「月曜日は嫌い」「月曜日は嫌い」----。1970年代末のヒット曲「哀愁のマンディ」のサビの部分である。
ある月曜日の朝、米国で乱射事件を起こした16歳の少女の言葉を繰り返す。当時16歳の高校生だった筆者の耳にも歌詞が張りついた。
いくつになっても学校や勤めのある限り、月曜日は気分が重い。ブルーマンデーである。医療の世界でも、月曜の午前に心筋梗塞など心疾患事故の多いことはかねてから知られていた。原因を解明しようと、愛知県にある旭労災病院の木村玄次郎院長の研究班は、月曜と金曜、休日に心臓にかかる負担を調べた。
対象は平日に勤めを持つ207人。起床時、朝10時、夕方4時、入眠前に血圧計で測定してもらうと、血圧に心拍数をかけた数値が月曜の朝10時にきわだって高かった。
「血圧と心拍数の積は心臓にかかる負荷を示します。土日にリラックスした心臓に、月曜午前は一気にストレスがかかるようです」と木村院長。週の初めは、仕事の段取りを決め、外せない会議や上司への報告も多い。急に仕事モードに入るのは心臓に悪いそうだ。
木村院長らが提唱するのは「スローマンデー」である。月曜の朝、職場についてもいきなりギアを高速に入れないよう勧める。
なるほど「哀愁」だの「ブルー」だのと嘆くより、月曜は特別に心臓をいたわってあげる日にしたい。政府が旗を振ってもさっぱり広まらない月末金曜の仕事早じまい運動「プレミアムフライデー」より、よほど心身にやさしい。

 天声人語より