2021年04月の記事


聞きたいのは
「無観客も覚悟」の決意表明じゃない。
五輪で国民の安心・安全はこう守るという具体的な計画だ。
「1日1万人ワクチン接種」の打ち上げ花火じゃない。
自衛隊の余力から計算した現実的な目標だ。

素粒子より
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舞台は1980年代、米南部アーカンソー州。
農業での成功を夢見て移住した韓国人一家が水不足に耐え、たくましく生き抜く。映画「ミナリ」が米アカデミー賞の部門賞に輝いた。
ミナリとは聞き慣れぬ韓国語だが、調べてみれば日本語で言う植物のセリだった。作中、韓国から遅れて合流した祖母が、川べりにセリの種を植える場面が印象深い。
セリ鍋が日本でブームとなって久しい。名産地の一つ、秋田県湯沢市の奥山和宜さんによると、いまは「三関せり」の苗を育てる作業のさなか。江戸時代から続くブランド野菜だ。東鳥海山の伏流水を吸い、長く伸びた根が特徴という。「この10年ほど供給が追いつかない人気で、首都圏からも注文が舞い込みます」。
人口減の先頭を行く秋田県だが、奥山さんは次の世代へ地域をつなごうと農業専門の株式会社CRASを創業。地元産のチェリー、ライス、アップル、セリの頭文字を集めた。ラテン語では「明日」。子どもたちに誇れる故郷を、と意気込む。
映画に戻れば、祖母の植えたセリは清流のそばに根を張っていく。韓国では、子ども世代の幸せのために懸命に働く親世代という合意がセリにはあると聞いた。映像は隅々まで美しく、流れる旋律はやさしい。
セリと言えば、春の七草の筆頭に名が挙がり、寒い季節に食べるものと思いこんできた。韓国では和え物や鍋物など食卓には欠かせない存在。映画を見終えて、シャキシャキした根っこの食感がにわかに恋しくなった。

 天声人語より
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大豆は乳がんのリスクを下げる
大豆には女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を持つ植物性エストロゲン
の「大豆イソフラボン」が含まれることはよく知られている。乳がんの発症
には体内のエストロゲンが関係していると言われ、イソフラボンはこのエス
トロゲンが作用するのを抑えると期待されている。
厚労省の研究班によると40~59歳の女性2万1852人を対象に、大豆製品を食
べる量と乳がんの発生率を追跡調査した。みそ汁を飲む量が1日1杯以下の人
が乳がんになるリスクを1とすると、3杯以上飲む人の危険性は4割低かった。
大豆製品から換算した大豆イソフラボンの摂取量を比べても、摂取量が多い
人ほど乳がんの発生率は低かった。
一方、食品安全委員会が06年、大豆イソフラボンの過剰摂取はホルモンバラ
ンスを崩す恐れがあるとして、特定保健用食品として1日に取る量を「30㍉
グラムまで」とした。
栄養補助食品でイソフラボンだけを大量に取るのは勧められないが、大豆製
品を日常的に食べることは問題ない。

 食の健康学より----宮島裕美
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時として土地の言葉は標準語より迫力を帯びる。直近の例では「だまっとれん」。
広島市内で取材中、何度も聞いた。「だまっていられない」では伝え切れぬ有権者の憤りを端的に映す。
広島県選管が作った標語も「だまっとれん。」選挙啓発のポスターのぼり旗に使われた。路面電車の車体にも同じ言葉が躍る。広島の有権者たちは、大勢の県議や市議、町長らが買収された不名誉に歯がみしてきた。
広島のほか、北海道と長野でも有権者の厳しい審判が示された。菅政権下では初の国政選挙。次の衆院選の前哨戦としても注目されたが、結果は与党の3戦全敗。逆風の強さが際立った。
北海道の人々の心境を地の言葉で表すなら、ごっぺすけか。大臣室で大金を受け取るような人物を6度も当選させたことを悔やんでいよう。コロナによる現職議員の急死を受けた長野県の補選は、実弟である野党候補が制した。敗れた自民党の側はちんやりしているらしい。
3選挙に共通するのは棄権の多さである。「密」な投票所を避けたいという心理はわからなくもない。それより政治とカネの実態にあきれ果て、わが1票がむなしく感じられた人が急増したのではと心配になる。
今回の選挙で、大聴衆を前に遊説のマイクを握る菅首相の姿はなかった。地元秋田の言葉を借りるなら、かだぎわりか。苦戦を強いられ、けけしだろうか。いずれにせよ、厳しい局面に突入したのはまちがいない。

 天声人語より
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ワクチン接種
一案とは思うが、心配だ。
政府が東京・大阪に設けるワクチン接種センター。
不安の一つは自衛隊の投入である。
「自衛隊は最後の砦」と首相。
だが、地域医療支援という自衛隊の「もう一つの最後の砦」は困難になりかねぬ。
限りある医療資源の配分には「俯瞰的」な視野が要る。
唐突すぎる首相の案が混乱に拍車をかけぬか、危惧する。

 素粒子より
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ぽっかりと口をあけたようなに切れ目が入り、生クリームが大量に詰まった丸いパン。
週末の朝、散歩中にのぞいた菓子店で思わず声が出た。これは、ローマ名物のマリトッツオではないか。
現地で特派員をしていたころ、カプチーノと一緒に立ち飲みの喫茶店でよく食べた。手づかみで食べやすく、忙しい朝食にぴったりだ。最近、日本でも人気だという。
名の由来はイタリア語の「夫(マリート)」。古代ローマ時代、羊飼いの夫に妻が持たせた腹持ちのよいパンが起源だという説がある。近代にはクリームの中に指輪を隠し、プロポーズに使われたとも。最古とみられる記録は19世紀前半で、ローマの詩人が明るくうたった。〈私は毎日、聖なるマリトッツォを買いに行く---〉。
それから間もなく、南アジアで発生した疫病のコレラがイタリアに到達し、猛威を振るった。集会は禁じられ、食堂も仕事もままならず、もう菓子どころではない。〈あすコレラで死ぬか/きょう餓死するか〉の恨み節が残る。
新型コロナで欧州初の感染爆発が起きたイタリアでは、あすから大半の地域で規制の緩和が始まる。変異株による第3波が押し寄せ、都市封鎖に踏み切ってから1カ月余り。ワクチン接種も徐々に進み、恐る恐るの再出発だ。
一方で、きょうから3度目の緊急事態宣言に入った日本。一足先を行く欧州の経験から学ぶことはできなかったのか。家で過ごす連休は、菓子の甘さもどこか悲しい。

 天声人語より
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長崎開港450年
長崎港はいにしえから海外に開かれた窓口として多くの人々や文化を迎え、豊かな歴史を紡いできた。
ポルトガルの貿易船が来航した1571年から450年。

紙面より
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米国の戦争映画「ザ・ロンゲストデー」は直訳なら「最も長い日」。
それを「史上最大の作戦」としてのは、強い題名が人を引きつけると考えたからだろう。古い映画のような表現があふれたコロナ禍の1年余である。
「感染爆発の重大局面」から始まり、最近だと「これまでで最大の危機」。「我慢の3連休」や「勝負の3週間」もあった。医療逼迫を抑えるためには我慢も勝負もしよう。ワクチン接種を受けられるその日まで。しかしこちらの作戦は惨敗のようだ。
各国の情報を集めたウェブサイトによると日本のワクチン接種率は1%程度で、先進国の集まりであるOECD諸国の最下位。遅れは分かっていたが、まさかここまでとは。
前首相の安倍晋三氏は不明を恥じていることだろう。東京五輪の延期を2年ではなく1年と決めた時に「ワクチンの開発はできる。日本の技術は落ちていない。大丈夫」と語ったそうだ。森喜朗氏が本紙記者に明かした話である。
安倍氏の精神主義は現実に裏切られ、外国からの調達も綱渡りだ。しかし菅義偉首相はさらに強靭な精神をお持ちのようだ。ワクチンが行き渡らないなかでも五輪開催を訴え、3度目の緊急事態宣言をも影響しないと言う。影響を受けているのはむしろ感染対策の方か。
宣言期間が短めになったのも五輪が関係しているとしか思えない。腹に一物あるような対策や要請では従う方もしらけてしまう。五輪という軛がある限り、政治の言葉から信用が失われたままである。

