中国・ロシアの台頭--米国は凋落したのか―--その2
小規模な国際紛争が大規模な戦争に発展する事態は回避すべきであり、そこに重点を置いたオバマ政権の方針は適切なものだ。だが、アメリカが軍事介入をためらうなら抑止力を弱め、米軍が介入しないという想定の下で中国ないしロシアの活動強化を招くことにもなるだろう。
戦争をする気がないと思われてしまえば、どれほど日本、韓国、ASEAN諸国との協力を強めて中国を牽制しても効果は少ない。
では、アメリカの「凋落」が長期化し、中国とロシアの影響力が高まるのか。私はそう考えない。むしろ、ソ連のアフガニスタン介入によってカーター政権が不介入政策を一転したように、戦争しないことでアメリカを弱くしたという批判が国内で高まったとき、アメリカは再び軍事介入に転じる可能性のほうが高いといえるだろう。ウクライナ・ロシア、中国・ベトナムなど、展開によっては軍事介入への反転を促しかねない紛争は既に発生している。アメリカの凋落を嘆く前にこれらの紛争を打開しなければ、アメリカが軍事介入を再開し、新たな戦争の時代を待つほかはなくなるだろう。

 時事小言より----藤原帰一