して読むことのよさは速度を落とすことにもある。難解な本であっても不思議と優しい表情になってくる。詩や短歌、俳句も自分の声で自分にゆっくり聞かせれば、自然と体にしみこんでいく。

 天声人語より
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飲食店で自由にお酒が飲めない。「禁酒令」とも言える感染対策は、緊急事態宣言の後も完全には解けそうにない。
1920~30年代の米国禁酒法になぞらえたくなるが、当時は多くの人にとって「飲酒の時代」でもあった。ただし闇での。
岡本勝著『禁酒法』によると、もぐりの酒場が洋服屋や床屋などの奥や地下で営業していた。経営者は役人や検事に賄賂を渡し、警官からはただ酒をせびられた。アル・カポネらギャングも密売に暗躍した。
もともと過度の飲酒を戒める倫理観から生まれた法律である。道徳の追求のはずが、いつのまにか不道徳がはびこる。はて何かに似ているような----そうか五輪か。祟高な五輪精神はジェンダー平等持続可能な社会作りを後押ししてきた。
ところがいま見せつけられているのは市民の命を二の次に扱うような、倫理の喪失である。IOC幹部が緊急事態宣言下でも五輪はできると強弁したのは忘れられない。米国のテレビ局トップは「我が社史上、最も高収益の五輪になりうる」とのたまった。
日本側も入場料収入を失うのが嫌なのか、何としても無観客を避ける構えだ。専門家から「観客を入れて開催なら都内の感染者が最大で1万人増」との予測が出るが、政府は耳をふさいでいるかのようだ。
かつて財閥のロックフェラー2世は、禁酒法違反の横行で「法律全般に対する尊敬の念」が失われたと嘆いた。アスリートへの敬意は変わらない。しかし五つの輪の輝きは、失われつつある。

 天声人語より
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口の健康維持。かむ力や飲み込む力を保つ。
最近、食べこぼしが増えたり、むせてしまったりするなどの症状はありませんか。加齢とともに口の機能が衰える「オーラルフレイル」の兆候を早めに発見し、対処することが大切です。
「フレイル」とは「虚弱」を意味する英語が語源で、高齢になって筋力や心身の活力が衰えた状態を指す。「オーラルフレイル」は、口の機能の衰えが、食欲の低下や栄養状態の悪化をもたらすという懸念で、近年注目されている。
口の健康を維持するためには、歯の本数だけでなく、かむ力や飲み込む力、舌の力を保つことも欠かせない。「硬いものがかめないと、やわらかいものばかり食べて、かむ機能が低下するという悪循環に陥る。放っておくと、誤って食べ物などが気管に入る誤嚥を招きかねない」と指摘する。
例えば、さきイカやたくあんなどの硬い食べ物がためない場合、かむ力や口の筋力が弱まつている可能性がある。お茶や知るものでむせることがあれば、飲み込む力が低下している恐れがある。これらの症状を予防するには、次のような体操が有効だ。
一つは、唾液の分泌を促す唾液腺マッサージ。奥歯の周囲の耳下腺、あごのエラの下にある顎下腺、あご裏の中央にある舌下腺を指で優しく刺激する。「唾液が出ることで、食べ物が飲み込みやすくなる」。もう一つは「パタカラ体操」。「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」「パタカラ、パタカラ、パタカラ」と大きな声で繰り返す。パは唇、タは舌の先端を使うといったように、口の周囲の筋力を向上させることができる。
「普段の食事でたくあんやにんじんなど、かむと音のする物を一品入れるだけでも効果がある」という。今年4月から、口腔機能の低下が疑われる65歳以上を対象に、かむ力の検査などが保険適用になった。「かかりつけ医をもって、定期的に歯科検診することも大切」

 続・元気のひけつより------佐藤建仁
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放送中のドラマ「コントが始まる」の魅力はとりとめのない会話にある。はっとする台詞も出てきて、油断できない。
里穂子は傷ついて会社を辞めたが、今また就職へ踏みだす。新しい会社を選んだ決め手は会社案内に受付の写真があり、見事な生け花が写っていたことだ。
以下、近所に住む春斗との会話。「え、それだけ?」「はい、本当にそれだけなんですけど」「そんな些細なきっかけで動けるもん?」「些細ではあるんですけど、今の私にとっては、あの花がものすごく心強く見えたんですね」。
彼女がいちばん輝いていたのは高校時代の華道部だった。花を大切にする人が社内にいることに背中を押された。「会社のロゴが可愛いとか、社名が格好いいとかで選んでも、そんなに間違えてない気がするんです」。
春斗は高校の同級生とコントグループを10年続けたが、芽が出なかった。解散を決断した後も身の振り方が定まらない。夢を追う物語ではなく、夢が破れてからの物語。そこに引き込まれるのは、自分がかつて見た夢の記憶がうずくからか。
就職活動の季節である。仕事に就くのが人生の大きな転機であることは間違いない。だから「自分が本当にやりたいことは何か」「自分に向いている仕事は何か」と考え、ときにはその重圧に押しつぶされそうになる。小さな引っかかりに手を伸ばすのは、決して自分を捨てることではない。
自分をすくい上げることになるかもしれない。

 天声人語より
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人口減少、それがなにか?
人口減少を深刻な危機と受け止める向きはもちろん多い。人口(とりわけ労働力)が減り続ければ経済成長が難しくなる。産業・企業の存立基盤が損なわれる。政府債務返済負担が一段と増す、国力が衰退し安全保障リスクが高まるなど、不安は尽きない。
 しかし、人口減少は嘆くしかないことなのだろうか。人口減少下でも、国民の豊かな生活や国力を維持する手立てを見つけることはできないのだろうか。
 人手不足の主因は人口減少と言われる。しかし例えば、コンビニや外食チェーン店の24時間営業、きめ細かすぎる宅配サービスなど、消費者が便利さへの飽くなき欲求を少しでもよくせいすれば、人で不足は和らぎ、労働環境も改善される。その結果生じる労働力の余裕を、新たな成長分野で発生する労働需要り振り向けることができれば、生産性の上昇と付加価値の増大すなわち経済成長の押し上げに生かすことができる。換言すれば、それを阻んできたのは我々自身ではなかったか。
 人口減少に直面する日本に必要なのは、危機を煽り弥縫策を繰り返すことではない。公共投資の拡大は一時的な景気刺激と引き換えに将来世代に大きな財政負担を残した。我々に求められているのは、人口減少が制約や重荷とならない経済社会をつくる意思であろう。いずれ使われなくなる社会インフラはつくらない、これ以上政府債務を増やさないなど、マクロからミクロまで、やるべきこと、できることは多い。

