所得支え成長への期待高めよ
アベノミクスは景気回復への方向感を失いつつある。デフレ脱却を果たさぬままに増税すれば、景気は悪化して税収が減り、再び増税を迫られる悪循環に陥ります。まず経済のパイ自体を拡大することで財政健全化を図るべきだ。
経済政策は、成長を通じて国民一人ひとりの満足度を上げることを目指すべきだ。消費や投資が主導する形で景気が回復していく好循環をつくらないといけない。しかし、4~6月期は消費や投資が低迷し、実質成長率はマイナスでした。
「骨太の方針」では「我が国経済は、1990年代初頭のバブル崩壊後、およそ四半世紀ぶりの良好な状況を達成しつつある」との認識が示されましたが、楽観的過ぎると思います。14年、15年に入ってからのアベノミクスの評価は50点です。
中国経済の減速懸念や米国の利上げの行方に注目が集まるなど、世界経済の雲行きは急速にあやしくなつている。今こそGDPの6割を占める消費の政策的な底上げが急務なのです。具体的には1人当たり3万円の定額給付金支給などを主眼にすえた、総額5兆円規模の経済対策を早急に実施すべきだ。
アベノミクスの本質は、国民の心に「少なくとも先進国平均なみに日本は毎年成長しつづける」という長期的な期待を育み、国民の自由な経済活動を促進する制度整備を進め、所得を安定的に増やすことにある。政府は再び政権発足当初の強い期待を醸成する必要があるのです。

 リフレ派エコノミスト・片岡剛士