 天声人語より
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コロナ禍
感染再拡大の懸念を振り切るような緊急事態解除。
それから1カ月余、またも緊急事態とは。
まさに異常事態だ。
五輪に賭ける首相の政治決断が五輪を遠ざけた皮肉。
それが国民の感染リスクを高めたとなれば皮肉では済まぬ。
ワクチン調達に手間取るなか、感染抑止の頼みは国民の信頼のみ。

素粒子より
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ブロッコリーに黄色い花が咲くなんて、自分で育ててみるまで知らなかった。菜の花の仲間だとはっきり分かる可憐な花。
野菜としての収穫期はもう終わりなのだが、小さい花畑をもう少しながめていたくなる。
収穫が始まったスナップエンドウは白い花だ。羽を広げたようなかたちに、チョウを思う人が昔から多かったようだ。〈花ゑんどう蝶になるには風足らず〉大串章。 ちょうどいい風が吹けば羽ばたいてしまいそうな。
「豌豆の花」は春の季題だが、豆を指す「豌豆」は夏である。花が次々に咲いてはすぐに実がつくので、季節を分けにくいようにも思う。それでも春と夏を行き来するようなこの陽気にはしっくりくる。
〈ゑんどうの凛々たるを朝な摘む〉山口青邨。とりたてをさっとゆでて味わう。コロナゆえに始めたささやかな家庭菜園も2年目に入り、植物たちのたくましさを日々感じる。少しでもお日さまをとりこむよう。南へ南へのビル茎と葉がある。
目には見えないが、マメ科の植物は根に付いている菌を通じ、空気中の窒素を肥料としてとりこんでいる。人類が空気から窒素を得る技術を手に入れたのは20世紀初め。化学肥料がつくりやすくなり、農業を劇的に変えたのだが、マメたちは大昔から実践している。
近所を歩いていて、田んぼに紫のレンゲソウを見た。これもマメ科と聞けば、天然の肥料として昔から重宝されてきた理由がよく分かる。穏やかな春の日だから、気持ちもできるだけ穏やかでいたい。

 天声人語より
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体の「老化」と心の「老い」は別物
男女とも平均寿命は80歳を超えました。高齢化社会で問題になるのが、「平均寿命」と「自分で自分のことができる健康寿命」との差です。男性ではほぼ9年、女性では13年近く介護を受けたり、あるいは寝たきりで過ごしたりしています。この期間をいかに短くするかが、医療従事者の課題です。
一概に「老い」といっても、生物学的な「老化」と、人間的な「老い」は別物です。人間として抗しきれない老化の中で、いかに生命の意味を見いだしていくか。「土の器」とも例えられるもろい人間の身体は、ひび割れたり壊れたりもします。それでも私たちは与えられた時間の中で、その器に何を入れていくか、模索し続けるのです。
もし社会が老人を疎んじ、ポンコツ車のように見下すなら、それは真の文明社会とはいえません。必要なのは、社会がもっと交わりの中に高齢者を入れ、温かい心で包み込み、高齢者に「役割」を与えることです。私が日ごろから平和の重要性を語るのは、高齢者が居場所を得て輝くためには、社会がまず、平和であることが前提となるからです。
若い世代を含め、一人ひとりが参与しなければ、本当の健康社会は日本に実現されない。

 私の証あるがまゝ行く----日野原先生
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きょうはアースデー。地球環境を考える日として1970年に始まったとき、米国で一風変わった試みがなされた。
歩行者天国である。排ガスに汚されていない空を取り戻そうと、ニューヨークのあちこちで車が締め出された。
日本も追従し、その年の夏に東京・銀座などで人々に車道が解放された。当時の新聞によると、美濃部亮吉都知事がニューヨーク市長にメッセージを送っている。自動車交通の問題は「人間の生命を大気汚染からいかに守るか」に関わっていると。
排ガスの悩みは先進工業国に共通する大問題だった。時代は移り、温室効果ガスというグローバルな問題があらゆる国にのしかかっている。バイデン米大統領が40の国・地域に呼びかけた「気候変動サミット」はきょうオンラインで始まる。
安保や経済で対立する米中もここでは手を握るのか。習近平国家主席も参加する。温暖化問題の国際協調はトランプ時代の混乱を経て、ようやく旧に復帰する。混乱に隠れ、対策をさぼっていたのは恥ずかしながら日本のようだ。2030年の温室効果ガスの削減で新たな目標を迫られている。
サミットに向け、日本の高校生らが続ける運動が先日の夕刊にあった。削減目標の大幅な引き上げを求め、街で声を上げている。日本に限らず温暖化対策の歩みは、残念ながら問題の先送りの連続でもある。若い世代へ、まだ生まれぬ世代へと。
世界的なコロナ禍に目を奪われてしまう。しかし他の大問題が待ってくれるわけではない。
 
 天声人語より
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納豆1日1パック食べると、「死亡リスクが10%減」国立がんセンターの調査。
納豆やみそなどの発酵性大豆食品をよく食べる人は、そうでない人に比べて10%死亡率が下がるという調査結果を、国立がん研究センターの研究チームがまとめた。
チームは、国内の成人男女約9万人を1995年以降、平均15年間追跡調査した。
食事内容を聞き、大豆食品や発酵性大豆食品を食べた量により五つのグループに分類。ほかの食品による影響や、降圧薬を使用しているかなどの影響を取り除いて分析。
発酵性大豆食品を最も多く採るグループ(1日におよそ50㌘)は、最も少ないグループと比べて男女ともに約10%死亡率が低かった。50㌘とは納豆1パック程度。食品別に見ると、女性では納豆やみそを多くとると、死亡リスクが下がる傾向が顕著だった。
納豆を多く食べると、男女とも悩卒中心筋梗塞など循環器の病気による死亡率が低下していた。「発酵性大豆食品は、ミネラルやイソフラボンなど様々な成分が失われにくいため、体に良い影響をもたらしているのではないか」と研究室長は分析している。

 新聞より---月舘彩子
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本をぞんざいに扱うのを絶対に許さない。
そんな古本屋が、作家椎名誠さんのエッセー『さらは
国分寺書店のオババ』に出てくる。店主のオババは、本を眺める客をじっと眺め、乱暴にページをめくるのを見るや鋭い声で怒る。
本の上にカバンを置く客には、天地がひっくり代えるうな声が飛ぶ。そんなふうだから客は少なく、すいていて本をゆっくり探せる店だった。「たかが書店に入るのにものすごくキンチョー」するのを我慢すれば。
本はしっかり吟味していい。ただし丁寧に。オババの話を思い出したのは、講談社が文庫本のフイルム包装を始めたとの記事に驚いたからだ。漫画本でおなじみのやり方で、きれいな本が買えると歓迎する声もあるという。いやいや選ぶためのちょい読みすらできないのは悲しい限りだ。
4月から税込み総額を示すよう国から求められたのが理由で、ファイル上に値札を貼るという。一時的な措置であればいいが、心配なのはいつの間にか定着することだ。漫画ではあれよあれよという間に広がった。
書店で本を選ぶのは、服を試着するのに似ている。気になる服に袖を通すように、目次を眺め、文章を少し味わい、いま自分が求める本かどうかを確かめる。文庫本だと頼りになるのが解説で、さしずめカリスマ店員の助言である。
思えばこれまでどれだけ多くの解説に導かれ、未知の著者やテーマに出会ってきたことか。講談社は包装を速めに切り上げてほしいし、他社はどうか後に続かぬよう。

 天声人語より
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3度目の宣言の効果は?
「禁酒令」の様相あり。
私権を制限する休業には応分の補償を。

素粒子より
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1970年代、夢の旅客機として登場した超音速機コンコルド。
その開発の経緯をめぐって「コンコルドの誤り」という言葉がある。英仏両国が共同開発に乗り出したが、採算の取れる見込みが薄いことが途中で判明する。
それでもすでに多額の投資をしてのだから後には引けないと、事業はとまらなかった。結局、商業的には失敗に終わったと飯田高著『法と社会科学をつなぐ』にある。返ってこない費用のことは忘れ、将来の損失を避けた方がいい。そんな教訓を残した。
話を東京五輪に移すと、誘致の決定以来、競技場などに多額の費用が投じられてきた。何より選手生命をかけた努力がなされており、取りやめになれば報われないと悩む気持ちはよく分かる。しかしここは冷静に考えたい。
大阪府の吉村洋文知事が3度目の緊急事態宣言を政府に求めるという。変異ウイルスの拡大に対抗し、百貨店や飲食店、映画館などへの休業要請で人の動きを止める考えだ。大阪の現状は少し先の東京の姿だと専門家は指摘する。
住民へのワクチン接種、そらには急増する感染者の治療という仕事が重なり、そのうえ五輪のために医療資源を割くという「三正面作戦」が現実的とはとても思えない。もしも五輪がさらなる感染拡大の契機になれば、命や暮らしの損失は計り知れない。開催の中止を検討すべきときではないか。
「東京五輪の誤り」。将来、そんな言葉が生まれないことを切に思う。