 経済気象台より----山人
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協調が招く 世界の分断
主要先進国が対中警戒で一致するのは新しい展開である。日本を始めとする東アジア地域における中国脅威論はいまに始まったことではないが、東アジアから地理的に離れたヨーロッパ諸国では中国よりもロシアへの警戒が強く、経済成長の与える機会への期待のために対中政策は微温的であった。
バイデン大統領はアメリカの単独行動ではなく同盟国・友好国の結束を求め、国際体制の見直しではなくその強化を模索している。今回のG7サミット、NATO首脳会議、さらにEU首脳会議への参加はアメリカの主導する国際協調を再建する試みだ。そして、むこの国際体制の担い手はリベラルな政治制度と経済体制を共有する諸国に限られている。多国間協調とと国際連帯を確保した上でリベラルな体制を脅かす中国とロシアに立ち向かおうというのである。
政策の基本はあくまで中国における人権侵害や軍事的覇権への懸念の共有であり、軍事的には抑止力の強化が目的だ。そして逆説的になるが、介入ではなく抑止が重点だからこそ各国の賛同を得やすく、長期の国際連携を支えることも可能となる。
私は、リベラルな価値と制度を共有する諸国における国際協調は適切な政策であると考える。同時に、このような政策が中国政府の政策転換を引き起こす可能性はごく少ないとも考える。
ここにあるのは、アメリカを中心とする「西側」諸国と中国・ロシアを中心とする「東側」諸国が不寛容に対峙するという国際政治の構図である。双方が軍事介入ではなく抑止、そして勢力圏の維持を図るとき、仮に戦争は起こらなくとも、世界の分断は恒常化してしまう。地球環境の保全などのグローバルな課題については「西側」と「東側」が協力する場面もあるだろうが、それが世界の分断を克服する機会となる可能性は低い。
国際協調の再建が世界の分断を招いてしまう。そんな世界に私たちは生きている。

 時事小言より----藤原帰一
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五輪のために
解除は
まだ、安心などできないのに、開放感だけが膨らんでゆく。
観客を入れて開く意欲満々の首相の横で、感染拡大への警戒を怠るなと言われても。

 素粒子より
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主演は小林亜星さん。その配役が最初はいやだったと、ドラマ「寺内貫太郎一家」の脚本家の向田邦子さんが対談で語っていた。
雑誌で見た写真の印象が悪かったからで、演出家に「冗談じゃない」と言ったほどだ。
気持ちが変わったのは当人に会ってから。声がすごくいい、それに風貌が西郷隆盛を思わせたという。享年88歳、亜星さんの訃報を聞き、あの丸刈りとはっぴ姿を思い浮かべた方も多かったに違いない。
「ばかやろう」と怒鳴る。妻も息子も張り倒す。古い頑固おやじを演じたが、本人は自伝で「二重人格」「多重人格」を任じていた。頑固で情に弱い面もあれば、流行好きでおちゃらけた面もあるのだと。本業の作曲ではCМからアニメ、歌謡曲と一つところにとどまらなかった。
中でも長命だったのが日立のCМ「この木なんの木」で、似たような木を見るたびにあのメロディーがよみがえる。マハリクマハリタ---で始まる「魔法使いサリー」の主題歌。放浪の画家、山下清を描いたドラマで流れたのは「野に咲く花のように」
誰にでも歌えて、すぐ覚えられる曲。そういうものを作るには「子どものときにハモニカしか吹けなかったころの気持ち」を失ってはいけないのだと亜星さんは書いている。テレビの時代が見いだした才能は、テレビを楽しいものにしてくれた。
どの歌でもいい、舌になじんだ1曲を口ずさんで追悼できれば。当方は「科学忍者隊ガッチャマン」の歌でも。地球は一つ、地球は一つ-----。

 天声人語より
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コロナと五輪
観客を入れる五輪へ、まっしぐらに。
「開催中に再宣言も」の試算など蹴散らかして。

素粒子より
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新任の営業担当にとって、前任者が優秀であることは必ずしもいい話ではない。
取引先から「前の人はここまでやってくれた「」もっと気がきいていた」などと比べられるかもしれないからだ。
逆に前任者が取引先から嫌われていたなら、自分を売り込むチャンスにもなる。英コーンウオールでのG7サミットで、米国のバイデン大統領はその立場を存分に利用できたようだ。「トランプ氏でない人」というだけで得点になる。
トランプ時代に欧米関係は大きく傷ついた。地球温暖化や貿易問題で激しく対立し、首脳宣言が見送られたこともあった。米国が議長だった昨年、対面のG7がなかったのはコロナのせいだが、欧州の首脳はほつとしたのではないか。
今回のG7を象徴するのが「米国は帰ってきた」というバイデン氏の言葉だ。ある欧州の外交官が英紙に語っていた。「帰ってきてくれ、みな喜んでいる。だが米国のリーダーシップが意味するのは、彼らが我々に何を求めるということだ」
世界経済における米国の存在感の体かはトランプ以前から続いている。国際会議を主導しつつ、負担は各国にお願いするという流儀も戻ってきたか。中国に対抗し、途上国のインフラ投資に注力するというが、さて各国がどれだけお金を出せるか。
首脳宣言には「台湾海峡の平和と安定」も初めて盛り込まれた。中国を牽制しつつ、紛争になるのをどう防ぐか。菅首相は、東京五輪への支持を取り付けたと喜んでいる場合ではない。

 天声人語より
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五輪のためのコロナ対策
やっぱりな。
イベント上限1万人案。
五輪のためなら当然でしょ、と言わんばかり。

