消費税の再増税、将来世代見すえて決断を
消費税の再増税について、賛否の議論が激しくなった。
今年4月、税率を5%から8%に上げたのに続き、15年10月には10%にする。このことは「社会保障と税の一体改革」として法律で決定済みだ。ただ、法律の付則に、経済状況を見て最終判断する旨の規定がある。
「増税しても社会保障が充実した実感がない」。そんな声も聞く。指摘はもっともである。
合計5%幅の増税のうち、給付の「充実」に回すのは1%分。残りの4%分は、基礎年金の財源の安定化や国債発行を減らすことに費やされる。
日本の財政難は、そうせざるをえないほど深刻だ。今年度予算も、総額96兆円に対し税収は50兆円。その他収入を充てたの古里、41兆円は国債発行に頼る。
その最大の原因は、予算の3割強を占める社会保障費だ。高齢化に伴って医療や介護、年金の支出は膨らみ続け、少子化対策も欠かない。現状を放置すれば、「入り」と「出」の差は広がって、将来世代へのつけ回しが際限なく膨らんでいく。
国の借金は国内総生産の2倍。1千兆円を超え、先進国の中で最悪の水準だ。1人あたりでは800万円超。再増税を見送っては、財政再建への姿勢が疑われかねない。国債や「円」への信用が傷つき、国債相場の急落に伴う「悪い金利上昇」や、不景気の中での「悪い物価上昇」が杞憂とは言い切れなくなる。
財政難の責任をまず負うべきは、政治だ。その姿勢に国民が疑問や怒りを感じていては、負担増への反発も当然だろう。
政治が国民への責任を果たす。国民も負担増を受け入れる。そして、将来へのつけ回しを減らしていく。
消費増税はその1歩である。

 社説より