 天声人語より
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ワクチン問題
なぜ、首相はワクチン合意の詳細を伏せる。
「差し控える」5連発に不安がよぎる。

素粒子より
期限が決まっていないのではないのか。政府の予定は未定とおなじだ。
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作家の川端康成は中学生のころ、祖父の介護をしていた。
寝たきりの祖父との日々を書き留めたのが『十六歳の日記』である。学校から帰ると、寝返りをうつのを助け、しびんをあて、茶を飲ませる。
川端は早くに両親を亡くし、祖父母に引き取られた。祖母も失った後、祖父の病を案じながら世話をするが、夜も起こされる生活は数え年で16の身にはつらかった。登校するとほっとしたようで「学校へ出た。学校は私の楽園である」と記した。
最近の言葉で言えば川端も「ヤングケアラー」だろう。大人の代わりに介護や家事を担うヤングケアラーは、中高生でおよそ20人に1人。国による初の全国調査の結果に驚いた方も多いのではないか。家族の世話に割く時間は1日平均4時間に及ぶ。
高齢化のほか供働きの増加なども背景にあるようで、きょうだいの世話をする子も多い。学習が遅れ、進路が狭められるという悩みの一方、誰かに打ち明けられない実態がある。「相談しても状況が変わるとは思えない」などが理由だ。外からの助けがいる。
カタカナ語の氾濫は歓迎するものではないが、言葉が与えられ、見えにくかった問題が浮き彫りになることがある。そうしてヘイトスピーチへの目は厳しくなり、就職氷河期世代への支援が必要とされた。若手介護に焦点をあてた手立ても急がれる。
子どもらしい生活が奪われる。そのために夢をあきらめることもある。その子にとっても社会にとっても、あまりに大きな損失である。

 天声人語より
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コロナ禍
指摘された通りに、大阪を東京が追う展開に目を覆う。
対策の不首尾は、西も東も。
五輪開催に赤信号を点滅させる「緊急事態」に追い込まれてゆく。
聖火は走れども。

素粒子より
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隠れた事実を、数字が明らかにすることがある。
英国の作家デフォーが17世紀の疫病を描いた『ペスト』には「死亡速報」なる数字が出てくる。週ごとの埋葬者数を示すもので、それによ人々は流行の始まりに気づいた。
通常は多くても300人ほどのロンドンの死亡者が349、394、415---と増えていく。日々の新聞のない時代に、簡単な統計が市民の不安げな視線を集めた。
最近の中国の統計でも異常な数字が明らかになった。新疆ウイグル自治区で女性の不妊手術が急増しており、2014年には3千件余りだったのが、18年に約6万件となった。実に19倍の増加だ。
自治区人口の大半を占める少数民族、ウイグル族への弾圧はかねて問題になっており、昨年はドイツの研究者が「強制的な不妊手術中絶が行われている」と指摘した。そんな非人道的な人口抑制策を裏打ちするような手術の数である。
収容施設にウイグル族が連行され、政治的再教育や拷問、さらには性的暴行がなされていたという女性の証言を英BBCが報じている。中国政府は否定するが、ならば全てをオープンにすべきだ。きのうの日米首脳会談でもウイグル問題が議論された。
間違っても、中国を牽制するための道具として人権問題を扱ってはならない。だからといって、中国との経済関係への配慮から、弾圧に目をつぶるのは論外だ。軍事的緊張を避けつつ、人権のため働きかける。狭き道を行く責務が、日本にもどの国にもあるはずだ。

 天声人語より
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コロナ禍
「三度目の正直」と、解除後わずか50日で言われても。
「緊急事態」を「二度あることは三度ある」と軽く見なしそうな気配が漂っている。
全国民への接種は「来春までかかるかも」と自民党政調会長。
お気軽すぎるでしょ。

素粒子より
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きょうは「恐竜の日」----。とは最近まで知らずにいた。
調べてみると、1923年4月17日、ロイ・チャップマン・アンドリュースなる米探検家がゴビ砂漠へ旅立った日という。不勉強でその名にもなじみがない。
「日ごろ恐竜を扱う私たちも数年前まで知らなかった記念日です」と話すのは福井県立恐竜博物館の野田芳和さん。アンドリュースは化石ハンターの先駆者で、映画「インディ・ジョーンズ」の主人公のモデルの一人とされる。恐竜の頭骨や卵の化石を大量に掘り出し、米国自然史博物館の館長を務めた。
福井県で恐竜発掘が盛んになったのは、地元の女子中学生がたまたま隣の石川県で化石を見つけたのがきっかけ。1982年の夏のことだ。鑑定で白亜紀の肉食恐竜の歯とわかり、少女は時の人となる。
その後、県境をはさんで福井県勝山市内の地層から化石がザクザク見つかるように。「フクイラプトル」「フクイサウルス」。郷土にちなんだ恐竜名が発表されるたび地元は沸いた。
一昔前まで「日本では恐竜の化石は見つからない」と言われたものだ。だが博物館を訪れ、いまは日本列島も大陸と地続きだったとする説が有力だと学ぶ。勝山市内を歩きながら、人類誕生のはるか前、大小の恐竜たちがこの地を悠々と闊歩したのかと想像をめぐらせた。
恐竜研究の進む米国や中国、タイでも「4月17日」はほとんど浸透していないとのこと。ならばいっそ日本から何か別の日を世界に提案してみてはどうだろう。

 天声人語より
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重点措置の次は?
感染を抑え込むはずんが、拡大の後追いみたいな、あすから10都府県に。
すでに大阪は3度目の緊急事態宣言を要請へ。

9月にはワクチン全量確保の見通し。
どうか、輸入も接種も順調に進みますように。

素粒子より
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長く虐待に耐え、生きづらさに苦しむ20代の女性、貴瑚。育児放棄され、声が出せなくなった少年、愛。
人間不信に沈んだ2人が出会い、安らぎを得ていく----。今年の本屋大賞に輝いた町田そのこさんの小説『52ヘルツのクジラたち』を読む。
作中、孤立の象徴として描かれるのは、米国の西海岸に生息すると信じられてきた一頭のクジラだ。仲間には届かない52ヘルツの音で歌い続け、「世界一孤独なクジラ」と呼ばれる。米国では大がかりな海岸捜索がされたこともある。
母親から虫けら扱いされ、「ムシ」と呼ばれた愛は、かたくなに本名を隠そうとする。困った貴瑚は彼を「52」と呼ぶ。「あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ。いつだって聴こうとするから」。その言葉をきっかけに凍り付いた少年の心が解け出し、貴瑚の魂と響き合っていく。
ヘルツという周波数の単位は、19世紀ドイツの物理学者ヘルツにちなむ。犬の鳴き声、人間の声、鳥のさえずり。おおよそこの順で数値が大きくなる。人の日常会話は250~4千㌹に収まるそうだ。
思えばこの1年余、私たちの会話は驚くほど減った。食堂や飲食店では「黙食」が求められ、電車で少しでも声を上げると視線を浴びる。だれもが無意識に声のトーンを抑え、周波数を下げる日々が続く。
コロナ下で、ふだん以上に聞こえにくくなった声のいかに多いことか。人と人の隔たりが深まるいまこそ、孤独を深めた人々が発するか細くも切実な声に耳を澄ませたい。

