連日、外出をためらうほどの猛暑が続く。
来年の夏の五輪カレンダーを見ると、8月初旬は野球やサッカーなど人気競技で決勝が目白押しだ。選手や競技会場の暑さ対策は大丈夫だろうか。
気象情報会社ウェザーニューズはいま、東京都内のマラソンコースで気象データを調べている。本番と同じ早朝に気温、湿度、路面温度、風向、風速などを5㌔ごとに測定。どこが日なたになるなるかも動画で撮影する。集めた情報は、戦略作りに役立つよう日本陸上競技連盟に提供する。
陸連科学委員でもある同社の浅田佳津雄さんたちは昨夏、午前7時の号砲を想定して観測した。しかし猛暑の懸念から午前6時に繰り上げられ、再調査が必要になった。「1時間前倒しすることによって気温はたしかに下がりますが、反比例して湿度は高くなのます」。
スタート時刻変更の影響が大きいのは、気温と湿度より日の差す角度だという。朝が早いほど、都心の高層ビル群が作り出す日陰はまちがいなく増える。選手のだれにも朗報だろう。
五輪よりさらに厳しい暑さに直面するのは、パラリンピックかもしれない。車いすの選手たちは、路面のアスファルトからの照り返しを低い位置で浴びる。このため浅田さんたちは地上50㌢の観測も同時に進めている。
水泳や柔道、体操など屋内競技はまだしも、炎天下の競技では応援する人々にも準備と体力が欠かせない。選手のためにも、観客のためにも、どうかほどほどの夏で済みますように。

 天声人語より