素粒子より
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森の木々は私たちが考える以上に「利他」的なのかもしれない。
ドイツで森林管理官を務めたペーター・ヴォールレーベンさんの著書『樹木たちの知られ猿生活』に、古い切り株の話が出てくる。
400~500年前に切られたとみられるブナの株が、朽ち果てずに生きている。どうやら近くにある樹木が根を通じて養分を譲っているらしい。弱っている仲間を助け、恢復を期待するという森の姿がある。
「人間社会と同じく、協力することで生きやすくなる」からだと著者は書く。多くの木が死ねば森の木々がまばらになり、強風が吹き込みやすくなる。夏の日差しが直接入れば、土壌が乾燥してしまう。
コロナ禍で利他について考えることが増えた。慎重に行動するのは、他の誰かに感染させないこため。苦境に立つ人たちへの寄付や支援の話も伝わってくる。しかし世界規模で見ると、先進国の利己が幅をきかせているようだ。
全ワクチンの75%超がわずか10カ国で接種されている。そんな数字をあげ、世界保健機関のテドロス事務局長が先月こう訴えた。「恥じずべき不平等が、世界的大流行を長引かせている」。地球のどこかで感染が爆発すれば変異株がうまれやすくなる。世界経済の回復も遅れる。どの国も影響は免れない。
主要7カ国が10億回分のワクチンを途上国に提供する方向になったのは、遅ればせながらの一歩だろう。利他もなくしては利己すら危うい。感染症に見舞われるこの世界が、一つの大きな森に思えてくる。

 天声人語より
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内閣不信任案
提出するだけにも意味はあるのだろうか。
きょうの本会議で否決された。
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昨年5月、衆院内閣委員会に出席した自民党の平井卓也議員が見入ったのは、ゴルフ場に足を踏み入れるワニの動画。
東京高検幹事長の定年延長をめぐって質疑が進む中、手持ちのダブレットの画面を見つめた。
数カ月後、デジタル改革相に就任した平井氏は、出演した番組で不始末をただされ、謝罪する。「不用意だった。申し訳ない。ワニ以外だったら見てないと思うんですが。ワニが好きで」。
その平井氏がまた陳謝に追い込まれた。問題となったのは今春開かれた内閣官房IT総合戦略室の会議。請負先企業について「徹底的に干す」。企業の会長の名をあげて「脅しておいた方がよい」と部下に命じたという。
ご当人の釈明によれば、発端は五輪に海外観光客が来られなくなったこと。発注した顔認証アプリが不要になった分、企業に払う額を減らしたかったという。とはいえ、録音された発言は「脅迫して来い」と言わんばかり。道を外れる物言いだった。
梨木香歩さんの絵本『ワニ』の主人公を思い出す。ジャングル屈指のいばりんぼう。カワウソやインパラに無理難題をふっかける。「僕、なんだかみんなに尊敬されちゃっているみたいでさ。僕のために必死で働いてくれるんだ」とうそぶく。だが、周囲は少しも尊敬などしていなかった。
首相の看板政策を担う人だ。「武士道にちなんで、道を踏み外さないデジ道を行く」と高らかに宣言したばかりだが、デジタル庁発足前からワニ好き大臣、ノッシノッシと踏み外す。

 天声人語より
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ワクチン問題
G7の「10億回分提供」は評価する。
が、ワクチン特許の一時放棄も必要なのでは。
終息には「110億回分」要ると、WHOは見てるし。

素粒子より
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「六月二十日はきっと渡れる。「明日に架ける橋』どうか渡れますように」。
東京都内の居酒屋の店先で手書きの休業メッセージを見かけた。おすすめメニューを挙げる黒板に店主の願いが記されていた。
緊急事態宣言の最終日まで10日を切った。予定通り解除されるか、酒類の提供は認められるか。飲食業界の不安は尽きない。ふりかえれば昨年来、各地の飲食店が何度も、閉じたドアーや下ろしたシャッターに「休業のお知らせ」を貼り出してきた。
「タイム! 人生タイム! 詰む! 人生が詰む!」。ユーモラスな絵を添えて窮状を訴えたのは神戸市のうどん居酒屋「だいぼん」。全12席の小ぶりな繁盛店で「密」が避けられず、泣く泣く休業入りした。
客同士も知り合いが多く、混み合う時は一つのイスを分け合ってきた。「店の前まで来た常連さんが肩をがっくり落とす姿を見て、何とか貼り紙で元気づけたいと考えました」と店主の篠田真依さん。絵手紙のような貼り紙は7枚に増えた。
この1年余り、各地で飲食店が廃業に追い込まれてきた。状況は一向に改善しないが、思いを込めて工夫を凝らした貼り紙に接すると、ことらも応援したくなる。たとえば、「6/20まで、これで最後と思って我慢---がまん---ガマン」。
津々浦々の店先に貼り出された紙を1枚につなぎ合わせたら、どれほどの長さになるのか。「貼り紙列島」とでも言うべき苦難の時が去り、一つのイスを客同士で分け合って楽しめる日が待ち遠しい。