 天声人語より
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高カカオチョコで腸内の善玉菌を増やし 便通改善
カカオ分70%以上の高カカオチョコレートを店頭で見かけませんか。ちょこっとでも腸の調子を整えることが分かってきました。
チョコの成分で有名なのはカカオポリフェノール。認知症の予防や動脈硬化のリスク軽減などの効果があることが、2014年から愛知県蒲郡市で行われた市民347人を対象にした健康調査でわかった。一方、この調査で「便通が改善した」という声も聞かれた。ポリフェノールでは説明できない結果だった。
「カカオたんぱく質が関わっているのでは」と帝京大の古賀准教授は考えた。古賀さんは機能性が未解決だったカカオたんぱく質の抽出・分離に初めて成功。大豆や牛乳のたんぱく質と比べて消化されにくく、大腸まで届くことを明らかにしていた。大腸には500兆個以上の腸内細菌がすみ、食物繊維などを餌に腸内環境を整えている。
菓子メーカーの明治と共同で、便秘気味の女性31人を2群に分け、カカオ分72%の高カカオチョコと、カカオたんぱく質を含まないホワイトチョコを、それぞれ毎日25㌘、2週間食べてもらった。
すると、ホワイトチョコの群は変化はあまりなかったが、高カカオチョコの群は排便回数が週2.8回から4.9回に、1回の排便量も2倍以上増加。便秘解消が裏付けられた。「結果にびっくり」と古賀さん。女性たちの腸内細菌を調べると、「フィーカリバクテリウム」が約2.5倍増えていた。この菌はあまり知られていないがビフィズス菌、乳酸菌と同様に善玉菌だ。
この菌から作られる酪酸は大腸の粘膜を刺激し、便通改善の効果がある。古賀さんは「カカオたんぱく質が善玉菌の餌になり、腸内環境が改善した」と話す。
厚生労働省の13年の調査では便秘に悩む人は約470万人で女性に多い。高カカオチョコの機能を研究する愛知学院大の大沢教授は「日常の食事習慣の中で少しずつ食べることが大切」と助言する。少量でも様々な効果が出るので、カロリーも気にするほどではないという。

 続・元気のひけつより
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第三者委がいいですか
不祥事が発覚した上場企業では、弁護士を中心に第三者委員会を設けて、調査をゆだねるのが、最近の習わしのようだ。
しかし、ガバナンスの観点からみれば、前面に立つべきは「外の目」である独立社外取締役ではないか。
調査は、単なる責任追及でなく、ガバナンス上の問題点を洗い出し、再発防止に向けた体制整備を促す狙いがあるからだ。
金融庁と東京証券取引所が進めるガバナンス改革も、監視の目が強まるように社外取締役の拡充を提案している。
にもかかわらず、第三者委が好まれるのは、不祥事の禊を済ませるうえで「世間体」がいいからだろう。
この問題は、統治改革は支持しながら、不祥事が起きると「第三者委こそが正統」とみなしがちなマスコミにも責任がある。
もちろん社外取締役は徹底して調査し、利害関係者への責任を果たす人用があることはいうまでもない。その存在意義もまた問われている。

 経済気象台より---穹
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般若心経とは
般若とはすばらしい知恵のこと。そして波羅密多とは六波羅密多、すなわち
自分よりも他人の救いを先にする「大乗の菩薩」という考え方による実践の
徳目です。
人間は生前の行いによって、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天という6つ
の世界に生まれ変わります。人間よりも下に落ちるのを救うためには、布施
、持戒、忍辱(にんにく)、精進、禅定、智慧という6つの修行をして、成
仏しなければなりません。
布施とは、僧にお経をあげてもらったときや寄付をする際に差し上げるお金
などの財物のことです。布施はお金に限りません。相手の不安をなくす、や
さしいまなざしや言葉などもあります。
持戒とは、戒を持つこと。これを十戒といい、具体的には十戒善を差します。
不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋
恚、不邪見。
忍辱とは、辛抱すること。
精進とは、一生懸命努力すること。
禅定とは、坐禅を組んでこころを落ち着けることです。
6つの修行をすると、智慧が出てきます。これが"般若"です。
仏様の場合、「智慧」と書きます。"知"の下の"日"は、宇宙の真理を指しま
す。
この6つのことを修行することを「六波羅密多行」といいます。こうするこ
とで自身が成仏する助けになります。
お仏壇に水、塗香(ずこう)=塗香(ずこう)は非常に細かい粒子のお香で、
塗香入(ずこうい)れに入れて用います。小麦粉にも似た触感があり、少量を
手に塗り、その香りを吸い、仏前で自らの心身を清めるために使用します。
花、線香、飯、ローソクの6品をお供えするのは、六波羅密多行を知らずに
亡くなったご先祖様に、6つの修行をすることで成仏できることを知らせる
ためです。
水は布施(感謝する気持ち)、塗香は持戒(よいことに励む)、花は忍辱
(怒りやすいこころを鎮める)、線香は精進(怠けごころをなくす)、飯は
禅定(こころを落ち着かせる)、ローソクは智慧(人間の悩めるこころを智
慧の光で明るくする)を表しています。これら6つをお供えすることを六種
供養といいます。お仏壇にお供えをして、お仏前でお経を唱えます。こうす
るこによってご先祖様が成仏できるのです。
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「何があっても落ちない」と語り継がれた中空の巨石が熊本県南阿蘇村にある。
外輪山の岩の割れ目にぶら下がり、人呼んで「免の石」。だが5年前、熊本地震の本震で落下し、村人たちを嘆かせた。
「受験生や就活生、選挙の候補者にもご利益があると宣伝してきた石でした」と地元登山ガイドの柏田勲さん。円錐形の石はSNSでパワースポットとして広まり、登山客も増えつつあったという。
本震の翌週、柏田さんは石を探しあてる。もとあった洞窟の50㍍も下の山肌で止まった。割れもせず、無傷だったことに驚く。「落ちても砕けない奇跡の石」という説明板を村役場の協力で立てた。登山道に階段やハシゴをかけ、難所には命綱を結んだ。
熊本地震の本震からあすで5年。震度7という揺れが立て続けに2度もありうることに驚き、避難後に亡くなる関連死の多さに衝撃を受けた。熊本、大分両県で276人も尊い命が失われ、熊本県内ではいまも400人が仮住まいを余儀なくされている。
〈春の陽はあまねく照れど肥の国の阿蘇山脈は復興さ中〉坂田陽子。『熊本地震 震災万葉集』にそんな一首がある。復興はなお道半ばではあるが、朗報もある昨年夏にはJR豊肥線がようやく全線で復旧した。崩落した阿蘇大橋に代わる新たな橋が先月、開通して、交通の大動脈が再びつながった。
「免の石」の近くから阿蘇山のカルデラを一望する。災害に屈せず、しなやかに着々と復元する力のたしかさに励まされた。

 天声人語より
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また忖度?
「無理ならやめる」。
ごく当たり前のこの発言が、二階幹事長にしか許されない。
菅「忖度」政権の限界である。
国土強靭化を率い、こども庁では当本部長に。
機を見るに敏、何でものみ込むこの人なりの素直な実感と聞いた。

 素粒子より
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1938年の春、カイロで開かれた国際オリンピック委員会の総会は荒れに荒れた。
東京五輪の本番が2年後に迫っていながら、軍部は大陸でさらに砲火を強める。五輪の準備は遅れた。
「五輪までに日本は戦争を終える気があるのか」。詰問と非難を一身に浴びたのは日本人初のIOC委員、嘉納治五郎。柔道家として名高く、40年東京五輪の招致の立役者でもあった。だがカイロからの帰路、氷川丸の船内で肺炎のため急死する。日本政府が五輪を返上したのはその翌々月のこと。軍が非協力的に転じ、海外からの批判にも抗しきれなくなった。
おととし開館した日本オリンピックミュージアムをきのう訪ねた。40年大会ゆかりの展示品は五輪ポスター、公認バッジ、記念の湯飲み。招致決定を伝える記事の見出しが躍る。「東京オリムピック!正式決定」「吾等の待望實現」。人々の歓喜を色濃く伝える。
展示を見て歩きながら、思いはやはり今夏の本番へ飛ぶ。戦争と疫病とで事情は異なるものの、快晴とともに幕が上がった04年大会とは対照的に、今回の五輪も一向に日が挿さない。空を覆う暗雲は厚みを増していく。
きょうで開幕まで残り100日。大阪府では感染者が初めて1千人を超え、聖火リレーは熱気を欠いた。
ミュージアムの敷地には治五郎翁の彫像があった。視線を追うと、無真新しい国立競技場が正面に見える。彼の瞳に今夏、青空のもとで活躍するアスリートたちの姿が映るだろうか。

 天声人語より
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コロナ禍
「第4波」と尾身会長。
首相は「全国的な大きなうねりではない」。
認識の差に募る不安。
変異株の猛威を前に。

素粒子より
自分は先にワクチン接種し、外交だといって米国へとんずらした。
こんな首相をいつまでやらせる気だ。
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トラクタートラックが行き交い、急勾配のベルトコンベヤーが長ネギを運ぶ。
千葉県の九十九里浜にある農業専門の株式会社「グリーンギフト」を訪ねた。
50㌶を超す農場でコメにキャベツ、ハクサイを育てる。社長の鈴木敏弘さんが最も力を注ぐのは長ネギだ。海岸に近い砂質土で育てた「白砂ねぎ」を商標登録し、出荷体制を整えたところにコロナ禍が。スーパー飲食店からのキャンセルが相次いだ。
泣く泣く廃棄したネギは80㌧を超える。「わが社のエース」と呼ぶ技能実習生たちがタイやインドネシアへ帰国したまま、再来日できなくなったことも響いた。
過去にも苦しい時期はあった。おととしの秋は台風15号に襲われ、ハウスというハウスを吹き飛ばされた。東日本大震災の直後は風評被害や買い控えに苦しむ。「経営面での打撃でいえば、台風より震災よりやっぱりコロナの方が強烈です」。地元では近年、高齢農家がリタイアがとまらなかった。託された農地と地域の雇用を守ろうと奮闘中だ。
若い世代の農業離れが指摘されて久しい。担い手の7割が高齢者で、富山県に匹敵する面積が耕作放置地となった。そこへこの感染症の追い打ちである。「コロナ離農」を懸念する声が津々浦々で聞かれる。
きのう東京など3都府県に、まん延防止等重点措置が適用された。各地の飲食店に活気がよみがえり、農産物の消費がコロナ以前に戻るのはいつか。浜と人が育てたネギの新ブランドが大きく伸びるよう願った。

 天声人語より
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汚染水問題
副総理には「飲める水」でも、漁業者らには風評被害を呼ぶ水だ。
沖縄・辺野古移設と二重写しの地元軽視政治。

素粒子より
書いている本人には解決策は何か心当たりでもあるのか。
あったらこうした方が最善だという辺だ。
何もないのにいうだけならやめろ。
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まるで古い夜行列車のような窮屈さだった。
岐阜県各務原市の航空宇宙博物館で、世界初の有人宇宙旅行に使われた帰還カプセルの復元模型を見た。
旧ソ連の軍人カガーリンが宇宙へ飛びたち、奇跡的に生還したのは60年前の4月12日。「地球は青かった」。本人の弁そのものか否か定かでないが、この言葉とともに27歳の青年の名は世界にとどろく。
学芸員の加納舞さんによると、カガーリンはその後も、「月へ行きたい」と切望したが、かなわない。さらには親友だった飛行士仲間を事故で失う。本人が亡くなるのは34歳の春、軍用機で飛行中に墜落した。「挑戦する心を保った一方、偉業の達成後、心身を病み、苦悩を抱えた人生でした」。
今回の取材で、帰還後の人生を描いた評伝や映画にも目を通した。宇宙時代の英雄として国威を高める広告塔となった後、彼はアルコール依存に苦しみ、夫婦の仲もぎくしゃくしたそうだ。
その歩みをたどって浮かぶのは、米ソの宇宙競争でコマの一つとして使われた若者の哀しみである。米国との先陣争いを制して得意になった権力者フルシチョフは彼に数々の特権を与えたが、続くブレジネフの時代、ガガーリンは軍の一飛行士の扱いに甘んじる。
彼の挑戦には敬意を抱く。とはいえ、為政者が実績を誇るための道具とならざるを得なかったのはつらかっただろう。狭い部屋も高い場所も苦手な私なら、イチかバチかの国家的賭けの手札にされるのはごめん被りたい。

 天声人語より
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原発処理水やっと行き先が決まる
薄めれば濃度は減るが総量は減らぬ。
「政府の責任で決めたい」と首相は述べたが、地元の理解を欠く海洋放出は「責任なき独断」にすぎぬ。

素粒子より
歴代の首相が決断しなかった事例を菅さん初めて解決した。
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1918年から日本でも広がり、およそ40万人の命を奪ったスペイン風邪には、三つの波があった。
速水融著『日本を奪ったスペイン・インフルエンザ』によると、それぞれに特徴があり、第1波では死者がほとんど出なかったようだ。
脅威となったのはその後で、第2波は感染力が強く、第3波は死亡率が高かった。「流感の恐怖時代来襲す 咳一つ出ても外出するな」と当時の新聞にある。様々な波はウイルスの変異によって起こったのではないかと、歴史人口学者の速水氏は指摘していた。
ウイルスとはこれほど変異するものかと、コロナ禍でも思い知らされた。英国で見つかった感染力の強い変異株が関西で広がり、他の地域にも及んでいる。東京、京都、沖縄でも「まん延防止等重点措置」が適用される。
重点措置には「部分的緊急事態宣言」の色合いがあり、主な手立ては飲食店の営業時間短縮である。県境を越える移動も控えるよう促すというが、変異株を抑えるのに果たして十分かどうか。
自分や家族が感染していない人にとって、コロナ禍のこの1年超は、ある種の「成功体験」かもしれない。今まで大丈夫だったから、今後もやり過ごせると思いたくなる。しかし環境が厳しくなった時に過去の成功を引きずるなら、失敗を招きかねない。
コロナ慣れわしている余裕はないはずだが、悪い例が政府から聞こえてくるのはどういうわけか。厚生労働省の職員が大勢で深夜まで送別会をした件は、いまだ尾を引いている。

 天声人語より
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日米首脳会談
日米関係も首脳外交も大事だが、あえて言う。
重点措置さなかの首相の外遊が、国内を緩ませる誘因にならぬか。

 素粒子より
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戦争体験を引き継ぐ「平和のバトン」。母から子へとつなぐ「命のバトン」。
バトンには未来へ向かう響きがあり、「#教師のバトン」も名前は悪くなかった。文部科学省がSNSで、先生たちに仕事の魅力を投稿してもらおうと始めた。
教職希望の学生を勇気づけられるのではと考えていたが、あにはからんや。仕事の過酷さを訴える投稿が相次いだ。たとえば「明日で退職です。若い頃は朝から晩まで働きました。今思うと、失ったものがあまりにも多かった」。
部活動の顧問になり「1年間で2日しか休めなかった」。雑務が多く「生徒と向き合う時間がない」。業務は増えるのに「20年間で削減された仕事は座高測定とギョウ虫検査しかありません」との嘆きもあった。炎上といっても過言でない。
業務の効率化を示す「スクラップ&ビルド」は、ある仕事をやめ新しい仕事を始めることをいう。この考え方が全く働かないのが学校だと、小中学校の教員江澤隆輔さんが『先生も大変なんです』で書いていた。
小学校の英語教育やプログラミング教育、道徳の教科書化など文科省から下りてくるビルドは膨大だが、削られる仕事はほとんどなく「ビルド&ビルド」になっているという。教師は子どものためにと言われると「ついつい動いてしまいますし、ある意味では働かされてしまいます」。やりがい搾取を社会が容認してはいないだろうか。
教師の働き方改革という重いバトンがある。手渡されたのはむしろ文科省のほうだ。

 天声人語より
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お大師さんと一遍さん
一遍上人は時宗の開祖、弘法大師空海、お大師さんとともに四国が生んだ偉大な宗教家の一人である。「捨」は四無量心の一つである。慈・悲・喜・捨の四つの心の一つである。また般若心経でいう空である。それはまた無ともよばれ、縁起ともよばれる。それは現代社会の使い捨ての捨ではない。わたしたちに若さや美しさをもたらし、草や木に美しい花と匂いをもたらすものである。それは仏の命であり、いぶきであり、ナニアミダブツであり、返照金剛である。
 遊行上人と修行大師のお二人は「捨」を体得し、その中で遊戯し、大宇宙の慈悲をわがものとして、すべての人に温かく接していらっしゃる。
 ナミアミダブツの六字の名号について、一遍さんは「唯南無阿弥陀仏の六字の外に、わが心身なく、一切衆生にあまねくして、名号これ一遍なり」とおっしゃる。
 ここでいう一遍は一遍さんの一遍ではない。ナミアミダブツの六字の名号は、わたしたちの心身だけでなく、いきいきとしいけるもの、山河草木、吹く風立つ浪の音にいたるまで、ただ一つの名号であって、この大宇宙いっぱいにゆきわたる全一普遍のものであるというのである。これを真言の宗旨では返照金剛という。南無大師返照金剛と唱える時、全一普遍の一遍と自分とが融け合うように、自分も返照金剛、山も河も草も木も返照金剛、宇宙の中で返照金剛でないものはないということになる。これを大日の風光という。それは一即多。多即一という華厳の世界でもある。お遍路さんは楽しそうに「なあむだあいしへんじょうこんごう」と唱えながら四国の山野を巡る。
軽やかさと安からさ「なアムだアイシヘンジョウこンゴウ」にはリズムがある。のんびりした軽やかなリズムがある。四拍子のリズムがある。心の軽安の表れである。心が実に軽い。安らかである。ここにもお大師さんの宝号の喜びと一遍さんの名号の喜びとの共通性がある。