 天声人語より
実際につぶれた店の数を統計的に調べてマスコミは報道すべきだ。精神論だけでは何が本当なのか分からない。
また、筆者のような呑み助がすべての人でない。飲まない人もいるし、外では飲まない人もいる。それを全員そうかのように書くのもおかしい。
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熱中症 水分補給し防いで
今後暑さが本格化していくと多発するのが熱中症だ。死に至ることもあるが、「予防策をとれば、発症や重症化を防げる」。
昨年の救急搬送された搬送者のうち65歳以上の高齢者が48%を占めた。背景に脱水症があるという。体の水分は主に筋肉に貯蔵されるため、筋肉の少ない高齢者は脱水症に陥りやすい。成人では体重の6割を占める水分が、高齢者は5割ほど。高齢者は元々、脱水気味で生活している。汗をかけば、すぐ熱中症になってしまう。
暑さやのどの渇きを感じにくくなっているのも特徴。のどが渇いていなくても、こまめに水分を補給する。搬送されて命が助かっても、腎臓や肝臓が傷ついて後遺症が残る人も多くいる。命に関係する病気だという意識を持たないといけない。
高齢者と同様に熱中症のリスクが高いのが子供だ。環境省の熱中症マニュアルによると、思春期前は汗腺などの体温調節能力が未発達で、体温が大人より大きく上昇してしまう。顔が赤くなったりひどく汗をかいたりしていないか、大人が十分観察するよう呼びかける。
一方、食事をきちんととることが予防につながる。環境省の資料によると、体重70㌔の人が通常の生活で一日に摂取する水分は約2.2㍑。このうち食事から1㍑を得ている。食事を抜いたり、サプリメントで済ませたりするのは、水分補給のタイミングを失っているのと同じこと。
トマトやキュウリなど夏野菜は、水分を効果的にとれる。汁物のほか、果物や牛乳を一緒にとることでも水分を補える。
食事を抜くと体調不良となり熱中症にもつながりやすくなる。少量でも決まった時間に食べ、体内リズムを守ることが大事だ。

 熱中症対策より
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(しろやぎさんからおてがみついた くろやぎさんたらよまずにたべた)。
まど・みちおさんの詩「やぎさんゆうびん」は白やぎと黒やぎの間で読まれることなく交わされる手紙の往復を描く。
五輪を開催するかしないか。国会でそう問われた菅義偉首相の迷走ぶりを見て先月、SNS上を飛び交ったのが「やぎさん答弁」という新語。何を聞かれても「国民の命と健康を守っていく」一辺倒で、質問の中身を聞かずに食べるかのような姿勢を、上西充子・法政大教授が「やぎさんゆうびんのよう」と評したのが始まりらしい。
首相就任後初となる党首討論でも残念ながら、やぎさんぶりは隠せなかった。国民の命を危険にさらしてでも五輪を開く理由は? 核心に迫る質問にも答えないままだった。
「当時、私は高校生でした」。意外な長広舌をふるったのは1964年東京五輪の思い出。バレーボール「東洋の魔女」やマラソンの覇者アベベの活躍を持ち出して「いまだに記憶は鮮明です」。何をか言わんやである。
「聞き手が聞くべきことを話さなければならない」。そう説いたのは元米国務長官コリン・パウエル氏。菅首相が自ら愛読書に挙げた『リーダーを目指す人の心得』には、米陸軍や連邦議会で鍛えたスピーチ哲学が惜しみなく紹介されている。菅首相の日々の実践にどう役立っているのか。
開幕まで残り43日。2度のワクチン接種を済ませた国民は4%未満。かみ合わぬ「やぎさんゆうびん」を待つ時間はもはやない。

 天声人語より
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熱中症 現代の災害。暑さを甘く見るな
梅雨明け直後や猛暑日、熱帯夜が続くと、多くの熱中症患者が運ばれてくる。
暑さに慣れれば次第に減るが、熱波が来たり去ったり繰り返すような夏は特に要注意だ。
ここ数年は「熱中症弱者」の被害が目立つ。独居老人だけでなく、高齢者を介護する家族、障害者と暮らす高齢者らの孤立も防がなければいけない。
高齢者は、運動もせず、屋内で日常生活を過ごしているだけで熱中症になる。
家族や周囲の人が屋内の温度を管理することが大事だ。離れて住んでいても、午後の暑い時間に「部屋の温度計は何度かな」と電話一本してみる。30度以上なら「暑いからクーラーをつけようね」と教えれば、安否確認にもなる。
周囲に熱中症を疑うべき人がいたらどうするか。
まず意識がはっきりしているか確認する。自分で水を飲むことができれば、現場で応急措置する。水が飲めなかったり、少しでも様子がおかしくなったりしたら、医療機関に搬送する。
大切なのは、1人にせず、必ず誰かが見守ること。目を離した間に急に悪化することがある。自分が調子が悪くなったら、声をかけて助けを求めよう。
これから行楽シーズンを迎えるが、外出は高齢者や小さな子どもら体力の弱い人に合わせた計画を立てることも必要だ。楽しくて張り切ってしまうかもしれないが、無理をしない、させないことが大事だ。

 昭和大病院救命救急センター長・三宅康史
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中国の進出にらみ即応展開力の舞台で侵攻の企図封じる。
1978年に結ばれた日中平和友好条約は「そのいずれも、アジア・太平洋地域においても又他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する」とうたっている。
近年の東シナ海南シナ海での中国の活動は、単なる示威活動のつもりかもしれないが、周辺国から見れば覇権を求めるようで、抑止力の整備には一定の説得力がある。
一方、あくまで守りを固めるためとはいえ、ちらの防御力を展開させることには、相手側のあらぬ警戒心を高めたり、偶発的な衝突を招いたりする懸念が伴う。
自衛隊は最後のとりでだ。その前に役割を果たすべき外交の架け橋が日中ともに脆弱になっていまいか。私たちも現在抱いている危惧を、日中双方の政治家に、今まで以上に伝えることが大切なのではないかと痛感する。相互理解を一層深め、万が一にも誤解が争いの火種になってはならない。

 インタビューの取材を終えてより---編集委員・駒野剛
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コロナ対策
わざわざ来ないし、来れば人の流れを増やすし。
政府接触拡大の筋違い。
がら空きを糊塗したい思いは察するが。

素粒子より
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「どうか大きな声は出さないで。代わりに拍手を」。
聖火を見ようと沿道で待つ人々に、先導車両が哀願するような調子で呼びかける。先週、新潟県で見た光景だ。せっかくの晴れ舞台にコロナという暗雲が垂れ込める。
新潟に先立つ富山県では沿道に観客の姿がなかった。催されたのは「トーチキス」。走者が公園内の特設ステージに上がり、順に火を移す儀式である。「関係者以外のご入場をお断り致します」という看板が立ち、警備はものものしい。大役を終えた走者たちの笑顔に心を洗われたが、沿道から祝福の声を浴びられないのが悲しい。
聖火リレーの歴史は1936年に始まる。五輪発祥地であるギリシャでともされた火がナチス支配下のドイツへ運ばれ、沿道を熱狂させる。その演出は国威を発揚させた。
64年五輪の記録映画「東京オリンピック」に印象深い場面があった。成果のトーチがもうもうと白煙を上げて進む。広島では聖火を目の前で見ようと人の波が寄せ、東京では人々が窓から身を乗り出す。聖かは祝祭そのものだった。
今大会のリレーは迷走が続く。昨年はスタートの2日前に五輪延期が発表された。1年たった今年も感染者が減らない中、各地で縮小を余儀なくされる。キスかリレーか。公道か場内か。辞退した走者も少なくない。
聖火はいま秋田県を北上虫。東京都内に入るのは7月9日だ。その時点で五輪本番への道は続いているか絶たれているか。1カ月先すら予測できない。

 天声人語より
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党首討論ほか
「1回の発言は1分以内」にしたらどうか。
日本記者クラブでの党首討論のように。
21日に宣言解除なら、高齢者接種が順調でも、8月に再流行するとの予測に震える。

素粒子より
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小学生が列になって座り、それぞれの前の子の背に自分の耳を押しあてる。
聞こえるのは心臓の鼓動。「ドキドキ言ってる」「あったかい」。大阪教育大付属池田小学校が試みた授業「いのちの教育」の一コマだ。
包丁を持った男が校舎に侵入し、6歳から8歳まで小学生8人の命を奪った事件からきょうで20年。ある遺族は事件の数カ月後、娘が公立図書館から借りたままの児童書を3冊見つけた。直接手を触れたと思うと手放せない。返却した日、涙が止まらなかったと手記につづる。
別の遺族は、生前の約束を果たそうと、夫婦で夏休みに宝塚大劇場へ。遺影を携えて出かけたが、同世代の子どもたちの歓声がつらかったと自著に記した。
思い出すのは、『最後だわかっていたなら』という詩。不慮の水難事故で10歳の息子を失った米国の作家が、最後の朝の悔いをつづる。もう一度抱きしめ、ビデオに姿を残し、「愛している」と伝えたかったと。喪失感の深さに胸がつまる。
きのう、付属池田小では追悼行事の準備が進んでいた。〈本学関係者以外の者の無断立ち入り禁止します〉。校門に掲げられた警告の文字は赤く太い。事件の衝撃は大きく、あの日を境に、日本の教育現場は安全最優先へとカジを切った。
「いつまでも私達の心の中に残っています。子どもたちをどうか見守って下さい。安らかに---」。献花台に並ぶ花束の一つに、手書きのメッセージが添えられている。梅雨の晴れ間の穏やかな光が校舎を照らしていた。

 天声人語より
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公立校の災害時は
3割に浸水、土砂災害の恐れ。
対策に万全を。

素粒子より
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せっかくメッセージを送ったのに、読むだけ読んで相手が返事をくれない「既読スルー」。
そのたび返事が来るか来ないか気になって、何度もスマホの画面をのぞいてしまう。
既読スルーにこころがモヤつくのは人間だけかと思いきや、しろいるもか同じらしい。最近の研究で、仲間と鳴き交わす際、スルーされると黙っておらず、返事を催促していることがわかった。
三重大学の森阪匡通・准教授らの研究。水族館の水槽に録音機をつけ、泣き方を調べた。仲間に「ギー」と声をかけ、1秒ほど待っても返事がないと、再び「ギー」と畳みかける行動が高い確率で観測された。「返事ぐらいして」と言わんばかりの督促ではないか。
「イルカやサル、クジラなど社会性を持ち、音声を多用する動物は、鳴き交わしが成立しないと安心感を失います」と森阪さん。シロイルカの世界にも存在した「既読スルー」を解明したその論文は、哺乳類学の専門誌に掲載された。
英国の進化人類学者ロビン・ダンバーによると、人と人の会話は、サル同士の毛づくろいに近い機能を持つ。あなたに関心がある。良好な関係を保ちたいと伝える、いわば遠隔の毛づくろい。会話の中身はともかく、言葉を交わすのが大切なのだという。
森阪さんの研究室で、シロイルカの声を聞いた。キッキッキという高音からドアがきしむような音まで、やり取りは音域が広く、緩急も自在。シロイルカの会話の豊かさにならい、「既読スルー」を少し減らそうかな。

 天声人語より
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明日党首討論
久しぶりの党首討論。
首相は「国民の命と健康が大前提」なんて繰り返すのかな。

素粒子より
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明治時代もむとかく反目しがちな陸軍と海軍がそろって兵食に採用したのは、梅干しだった。
当時の主産地は山口、千葉、埼玉など。その後、和歌山県が急伸し、昭和から令和まで56年連続で収穫量1位の座を守った。
その和歌山県が昨年、28年ぶりの大不作に見舞わられたとう記事を今春、読んだ。梅干しの値上げが相次いだという。梅干しメーカー「ウメタ「の泰地祥夫社長に聞くと、「2年連続の不作にコロナ禍が重なって、大苦戦を強いられました」。
原因は、満開期に受粉を担うミツバチが元気よく飛び回らなかったことだというから驚きだ。昨年は暖冬で、例年より半月ほど早い2月初めに満開を迎えた。ところが、その途端、気温が下がってミツバチの活動が鈍り、受粉が進まなかったそうだ。
産地はいま、主力品種「南高梅」の収穫が最盛期を迎えた。今年は一転、実のつきが良く、豊作を期待できそう。きのう梅畑に出た泰地社長は「実がきれいで、私たちも元気を取り戻しています」と陽気な声で話した。
中国・長江流域で梅の実が熟すころの雨を古くから梅雨と呼んだ。今年、和歌山を含む近畿は統計開始以来、最も早く梅雨にはいった。北陸や関東以北にも前線が迫る。曇り空を見上げて、いよいよかと気をもんだ方も多いだろう。
きょうは梅の日。都心のスーパーをのぞくと、青々とした梅と黄色い完熟した梅が並んでいた。梅雨の合間、梅酒づくりに挑戦してみようか。巣ごもりの日々に。