 50番繁多寺・小林隆盛
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にわかに信じがたい映像だった。
線路の上でトロッコを押して旅する大人と子どもがいて、ロシアの外交官とその家族だという。荷台には色鮮やかなソファたくさんのスーツケース。任地の北朝鮮から帰国するときの様子だ。
北朝鮮では最近、各国の在外公館からの脱出が相次いでいるようだ。食料や医薬品などの基本物質が不足して、外交官たちの生活にも支障をきたしているらしい。コロナの水際対策のため、国境を越える交通手段もままならないことを映像は示す。
国内に感染者はいないと北朝鮮は主張するが、内実は不明である。感染対策として強い移動制限がかかって物資の流通が滞り、困窮が極まっているのではないか。むそんな見方が強まるなか、北朝鮮が東京五輪に参加しないことを決めた。
感染から選手を守るためだという。外交的な思惑もあるに違いないが、自前の医療体制の不十分さが響いているのだろう。外交官に最低限の配慮もできないほどだから、五輪どころではないはずだ。
北朝鮮には特殊事情があり、このまま不参加ドミノとなるわけではなかろう。いま考えるべきは日本の事情である。医療体制はコロナ下の五輪をまかなうのに本当に十分なのか。欧米とけた違いに少ない感染者数でも、医療崩壊の瀬戸際に立つ国である。大阪府はきのう医療非常事態を宣言した。
ワクチン接種もまだ入り口なのに、五輪開会までもうすぐ100日。開催の可否について真剣な検討がいる。希望的観測も情緒も排して。

 天声人語より
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老いを遅らせるには--心がけが大切
アンチエイジング」という言葉が注目を集めている。アンチエイジングと
は、できる限り老いを遅らせて若さを保とうという試みだ。
若さ、アンチエイジングというと、スキンケアやサプリメントなどを思い浮
かべる人は多いが、一番大切なのは「気持ち」だ。やりたいことをやること
。無理をし過ぎないことを心掛けると良い。自分を責めないで、いい加減に
、気ままに生活することがお薦めだという。
また、適度な緊張感、ストレスも刺激につながる。ある程度の年齢を過ぎた
ら仕事をしないで家の中で閉じこもっている人は少なくない。だが、ボラン
ティアでも良いので「誰かの役に立っている」という実感を感じられること
を意識的に行うことが大切だ。
そして「きれいになりたい」と願い、行動を起こすことは、世界を広げ自分
を内面からも輝かせる。
たばこと紫外線はなるべく避けよう。特にたばこは肌に悪く、体の循環に悪
影響を与える。
アンチエイジング5カ条
◆いくつになっても男と女
  「美しさ」に磨きをかけよう
◆肌の若返りは心の若返り
   メークアップは外見、心も若返らせる
◆バランスの良い食事と適度な運動
   アンチエイジングの効果は食事と運動が9割
◆よく笑い、よく話し、よくかむ
   笑いは免疫力を高め、かむことは脳の活性化になる
◆長生きこそ最大の誇り
   いくつになっても積極的に社会貢献を
 
 北里大名誉教授・塩谷信幸
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俳優の田中邦衛さんには不器用な男の役が罪ついていた。
その染みがいちばん濃かったのが、映画「学校」で演じた「イノさん」かもしれない。50を過ぎたイノさんは読み書きができず、夜間中学で学び始める。
竹下景子さん演じる先生が好きになり、生まれて初めて書くはがきで、気持ちを伝えようとする。「ぼくのお嫁さんになってください。そうすれば、ぼくはまいばん勉強をして----」。きれいな字になるように定規まで使って、1週間かけて書いた。
見ていて演技であることを忘れそうになるのが、この人のすごさであろう。若いときから数々の脇役でならしたが、転機はドラマ「北の国から」だった。監督から「邦さんは、ああしょう、こうしょうと思いすぎる。それが表現を濁しちゃう」と言われた。余分なものをそぎ落とす。そう心がけて演じたのが、都会での生活を捨てた黒板五郎である。故郷の北海道・富良野に戻り、暮らしに、子育てに苦闘する。情けない、かっこ悪い、でもそれでいい。テレビで教えてくれた。
ある人の記憶のなかでは青春スターのライバル。別の人にとっては小ずるいヤクザ。いくつもの存在感を残して、田中さんが88歳の生涯を閉じた。
「役者には一瞬キラッと輝く人がいるけど、オレなんか輝きようがないもの。長距離ランナーでいくしかないスよ」。田中さんが週刊誌でそう語ったことがある。きらびやかではないとしても強い輝きを放ちながら、長い長い距離を走り終えた。

 天声人語より
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コロナ
この「重点措置」で感染爆発を防げなければ、「五輪中止」が現実味を帯びてくる。

素粒子より
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忘れっぽいたちなのか、毎年春になると、桜というのはこんなにきれいだったのかと驚いていしまう。
そして次に思うのは、美しい時間はこんなに短かったか、ということだ。
〈夜/さくらは天にむかって散っていく〉とつづったのは、詩人の片岡文雄である。そして咲き誇るころの美しさをこう表現した。〈じつにわずかなときだが/さくらのはなびらは/わたしらの足もとを/どこにもないひかりでてらす〉。
冬の終わりにあたたかい日が続いたためか、今年の桜前線はいつもより早めに北上している。にぎやかなお花見が封印された2度目の春。見頃を過ぎた近所の桜はそれでも、路面の彩りとなり、水面の花筏となって趣を残している。
満開の地は今とのあたりかと思っていたら、きのうの朝刊に福島県富岡町、夜の森地区の桜が見頃とあった。地元で知られた桜並木だが、福島第一原発から7㌔と近く、事故により人影のない場所になった。
現在も部分的に避難指示が出たままで、自由に見ることができる並木は半分もない。そこを訪れ、結婚記念の写真を撮っていた若い二人の話が記事にある。「やっぱり地元で撮りたいと思って。桜は相変わらずきれい」。
〈さまざまのこと思ひ出す桜かな〉という芭蕉の句にうなずくのは、美しさの衝撃ゆえにあの年の春、この年の春と心に浮かぶからだろう。つらい記憶もある。それでも楽しい思い出が時を経て重みを増すから、たぶん人は歩いていける。

 天声人語より
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福島第一原発の処理水
「汚染水」と「処理水」の違いが、広く納得されなければ、風評被害は避けられぬ。

 素粒子より
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本紙beにある「街のB級言葉図鑑」に、くすりとすることが多い。
国語辞典編纂者の飯間浩明さんが街で見つけた表現を紹介する欄で、先日のお題は「きれいでもないのに当て字」。ごみ箱に「護美箱」と書かれた写真があった。
美を護る箱とは上品だが、おトイレの扉に「音入」と書く例もなかなかだ。ではことらの言葉遣いはどうか。まん延防止等重点措置を略して「まん防」。のんびりした感じがするのは、丸っこいマンボウの姿が浮かぶからだ。
先日の国会でも「ちょっとゆるいイメージがある」と指摘され、政府分科委の尾身茂会長が「まん防」という略称は今後使わないと答弁していた。妥当な判断だが、そもそも「ゆるい感じ」は制度を作る時からつきまとっていた。
緊急事態宣言が続けば、五輪中止の声はさらに高まるに違いない。だから宣言の前座のような措置を設けたい。そんな下心も見え隠れしていた。大阪など3府県の今の数値を見る限り、宣言を出してもおかしくない水準だ。それでも重点措置がきょう始まるわけで、使う以上は役立てたい。お店にアクリル板を設置しまくること、マスク会食をすることなど、徹底すれば効果はあろう。行政はきめ細かく対応を、店や客も油断なきよう。もちろん3府県に限らない。
「マンボウの昼寝」は海面にぷかぷか浮かぶ姿を言う。手元の事典では寄生虫を落とすため、病気で体調が悪いためなどの説もある。ああ見えて、病との戦いの真っ最中なのかもしれない。

 天声人語より
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コロナ
こんなはずじゃなかった。
初の緊急事態宣言から1年。
まだ収束が見通せぬなんて。

素粒子より
政府の皮算用だったらもう国民の半数近くは接種ぎ終わっているはず。
ワクチンも手元にないのに、予定だけだった。
政府の対応をいさめる人はだれもいないのか。
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すっかり春めく今ごろは中華圏では「清明節」に当たり、人々にとって特別のときである。
「芳草は地に満ち、柳は緑に桃は紅く、男女は遊楽に心も浮き立って----」。と、尚秉
和著『中国社会風俗史』に綴られる。
伝とあ敵に蹴鞠や闘鶏、ブランコなどの遊びを楽しんでいたという。そして何より墓参りをするのが習わしで、日本のお彼岸に近い。「天涯の遊子も帰心の動く頃」と先の本にある通り、遠くの故郷を離れた人も帰りたくなるときだ。
この列車にも帰省や行楽の客が多かったに違いない。清明節の連休初日のおととい、台湾東部の花蓮県で特急列車が脱線する事故が起きた。車両の多くがトンネル内に突っ込み、壁にぶつかって変形した。50人を超える命が失われた。
山をうがった狭いトンネルは、救助活動の妨げにもなった。脱線の原因は明らかになりつつあり、高台に駐車していたトラックが滑り落ち、列車に衝突したらしい。サイドブレーキが甘かった疑いがもたれている。
台湾の幹線鉄道は、山の多い内陸を囲むように全土を一周している。車窓から海と山の両方が楽しめるところも多い。しかし、その山の高台から事故原因が生じ、トンネルが被害を大きくしたとすれば、山間鉄道に潜む危険を示したといえる。山がちの日本も教訓としたい。
かつてのJR福知山線の事故を考えても、脱線はときに多くの命を瞬時に奪う。軌道の上にある安心が、不断の注意の上に成り立っていることを改めて思う。

 天声人語より
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ワクチン接種が待ち遠しい
コロナ致死率は70代で4.8%、80代以上は12%。
来週からの高齢者接種を迅速に。

素粒子より
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どうして私がお風呂に入る時間を勝手に決めちゃうの?
ヨシタケシンスケさんの絵本『ふまんがあります』で、主人公の女の子が、そんな疑問を次々パパにぶつけていく。
「ナゾの生き物『おふろあらし』が来ると、お湯がなくなっちゃうからさ」。丁々発止のやり取りを楽しみつつも、女の子は「大人になるとどうしてズルくなるの」と繰り返し尋ねる。「こども庁」創設をめぐる記事を読んで、疑いがふつふつと湧いた。
こども庁立ち上げを提言したのは自民党の議員有志。2月から勉強会を重ね、菅義偉首相に緊急提言を手渡した。首相はすぐさま党執行部に検討を指示。「子どもはいちばん大事で国の宝なのでしっかりやりましょう」。二階俊博幹事長は即座に即答したそうな。
提言書を読んでみる。子どもに関する政策に取り組む司令塔を打ち立て、省庁間に散らばった権限を一元化するとある。聞き飽きた言い回しではあるものの、「チルドレン・ファースト」をめざす姿勢にはうなずく点もなくはない。
とはいえ党が次の衆院選の公約に盛り込むと聞けば、たちまち興は冷めてしまう。集票狙いのアドバルーン、選挙が終わればすぐしぼみはしないか。あからさまな「子ども扱い」は、当節の有権者には通用しまい。
「デジタル庁」に続けて「こども庁」とは、思いつくまま「庁」を増やされてはたまらない。むしろ現政権に必要なのは「先手庁」の方ではないか。感染症対策で見た後手後手の対応を繰り返してほしくない。

 天声人語より
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コロナ
きょうの大阪は、あすの東京と言われなか、重点措置。
再々々拡大をどう防ぐ。
「第3波」で急増した死者は96%は60代以上。
でも、若い世代も危機感を共有して。
 素粒子より
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この欄を担当すると、文芸作品を大慌てで読み直すことがままある。
あらすじを確かめ、主人公の言葉を探す。そんな時によく立ち寄る無料の文芸サイト「青空文庫」の利用が、コロナ下で急増していると聞いた。
「最初の緊急事態宣言が発出されたころ、一気に増えました」と運営チームの一員で翻訳家の大久保ゆうさんは語る。日に10万前後だったアクセスが昨春、2倍を超えた。
目だって増えたのは児童文学の読者だ。宮沢賢治の『注文の多い料理店』は2倍、新美南吉『ごん狐』が3倍、グリム兄弟『ラプンツェル』は4倍に。学校に行けない子どもに何を読ませようかと考え込んだ親御さんの姿が浮かぶ。
年間ランキングにも影響を及ぼす。中島敦の『山月記』や芥川龍之介『蜘蛛の糸』など短編が順位を上げた。「家での読み聞かせ、、声優さんらによる朗読配信でも短編が好まれたようです」。
青空文庫が店開きしたのは1997年。森鷗外『高瀬舟』、与謝野晶子『みだれ髪』など4作品で始まった。運営は非営利で、入力や校正にあたる無償のボランティア『青空耕作員」が支える。出版界との共存は難題のままだが、だれにも開かれた「共有の本棚」に並ぶ作品は、1万6千点を超えた。
思えば、食や旅ほどではないにせよ、読むという営みもコロナ下で変容した。有料か無料かを問わず、私も電子媒体で読む時間ばかりが増える。感染が収束したとしても、日々の「読み方」はコロナ以前には戻れない気がする。

 天声人語より
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救命につなげるために、AED使用をためらわずに
新潟県の高校で野球部の女子マネージャーがランニング直後に倒れ、先月死亡した事故は、いつAEDを使えばいいのか、現場での判断と実行の難しさを問いかけた。
女子生徒は、死の間際に脳への血の流れが止まりかけ、あごや肩、胸や腕が、途切れ途切れにあえぐように動く「死戦期呼吸」の状態だったと思われる。(ギャスピングと現場や医療機関では言う)実際に空気は吸えていないが体が動くので、周囲の人たちは心臓が動いていると思い、AEDを使わなかったのかもしれない。息をしているかのように見えてしまう死戦期呼吸のことを多くの人に知ってもらいたい。
息が止まっていれば、すぐに心臓も止まる。現場に居合わせた人は、あえて患者の脈に触れる必要はなく、息をしているかどうか、だけを目で見たり耳で聞いたりして判断すればいい。講習会でも死戦期呼吸を教えるときは動きが大げさになりがちだが、実際には分かりにくい場合もある。突然の事態に直面した一般の人たちに冷静な判断を求めるのは無理だろう。息をしていないことが疑われるときは、一刻も早く胸骨圧迫をしたり積極的にAEDを使ったりすることが大切だ。
日本のAEDの普及率は世界でもトップクラスだ。的確な設置場所やきちんとした保守管理など課題はあるが、使い方はよく知られるようになった。消防白書によると、2015年に病院外でAEDが実際に使われたのは約1100件で600人ほどの究明につながった。だが、蘇生措置を行えた可能性のある人は数万人とみられ、市民の的確な判断と行動なくして救命率の向上はない。
人が倒れた現場は混乱し、AEDの音声支持も聞き取りにくいだろう。電気ショックのボタンを自ら押すことをためらう心理も働く。居合わせた人がAEDの電極を患者に貼り付けさえすれば、ボタンを押す必要もなく、自動的に除細動をする「全自動」AEDを開発し、早く導入すべきだ。技術的には可能で、間違って放電されることや救助者の感電を防ぐ方法もある。メーカーや行政は積極的に取り組んでほしい。
胸骨圧迫やAEDの使用では、衣服を破ってでも脱がすなど患者のプライバシーが守れない場合がある。
一般の人が処置をためらったり、蘇生がうまくいかなかったりした時に責任を問われることを恐れるという気持ちも考える必要がある。
こうした背景には100%の安全と結果責任を追及する最近の日本の風潮があると思う。市民の善意を生かし救命率を上げるためには、米国やカナダなどのように「緊急事態に直面した善意の処置者は、その結果に対して責任を負わされない」という「よきサマリア人の法」の整備が必要だ。