 天声人語より
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五輪問題
山県9秒95、内村4大会連続。
スポーツ記事を横目に、国会での五輪論戦に見入る。
きのうの「声」欄、作家の赤川次郎さんの投稿に胸のすく思い。
五輪中止しかない。

 素粒子より
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映画監督の黒沢清さんは高校のころ、授業が終わるやいになや「映画館に逃げ込みたい」という気分で走って行ったという。
そこに入ってしまえば「映画は僕の前にボーンと出現してくれる」。自分の抱える劣等感などはもう関係なくなる。
映画人の思いを集め、昨秋刊行された『そして映画館はつづく』で黒沢さんが語っている。すぐそこにある異世界、別世界。だからネット経由でたくさんの作品を見られる時代でも人々は足を運ぶのだろう。
東京や大阪で休業を要請されていた映画館が今月から再開した。舞台挨拶で吉永小百合さんが「スクリーンから飛沫は飛びません」と語ったという。そう、スクリーンからは何も飛ばず、いい映画にはこちらの心が飛び込んでいく。
上映中の「ファーザー」も、知らない世界に連れて行ってくれる作品だ。認知症の男性が主人公で、彼に見えている光景がそのまま映像になっている。娘と介護人の区別さえつかなくなる不安定さに落ち着きがなくなる。
それでも終幕のころには、主人公の老いに心を寄せている。思えば映画館にしろ美術館にしろ、日常から奪われる日が来るとは想像もしなかった。文化は案外もろいもので、だからだいじにしなければと気づく。
冒頭の本には映画館の副支配人の言葉もある。コロナ禍を経て「やっぱり映画館は知らない人たちと時間を共有する場所なんだと思いましたね」。言葉も交わさないのに、一緒に見る人がいることにほっとする。不思議なことに。

 天声人語より
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納豆1日1パック食べると、「死亡リスクが10%減」国立がんセンターの調査。
納豆やみそなどの発酵性大豆食品をよく食べる人は、そうでない人に比べて10%死亡率が下がるという調査結果を、国立がん研究センターの研究チームがまとめた。
チームは、国内の成人男女約9万人を1995年以降、平均15年間追跡調査した。
食事内容を聞き、大豆食品や発酵性大豆食品を食べた量により五つのグループに分類。ほかの食品による影響や、降圧薬を使用しているかなどの影響を取り除いて分析。
発酵性大豆食品を最も多く採るグループ(1日におよそ50㌘)は、最も少ないグループと比べて男女ともに約10%死亡率が低かった。50㌘とは納豆1パック程度。食品別に見ると、女性では納豆やみそを多くとると、死亡リスクが下がる傾向が顕著だった。
納豆を多く食べると、男女とも悩卒中心筋梗塞など循環器の病気による死亡率が低下していた。「発酵性大豆食品は、ミネラルやイソフラボンなど様々な成分が失われにくいため、体に良い影響をもたらしているのではないか」と研究室長は分析している。

 新聞より---月舘彩子
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長崎県の雲仙・普賢岳で噴火が続いていた時、島原市長として対策にあたっていたのが鐘ヶ江官一さんだ。
長く白いヒゲが印象的だった。断ち物で願をかけるように、山がおさまるまでヒゲはそらないと決めていた。
きっかけは30年前のきょう起きた大火砕流による惨事だったと著書『普賢、鳴りやまず』に記している。消防団員12人も命を落としており、鐘ヶ江さんが弔文を詠んだ。「人々の生命や財産を守るために尽力されてきたあなたたちが---なぜ。あなたたちが死なねばならないのか」。
死者・行方不明者43人のうち報道関係者が16人で、彼らが載っていたタクシーの運転手が4人だった。消防団員らは報道陣に注意を呼びかけていて被害にあった。記者の一人としては、対象に迫りたい気持ちは痛いほどわかる。しかし巻き込まれた人がいたと思うと言葉もない。
30年が過ぎても、いや遠くなるからこそ胸に刻まねばならない被害である。この国の火山がときに、鋭い牙をむくのを忘れないために。同じような惨事を繰り返さないために。
大きく報道されることで共感が広がり、政府の支援策を引き出すことができたと鐘ヶ江さんは著書で述べた。一方で避難を求められながらも取材を続けたことには厳しい言葉をつづり、「専門家と報道の危険度の認識にギャップがあった」とも書いている。
報道の責務を全うすること。それでも大きな危険は回避すること。あらゆる場面で均衡を探らねばならない。水戸はまだ半ばである。

 天声人語より
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高齢者の肺炎予防。5年に一度はワクチン接種を
高齢化が進み、肺炎による死者数が急増しています。2011年には、がん、心臓病に次ぐ、日本人の死因の3位になり、年間約12万人が命を落としています。65歳以上になると、肺炎による死亡リスクはぐんと高くなるためです。
高齢者の肺炎は、命を奪う危険な病気だという認識を持ち、予防が重要だ。
肺炎は主に、肺炎球菌やマイコプラズマなど様々な最近の感染が原因で起こる。若いうちは、抗菌薬による治療ですぐ良くなり、命を落とすことはほとんどない。
一方、高齢者はいったん発症すると何度も再発を繰り返す人が多く、命にかかわる。薬が効かない場合もあり、まずはかからないようにすることが大切だ。
もっとも有効とされるのが、原因の3割を占める肺炎球菌のワクチン接種だ。65歳以上では5年に1度、接種することが望ましい。
特に、インフルエンザにかかった後は肺炎にかかりやすいので、肺炎球菌とインフルエンザのワクチンをあわせて接種しておくとさらに効果的という。
今のところ公的な定期接種の対象ではないが、自治体によっては接種費用の助成もある。
口のなかを清潔に保ち、入れ歯の調子を整えるなどのケアも重要だ。高齢になると、食事のときにむせたり、寝ている間に唾液が気管に入ってしまったりして、口のなかにいる細菌が肺に入って肺炎を起こすリスクが高まる。
粗食を好み、肉や動物性脂肪をとらない人は要注意。たんぱく質などの栄養が足りない状態になると体力が落ち、肺炎にかかりやすくなる。高齢者は積極的に脂質、たんぱく質を取るべきだ。喫煙者や糖尿病の人も、肺炎のリスクが高い。
高齢者の肺炎は、素人目には一見、ただの風邪と区別がつかないことが多い。あまり熱が高くなくても、ぼんやりしているなど、周囲の人が見て少しでも「おかしいな」と感じるところがあれば、積極的に医療機関を受診させるようにしたい。

 体とこころの通信簿より
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正直に言うと、大坂なおみ選手が記者会見に出ないというニュースを耳にした時、プロなのにあまいのではないかと思った。
人前で質問を受けることもトップ選手の責務ではないかと。そして一夜明けて飛び込んできたうつ病の告白である。
そこで感じたのは、病気であれば仕方がないということだった。しかしよく考えてみれば、どちらの反応も問題含みである。「甘えている」「みんなやっていることなのに」という周囲の視線が、心の不調を抱える人をどれほど追い詰めることか。
病気なのだからと思考を止めるのも、コインの裏表であろう。大坂選手は大会の棄権を選んだ。いまは心身を休めてほしいと願いつつ、他の道はなかっただろうかと考えてしまう。
彼女のSNSから伝わるのは、競技には力を尽くしたい、しかし記者会見の負担は軽減したいという思いだ。従来のルールにとらわれず、下ろせる荷物はないかと考えてみる。スポーツに限らず、どんな職場でも必要なことではないか。だれもが力を発揮するためにも。
棋士の先崎学さんは、うつ病で将棋界を一時離れたことがある。その時の様子を書いた『うつ病九段』によると「将棋界の中にもう自分の居場所がない」「自分の場所には戻れない」と思い悩んだという。
つらかったのは物事を悪い方に悪い方にと考えてしまうこと。一番うれしかったのは、将棋の仲間から「みんな待ってます」と言われたことだった。大坂選手をコートで見られる日をゆっくりと待ちたい。

 天声人語より
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正直に言うと、大坂なおみ選手が記者会見に出ないというニュースを耳にした時、プロなのにあまいのではないかと思った。
人前で質問を受けることもトップ選手の責務ではないかと。そして一夜明けて飛び込んできたうつ病の告白である。
そこで感じたのは、病気であれば仕方がないということだった。しかしよく考えてみれば、どちらの反応も問題含みである。「甘えている」「みんなやっていることなのに」という周囲の視線が、心の不調を抱える人をどれほど追い詰めることか。
病気なのだからと思考を止めるのも、コインの裏表であろう。大坂選手は大会の棄権を選んだ。いまは心身を休めてほしいと願いつつ、他の道はなかっただろうかと考えてしまう。
彼女のSNSから伝わるのは、競技には力を尽くしたい、しかし記者会見の負担は軽減したいという思いだ。従来のルールにとらわれず、下ろせる荷物はないかと考えてみる。スポーツに限らず、どんな職場でも必要なことではないか。だれもが力を発揮するためにも。
棋士の先崎学さんは、うつ病で将棋界を一時離れたことがある。その時の様子を書いた『うつ病九段』によると「将棋界の中にもう自分の居場所がない」「自分の場所には戻れない」と思い悩んだという。
つらかったのは物事を悪い方に悪い方にと考えてしまうこと。一番うれしかったのは、将棋の仲間から「みんな待ってます」と言われたことだった。大坂選手をコートで見られる日をゆっくりと待ちたい。

 天声人語より
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高齢者医療費値上げに
負担&給付。見直すべき難問を山ほど抱えてはしりだす。
75歳以上の「医療費2割」。

素粒子より
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経営陣にとってはトロイの木馬が送り込まれたという気持ちだろう。
世界的な石油企業エクソンモービルが、環境重視派の取締役2人を受け入れることになった。わずかな株しかもたない投資ファンドからの提案だったが、他の株主の賛同もあり、抗しきれなかった。
先週の株主総会の出来事である。そんな会社側の敗北を欧米の経済誌は「衝撃的」「歴史的」と報じた。気候変動への対策強化を求める2人は、これからどんな暴れ方を見せてくれるか。
エクソンは1999年にモービルと合併して今の会社になった。スティーブ・コール著『石油の帝国』によると、そのころ経営トップだったレイモンド氏は、石油・天然ガスの「原理主義者」を自任していたという。環境保護派は敵だった。
国際会議では彼は「地球は本当に温暖化しているのか?」と疑問を呈していた。経済を成長させ貧困をなくすには「化石燃料使用の削減ではなく増加が必要なのだ」とも語った。さすがにそこまでの極論は、現在の経営陣は口にしないようだが。
戦時中は「石油の一滴は血の一滴」と呼ばれ、戦後になると石油は「産業の血液」と言われた。しかしその血流は、地球という体に不調をもたらしている。企業に対する世界の株主の
消費者のまなざしは厳しさを増す一方だ。日本はどうか。
先週はオランダの裁判所も、石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルに二酸化炭素の削減を強めるよう求めた。大きな変化を予感させるニュースが続々と届いている。

 天声人語より
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法改正
男性の育休、産休を促す。
イクメンでなきゃ、「意気地(育児)なし」に。

素粒子より
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『はらぺこあおむし』で知られる米国の絵本作家エリック・カールさんは、少年時代をナチス支配下のドイツで過ごした。
ヒトラー将軍たちに熱狂したのもつかの間、まちが空襲にさらされる。そんななかでも絵の授業だけは楽しみだった。
ある日先生の家で、こっそり複製絵画を見せてもらった。当時ドイツで退廃芸術の烙印を押されたピカソ、マチス、ブラックなどだ。「誰にも話してはいけない」と言われながら眺めた絵は、くらくらするほど衝撃的だったという。
カールさんの自伝を開くと、暗い時代でも点のような光が差し込んでいたのが分かる。疎開先で息子のように受け入れてくれた女性。ともに塹壕を掘った敵国の捕虜は食べ物を分けてくれた。そんな光をつなぎあわせた先に、楽しい絵本の数々があるのだろう。
世界中で愛された作家が91歳で亡くなった。色を塗った薄い紙を切って貼り、愛らしい生き物たちを生み出した。「おなかがぺっこぺこ」のあおむしの物語は70以上の言語に翻訳された。
子どもに読み聞かせながら、こちらの心もアラワレルうな絵だった。お菓子などを食べ過ぎ、おなかがいたくて泣くあおむし。はっぱを食べて元気になるあおむし。本物の青虫も、やさしい目で見られるようになった気がする。
かつてカールさんが日本の子どもたちに発したメッセージがある。「忘れないでほしいのは、楽しむこと、遊ぶ時間をつくること、そして自分でいること!」。もちろん大人にも響く言葉だ。