 私の視点より----聖路加国際大学院特任教授・宮坂勝之

善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:Good Samaritan laws
とは
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。
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和歌山市役所に勤める山崎浩敬さんは毎朝7時台に、同じ時刻のバスを待つ。
目の見えない山崎さんにとって乗り降りは大変だが、そのバスなら小学生が乗り合わせ、手助けしてくれるからだ。
「バスが来ましたよ」。紀の川の河口に使い狐島宮前バス停で、初めてそんな声をかけられたのは十数年前。白い杖を持つ自分に女の子が教えてくれた。腰の当たりを指でチョンとつつき、ドアまで導いてくれる。「座らせてあげて下さい」と席の確保まで。胸が温かくなった。
進行性の目の難病「網膜色素変性症」と診断され、視力は落ち視野も狭まる。バイク通勤だったが、自転車にも乗れなくなり、最後はバス通勤に切り替えた。その子が卒業すると、妹や後輩が誘導役を継いでくれた。
和歌山大付属小学校に通う女の子たち4人である。感謝の念を昨秋、作文につづった。全国信用組合中央協会のコンクールで大賞に選ばれたのがきっかけとなり、山崎さんはこの1月、小学校を訪問。初めて4人と一堂に会することができた。
受賞作を読んでみる。「小さな親切のリレーで、退職まで何とか頑張れそうです」とお礼の言葉が続く。取材を終え、バス停に立つ。車の量が多く、風も強い。山崎さんにとって小さな手がどれほど心強かったことか。
きょうから新年度。初めての駅や初めてのバス停に立つ方もおられよう。コロナのせいで人と人が隔たり、言葉をかけにくい状況は続くけれど、だれもが孤立しない一年間であってほしい。

 天声人語より
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「健康づくりのための身体活動基準2013」は身体活動を「運動+生活活動」
日々のちょつとした動きもスポーツ並みの健康効果があり、ちょっと体を動かすことを増やす「プラス10」を推奨。そうすれば、がんや認知症を減らせるという。
では、どうすれば生活活動を増やせるのか。まず起床から就寝までに、どこで体を動かせるか1日を振り返ることだ。
通勤時に早歩きしたり、掃除や洗濯でキビキビと動いたり。そんな小さな動きが「ちりも積もれば山」。1日10分でも、1週間で合計1時間でもいいし、途中でやめても三日坊主を繰り返すつもりでも構わない。
自分の身体活動レベルを知るときには活動量計が役に立つ。
歩数計の機能に加え、家事などの生活活動で1日に体を動かして消費したカロリーが示される。活動量が基準や目標に対して十分なのか下なのか客観的に教えてくれる。
いわば自分の現在地を示すナビ。最近は結果をパソコンやスマホに送って確認できる。
注意点は、体を動かす次官は一気に増やさず、体調が悪いときには無理をしない。痛みが出たら、医師や運動の専門家に相談を。夏場などは炎天下を避け、熱中症に気をつけよう。

 元気のひけつより
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ときに渦を巻き、ときに身をくねらせる黄土色の大蛇が日本列島に挑みかかる。
気象衛星ひまわりがとらえた「黄砂監視」映像は驚きの迫力である。中国上空から朝鮮半島をかすめ黄砂が日本を襲う。
この春、北東アジア一円で黄砂の被害が相次ぐ。北京駐在の同僚に聞くと過去10年で最も深刻という。高層ビルは黄色くかすみ、視界不良によるノロノロ運転で渋滞が起きる。人々はスマホでまめに「浮土」予報を確かめる。
勧告ではほぼ全土に黄砂警報が出された。「中国で発生」「大気の質が大きく低下」。そんな韓国メディアの報じ方に中国政府がかみつく。「中国は発生源でなく、途中駅に過ぎない」と報道官。「中国世論はモンゴルを『前の駅』だとは非難はしない」。微妙な言い回しでモンゴル由来説に触れた。
モンゴル在住の本紙取材スタッフに尋ねると、今年の砂嵐は近年にないすざましさだという。10人を超す死者が出て、家畜が吹き飛ばされ、停電も相次ぐ。ただ今春の砂は、中央アジアの国々から飛来したとの見方が有力という。
こと黄砂に関しては、それぞれの国がそれぞれに被害者意識を持つらしい。東京で10年ぶりに黄砂が観測されたきのう、スカイツリーにのぼった。地上450㍍から西の方角に目を凝らす。空は鉛色に曇り、近くのビルがかすんで見えた。
〈黄沙ふる地球の微熱続きをり〉山口隆右。黄砂とは、同じ北半球に暮らし、同じ偏西風を浴びる者の避けがたい宿命と言うべきか。

 天声人語より
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日米首脳会談
当初は9日に会談する方向で調整していた。
日程がずれ込んだ理由について政府は、訪米の成功に万全を期すための準備を勘案してと説明したが、外務省の幹部は米側の事情と語った。

素粒子より
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フランシス・ベーコンと聞いて浮かぶのは哲学者だった
同名の英画家の展覧会がいま、神奈川県葉山町の県立近代美術館で開かれている。コロナがどんな影響を及ぼしたか休館中と再開後に取材した。
会期は1月9日から来月11日まで。ところが開幕の直前、首都圏に緊急事態宣言が出され、県の方針により3日間で休館に。「開ける準備をしながら同時に閉める準備も。仕事が倍になりました」と学芸員の鈴木敬子さんは話す。
ベーコンは来年が没後30年。顔や体を極限までゆがめて描く。競売ではピカソやムンクと並ぶ値がつき、20世紀の巨匠とも呼ばれる。初期の油彩、柊作下絵をまとめて鑑賞できる展示のはずだった。
主任学芸員の高嶋雄一郎さんは「休館が長く何とももどかしかった」。東京では開けているのに神奈川はなぜ一律休館か、という不満も聞こえてきた。「それも本物を見たいという渇望の裏返し。作品を守り、後世に託すという美術館員の使命を自覚した1年でした」と話す。
再会を待って訪れたのは先週。同じ配置、同じ作品群なのに、観客不在の時とは空気がまるで違う。どこか寂しげに見えた絵が、周囲に見る人々がいることで一転、熱を放つ。いあわせた見学者の視線や足取りから受ける影響の大きさを実感する。
世評にたがわず、ベーコンの作品はちょっと不気味で不思議。その実物に、ほかの愛好家と並んで対峙する喜びはやはり何ものにも代えがたい。観賞という営みの原点に立ち返った。

 天声人語より
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蔓延防止
緊急事態がまだ解除されて間もないのに、今度は「まん延防止等重点措置」が発令されると。
政府も大阪府の知事は何を考えいるのだ。
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福井県敦賀市の港で真新しい「足跡」を見つけた。靴のマークが市街地へ続く。
80年前、ここに着岸した船「天草丸」から下りたユダヤ難民たちが歩いたことをいまに伝える。
ウラジオストクと敦賀を結ぶ天草丸は大戦中のある時期、欧州での迫害から逃れた人たちを毎週のように運んだ。「天草丸は国なき民、さすらひの民を 白波を立てゝ進む」。船員だった故大迫辰雄さんは私的なアルバムに船の写真を貼り、書き添えた。
大迫さんの職場の後輩だった北出明さんは「『命のビザ』を発給した杉原千畝氏だけでなく、大迫さんたち多くの人が救出を支えました」。大迫さんの遺族からアルバムを託され、肖像写真の残る男女7人のその後を調べ歩いた。
うち5人の足取りがつかめた。写真の裏に「私を思い出してください。すてきな日本人へ」とつづった女性は、杉原ビザで敦賀に着き、米国に渡った。色あせた大迫さんの名刺に遺族から見せられ、北出さんは感じ入ったと話す。
港にある資料館を訪ねた。ここから世界各地へ逃れ、生き抜いた人々の謝意が様々な言語で展示されている。通過ビザのためこの地にとどまる余地はなかったものの、敦賀の人々は上陸した難民にリンゴを配り、銭湯を開放したという。
天草丸はロシア客船だったが、日露戦争で日本軍に拿捕され、その後、難民たちを救った。大戦末期に米潜水艦に撃沈され、海のもずくに。それでも、この船がつないだ人道精神は敦賀の港に確かに残っていた。

 天声人語より
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