 天声人語より
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般若心経とは
般若とはすばらしい知恵のこと。そして波羅密多とは六波羅密多、すなわち
自分よりも他人の救いを先にする「大乗の菩薩」という考え方による実践の
徳目です。
人間は生前の行いによって、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天という6つ
の世界に生まれ変わります。人間よりも下に落ちるのを救うためには、布施
、持戒、忍辱(にんにく)、精進、禅定、智慧という6つの修行をして、成
仏しなければなりません。
布施とは、僧にお経をあげてもらったときや寄付をする際に差し上げるお金
などの財物のことです。布施はお金に限りません。相手の不安をなくす、や
さしいまなざしや言葉などもあります。
持戒とは、戒を持つこと。これを十戒といい、具体的には十戒善を差します。
不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋
恚、不邪見。
忍辱とは、辛抱すること。
精進とは、一生懸命努力すること。
禅定とは、坐禅を組んでこころを落ち着けることです。
6つの修行をすると、智慧が出てきます。これが"般若"です。
仏様の場合、「智慧」と書きます。"知"の下の"日"は、宇宙の真理を指しま
す。
この6つのことを修行することを「六波羅密多行」といいます。こうするこ
とで自身が成仏する助けになります。
お仏壇に水、塗香(ずこう)=塗香(ずこう)は非常に細かい粒子のお香で、
塗香入(ずこうい)れに入れて用います。小麦粉にも似た触感があり、少量を
手に塗り、その香りを吸い、仏前で自らの心身を清めるために使用します。
花、線香、飯、ローソクの6品をお供えするのは、六波羅密多行を知らずに
亡くなったご先祖様に、6つの修行をすることで成仏できることを知らせる
ためです。
水は布施(感謝する気持ち)、塗香は持戒(よいことに励む)、花は忍辱
(怒りやすいこころを鎮める)、線香は精進(怠けごころをなくす)、飯は
禅定(こころを落ち着かせる)、ローソクは智慧(人間の悩めるこころを智
慧の光で明るくする)を表しています。これら6つをお供えすることを六種
供養といいます。お仏壇にお供えをして、お仏前でお経を唱えます。こうす
るこによってご先祖様が成仏できるのです。
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「石器時代」は、より正確には「木器時代」と呼ぶべきだろう---。
歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏が『サピエンス全史』でそう書いていた。言われてみれば、石器や土器と違って木は腐って分解されやすく、後世になかなか残らない。
しかし人々の身の回りには、木から作られたものが多かったに違いないと想像はできる。青森県にある縄文時代の三内丸山遺跡からは、幸運にも木製品が出土している。ゴミ捨て場だった谷に水分が多く、空気がら遮られていたためらしい。
発掘調査に長く携わった岡田康博氏の著書によると、木製の大皿のような器には鮮やかな赤の漆が塗られていた。厚さがわずか5㍉という精巧な木器もある。縄文文化が「木の文化」だったことを示しているというう。
三内丸山をはじめ東北や北海道の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録される見通しだ。農耕はまだ始まらず狩猟採集で食物を得ていたらもかかわらず、定住生活を営んでいた。世界でも珍しい縄文文化がまた注目されそうだ。
人類を定義する言葉の一つに、ホモ・ファーベルがある。縄文人も作る意欲は旺盛だったようで、出土するのは長短さまざまな縫い針から、植物を編んだ布、装身具のヘアピンまである。原始人などと呼ぶのは無礼千万であろう。
太古の祖先には魔法に見えそうな機械に囲まれるのが現代の私たちだ。しかし自分の手でものを作ることから遠ざかり、ひたすら使うことだけなら「作る人」の名折れかもしれない。

 天声人語より
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政府の要請
そもそも、政府が「容認」する話ではないが。
少子化が続く中国で「3人まで」に。

素粒子より
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政府の要請
そもそも、政府が「容認」する話ではないが。
少子化が続く中国で「3人まで」に。

素粒子より
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きのう東京・霞が関の官庁街を歩いた。行き交う人の服装はネクタイ派が2割、ノータイの軽装派が8割。
「クールビズ」の旗振り役の環境省を訪ねると意外にも、軽装を呼びかけるポスターや横断幕は見当たらなかった。
クールビズは16年前に始まった。小泉純一郎首相が沖縄の「かりゆしウェア」で出勤し、軽装は民間へ広まった。昨年までは政府が始まりと終わりを指定したが、今年からは期間の定めをなくしたとのこと。季節外れの暑さや寒さが増え、服装の自由化そのものも定着したのが理由だという。
1970年代の末、政府が推奨したのは「省エネルック」。石油危機から生まれた案で、半袖スーツにネクタイ姿の大平正芳首相がPRに努めるが、空振りに終わる。あれに比べれば、クールビズは成功したと評すべきだろう。
さて最近、菅義偉首相の装いを見て変化に気づいた。今月に入ってノータイのスーツ姿が続いたが、11日を境に平日はずっとネクタイ姿に。色は黄、青、赤が多い。コロナに立ち向かう真剣さを示すためだろうか。
『日本ネクタイ史』によれば、日本へは幕末に持ち込まれた。第2次大戦後は庶民にも広がり、いつしか勤めを持つ人々の責任感や忠誠度の象徴となっていく。
「私自身、先頭に立ってやり遂げていく」。緊急事態宣言がまた延長された。決意を語る菅首相の胸元には淡い青色のネクタイ。色彩の世界では青は安心感を表すという。その色の通り、安心の日々を取り戻せるのはいつか。

 天声人語より
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